\横山験也のちょっと一休み/

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法華義疏

Posted in 古典, 日本の古典, 良書 by 横山験也
3月 30 2012

聖徳太子と言えば,6年生の社会です。
十七条憲法と冠位十二階が有名です。
「十七条憲法」は『日本書紀』に載っています。
岩波の文庫本ですと,第4巻の「推古天皇」の章にあります。(冠位十二階も載っています)

「皇太子,親ら肇めて憲法十七条作りたまふ」 

このあと,「一に曰く・・・」と続きます。
岩波の本には,ルビがたくさん振られています。
「憲法十七条」の読み方にもルビが記されています。これが,なかなか良いのです。

「いつくしきのりと とをあまりななをち」です。

「憲法」を私たちは「けんぽう」と音読みしています。
それ以外の読み方はないものと思っていました。
ところが,上のように和の読み方もあったのです。

「いつくし」というのは,神々しいとか,素晴らしく立派というような感覚です。
ですので,この十七条はただの「法」と同等ではないのです。

「憲法」と似たものに,江戸時代の「武家諸法度」「禁中並公家諸法度」などの「法度」があります。
「法度」と「憲法」は,単に言い回しが違うだけで,共に似たものと思っていました。
ですが,辞書を引いてみるだけでも,やっぱり違いが出てきます。

度・・・規則
憲・・・手本とすべききまり
(広辞苑調べ)

「手本」は素晴らしのが基本です。神々しいほどに素晴らしい手本となるきまりが「憲法」なのです。
明治政府が法度という言葉を用いず,「憲法」を用い,さらに,戦後も「憲法」を用いていること。
その心が実に素晴らしく立派に感じられてきます。
「和語で読む」 ことは,そこに託された心を知る手がかりになります。

『聖徳太子』には,「法華義疏(ぎしょ)」と「十七条憲法」が載っています。
「法華義疏」は,日本の現存する最古の書です。聖徳太子の作で法華経の注釈を書いた本です。
「抄」というのは,注釈という意味です。
太子の書いた注釈を読み飛ばすと,仏がどうしたという類の伝説的お話しと思えてきます。
ところが,その注釈を読むと,そこに非常に大きな計り知れない教えが広がってきます。
「なるほど,そうよむのか」と響いてきます。
これは,「憲法」を「いつくしきのりと」と和語で読む読み方を知っているかいないかで,響き方が変わるのと似ています。

法華経と禅。自分なりにもう少し勉強を進めてみたいと思っているジャンルです。

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横藤雅人先生の『5つの学習習慣』

Posted in 友達の先生, 良書 by 横山験也
3月 28 2012

友人の横藤雅人先生の新刊『5つの学習習慣』です。

わかりやすく書かれているので,どんどん読み進めることができます。
気に入ったところは,「子ども部屋は「貸す」」という考え方です。これは,作法に通じる実によい考え方です。
子どもの環境を「大満足」にしてはいけません。大満足は,その時はよいのですが,後から「わがまま」とか「甘え」とか,負の心根を持つことになります。
2分3分ほど,満たされない部分がある方が,「辛抱我慢の心」「全体が良いから,細かいところは目をつぶる」といった,良い心根が育つことになります。
特に,子ども部屋は毎日活用するところです。
長い年月をかけて使うところです。
部屋を借りつづける子どもの心に何が育っていくのか,それを考えるだけで,幸せな気持ちになってきます。

「腰を立てて椅子に座らせる」という章もありました。これもいいですね。
「良い姿勢は一生の宝」と横藤先生も記されています。
本当にそう思います。
良い姿勢で座れるようになると,姿勢の良い人がどんどん目に付くようになります。
良い姿勢の人を見ると,それだけで良い気分になってきます。
この本からも,姿勢よく座ることが伝わります。有り難いことです。

若い先生にも,若いお父さん・お母さんにも勧められる良い本です。

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岩﨑淳先生の『新しい国語科教育 基本指導の提案』には,学習院の風が!

