Monthly Archives: 2月 2012

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『三国志 蜀書』を読みました

『三国志』を読みました。といっても,蜀書だけです。魏書,呉書は読んでいません。
ちょっと調べたいことがあって,読んだのです。
気になることがなければ,読むはずもないので,この本は私の「寄り道本」です。

寄り道でも,読めばいろいろと有益な気持ちが湧いてきます。

三国志といえども,現代語訳は思っていたほど難しくありません。
それでいて,劉備だの,関羽だの,諸葛孔明など,有名所の武将が登場してきます。
中国の正史への敷居が,急速に低くなりました。
この感触が得られたのが,ありがたいです。
おかげで,正史などへの読書意欲が湧いてきます。

読書熱が高まることは,実に大切なことです。
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1,本を読む
2,創意工夫をする
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この2つが,学問の基本だからです。
本は多めに読みます。
創意工夫は粘り強く行います。
すると,読書と工夫が相交わり,質の高い中身が生まれてきます。

『三国志 蜀書』には,「白眉」「泣いて馬謖を斬る」「三顧の礼」も出ていました。
覚えのある言葉が途中にあると,ちょっとした一服感となります。有り難いです。

 

『小学生の行儀作法』が増刷になります

昨年の11月にPHPから出した作法書。
『恥をかかない! 小学生の行儀作法』が3月に2刷りになると連絡が来ました。
私にとって3作目になる本で,親子向けに良い感じでまとめられています。

世の中に行儀作法が行き届いていたら,この本はいらないのですが,昨今の子ども達,残念ながら行儀がチト悪いです。
それを「何とかしたい!」と思う方々が,この本を買って下さっているようです。
お役に立てて,有り難いと思います。
(この本は生協のチラシからの購入となります。PHPのホームページ でも扱っています。書店への注文もOKです。amazonnでは扱っていません)

作法と似ているのに,道徳があります