Posted in 友達の先生, 良書 by 横山験也
3月 19 2012

学習院中等部の岩﨑 淳 先生の新刊『新しい国語科教育 基本指導の提案』です。

岩﨑先生は,教育出版の小学校・中学校の教科書編集委員もされていますが,学習院中等部の先生でありながら,学習院大学・学習院女子大学・早稲田大学でも教鞭を執られています。

学習院・教科書編集員・大学。

私のような在野から見ると,まさに,「ストライクゾーンのど真ん中」というイメージです。
とくに,関心が高まるのは,学習院です。
学習院でどんな学習がなされているのか。
それを学ぶだけでも,大きな修養になると思っています。

副題にある伝統的な言語文化の指導が真っ先に書いてあります。
その中で響いてきたのは,老舗の話しです。
老舗の経営のコツは,思い切ったことをしていくこととあります。

「コツ」というのは,小手先のことではありません。
「コツ」は,漢字で「骨」と書きます。
もっとも重要な勘所,それが「骨」です。

古典は継承することであり,その学びから自分を新たに創造することです。
学習院の風を感じてしまいます。

この本は3月22日に発売なのですが,amazonnではすでに販売されています。
私は学会で先行発売されたので,そこで手にし,岩﨑先生からサインを頂きました。
読み進めながら,学習院の風にあたることができました。こういう国語,嬉しいです!!

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深澤久先生の授業を見てきました

Posted in 友達の先生, 良書 by 横山験也
3月 17 2012

一日公開をするとメールに書いてあったので,ちょっと行ってきました。

見学した授業は4時間目と5時間目。
子どものやる気,取り組み,スピード・・・。見事でした。
途中から気になったのが,学級づくりの全体の構造です。
4時間目が終わり,給食に移り,ああなるほどと,かなり合点がいきました。

協議会では,深澤学級の見えてきた構造を話しました。
子ども達はスポーツチームの選手であり,劇団の団員であり,といった所に位置付いており,深澤先生は先生でありながら,監督でありコーチなのです。
ただ,このチーム・団といった比喩では,4月のスタートにおける取り組みをカバーできません。
この部分のカバーとして必要な頭は,大衆運動・大衆組織の論理です。
私の話を受けて,この不足部分を具体的に話していた久さんはさすがでした。

深澤学級の全体の論理については,いずれ,本人がどこかにバシッと書くと思います。
「学級づくり原論」
こんなタイトルでしょうか。
読んでみたいですね。

懇親会では羽鳥先生と少し歓談。
日本人を育てる研究の話しです。
私の作法研究と少し重なる所があり,羽鳥先生の向かう所などを伺えたらと思っていました。
でも,やっぱり酒の席はダメですね。
雰囲気がイマイチなので,まともな話しは前に進みません。
日を改めて,羽鳥さんとは話したいと思います。

道中読んでいたのは,『都鄙問答』。石門心学の石田梅岩の本です。
心学と書いてあると,心理学かなと思えてきますが,左に非ず。
江戸時代の思想書です。

面白かったのは,イザナギ・イザナミの「殺す生む」の話しが,生きるための殺生と関連づけられたいたことです。苦笑しつつも,このつなげ方の姿勢が勉強になりました。
短気の論理もわかりやすく,面白いです。この論理を板に付けようとすれば,それはそのまま優れた修養になります。深いです。

こういう細かい面白さが所々に書かれているので,思想書は魅力があります。
でも,一番の楽しみは,「人としての考え方」です。現象面に目を奪われないしっかりとした考え方の素養を養えます。

本を読みつつ,つらつらと思ったことは,「姿勢の研究を城ヶ崎先生と進める必要があるな」ということです。

 

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ジュンク堂の『書標』に関大初等部式が!

Posted in 良書 by 横山験也
3月 15 2012

「ジュンク堂」という書店をご存じと思います。
非常に大きな,あの本屋さんです。

そのジュンク堂さんが毎月『書標(ほんのしるべ)』 を発行しています。
『書標』には,たくさんの本が「今月のおすすめ」として紹介されています。
その3月号の「人文科学」のページに,『関大初等部式 思考力育成法』が紹介されていました。

考えることを考える学習を記録した画期的なルポルタージュと記されています。
そうして,おすすめをしてくれた方は次のように記しています。

「考動力」こそ人間力を鍛える。

「考動力」。この言葉が良いですね。
「考えて動く力」です。

『関大初等部式 思考力育成法』が掲載されたページに,もう3冊の人文科学の本が紹介されています。

『哲学大図鑑』(ウィル・バッキンガム著,三星堂)
『神に異をとなえる者』(アベ・ピエール著,新教出版社)
『神社のいろは』(神社本庁監修,扶桑社)

哲学が図鑑になってしまったのかと思いきや,きちんと論じられていることが書評を読み分かりました。
得意とする分野ではないのですが,ちょっと気になる本です。

『書標』の表紙の題字は陳舜臣氏です。

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長瀬拓也先生の『社会科授業のつくり方』

Posted in 友達の先生, 良書 by 横山験也
3月 07 2012

若い先生が教育書を書いています。
実によいことです。

長瀬先生の本を読むと,まず驚くのはその筆力です。
日頃から,かなり本を読んでいるのだろうなと思います。

若い頃の私は固い感じで書いていましたが,長瀬先生の文章は暖かいです。
その暖かさで『社会科授業のつくり方』(黎明書房)を書き上げています。
その根本として,学級経営という立ち位置を感じさせる本です。

面白いのは「とりあえず大きくしてみよう」です。
当たり前のことが,しっかりと書かれているのがうれしいです。
社会の名人,有田和正先生も資料は大きくして子ども達に提示しています。

5W1Hも載っています。課題づくりに役立つとあります。
その章には,授業の流れの大まかな学び方も書いてあります。
そこにある,「守破離」を見て,この本は「守」の本なのだなと思った次第です。

「まだ若いけど,いつか本を書きたい」と思っている先生にも,良い刺激を与えてくれる本です。

有田和正先生の新刊『 社会科授業の教科書』は4月に発売になります。

 

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三省堂本店で有田和正先生の講演会が! 3月31日(土)午後

Posted in 大先輩の先生方, 良書 by 横山験也
3月 05 2012

ビッグニュースです。

東京に三省堂の本店があります。
そこで,教材開発の名人,有田和正先生の講演会が開催されます。
3月31日(土)の午後です。

==さくら社『社会科授業の教科書』刊行記念 有田和正先生の特別授業==

参加できるのは,わずかに50名様までです。
この案内は,3月3日(土)に告知されたのですが,3月5日(月)の朝の段階で,すでに20席が埋まっているそうです。
大変な人気です。

三省堂本店でイベントは,選ばれた方しか行うことができません。
そこに有田先生が選ばれているのです。嬉しいです!
有田先生も当日を大変楽しみにされています。
お時間のある先生,ぜひ,お申し込み下さい。

右の本は,昨年の夏に発売になった有田先生の『学級づくりの教科書』です。
この本に続く,『社会科授業の教科書』(発売予定4月)が,この日に限り先行販売されます。
『社会科授業の教科書』を皆さんで読みながら,有田先生のお話を伺えるのではないかと,期待に胸を膨らませています。

 

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『日本語小文典』はグッドです!

Posted in 良書 by 横山験也
3月 04 2012

『日本語小文典』は良いです。

400年前の日本の言葉,発音がびっちりと記されています。
しかも,その言葉は「公家・武家」階級の言葉です。
なかなか知り得ない世界の言葉が記録として載っているのがこの本です。

読んでいて惹かれたのは,公家・武家での美しい言葉遣いです。
例えば,下のように記されています。
「二つの否定によって肯定を表すと,非常に美しい表現となる」

二重否定は論文では嫌われる表現です。
しかし,日本人の語感として,美しさを感じさせる表現だったのです。
400年も前から美しさが込められており,今も日常の中で自然に使われています。
と言うことは,二重否定の表現を美しいと感じるのは日本人の語感なのだと言えます。

そんな思いをあれこれ沸き立ててくれます。

この本を記したのは,日本人ではなくポルトガルのロドリゲスさんです。
外国の方が日本語について,岩波文庫で上下2巻になる大作を書いたのです。
さらに,驚くのはタイトルに「小文典」とあるように,この本の元になっている「大文典」があるのです。
なんという頭の持ち主なんでしょう,ロドリゲスさんは。

伊能忠敬の地図製作に感動した事がありますが,このロドリゲスさんの仕事から大きな感動を受けています。
ロドリゲスさんや伊能忠敬さんに,「キミもやるね」と言ってもらえるように,ソフト開発を多いに進めたいと思います。

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『魏志倭人伝』『後漢書東夷伝』

Posted in 良書 by 横山験也
3月 01 2012

『魏志倭人伝』『後漢書東夷伝』を読むと,大昔の日本のこと,日本人のことが少し分かります。

気候が温暖。土地も耕作に向く良い土地。
その上,人々が穏やかでした。

目上の人と会ったら,後ずさりをします。
何か,お伝えすることがある場合は,跪いて手をついて,まずは恭敬の念をしめします。
目上の人は,「あい」と返事をします。

立場は違えど,お互いに礼を保ちます。
礼の仕方は変わっても,礼をする心は今も変わっていないのが日本人なのだと思います。

読み返すと,何とも言えない良い気分になります。

『後漢書東夷伝』には,秦の始皇帝の話しが出ています。
不老不死の薬が海の向こうの蓬莱山にあると伝えられており,家来の徐福にそれをとりに行かせた話しです。
その蓬莱の地は,なんと日本(東夷)なのです。

日本に不老不死の妙薬があると思われていたこと。
秦の始皇帝が信じるほどの信憑性を持っていたこと。
これが良いですね。伝説とはいえ,子ども達にも教えて欲しいところです。

先日読んだ数学の本では,蓬莱山は富士山となっていました。
霊峰富士なので,不老不死と結びつくのも自然かなと思います。
富士山を拝むと,長生き出きるように感じます。
そんな気持ちが始皇帝にまで届いていたのでしょう。

『後漢書東夷伝』は,後漢の国書ですから,きんとした正式な歴史書です。
そこに載っている話しですから,蓬莱の話しは重みがあります。

 

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『関大初等部式 思考力育成法』圧巻は24ページから!

Posted in 良書 by 横山験也
3月 01 2012

思考を「図」という形で迫って行ったこの本は,読み返しても実に良く納得します。

『関大初等部式 思考力育成法』
圧巻は,24ページから。

指導要領を「思考スキル」という観点から分析しています。指導要領をそのまま受け止めるのではなく,思考法という視点で読み直すだけでも,実に素晴らしい読み方です。

各教科毎に「思考ルーブリック」 を設定。普通は,教科毎に何か束ねたら,それで完結するのですが,関大初等部は,そこからさらに思考法を前進させています。
教科横断的に「思考」を見直したのです。
そうして,見いだしたのが31個の「思考スキル」。
実にすごいです!

さらにすごいことが,その先に書いてあります。
31のスキルを,十分に吟味し,18のスキルに集約したのです。
それから,さらに考えることに特化した6つのスキルに絞り込みました。

この指導要領からスタートし,教科を横断させ,ついに6つのスキルへと絞り込む過程。
ここは,武道など実技的な技術を学んだことがある方には,見事!と感じられるものがあります。

技の多さは入門期に向きません。
高度な身体能力を発揮する武道でも,学び初めは数種類の基本技です。それをしっかり学び,体得するにつれ,動きの変化が別の技ともなり,あるレベルを超えると,自らの創意工夫による技へと質的に高まっていきます。

同様に,思考の技として,図を使った6つのスキルを徹底して学んだら,その先,どうなるのでしょう。
何か考えるときに図面が自然と出てきて,それを頭の中でサラッと操作して,大きな流れや個々の場面をイメージする優れた能力になると推測できます。
関西大学初等部はまだ4年生までしかありません。この先,さらに研究的実践が進むことを期待してやみません。

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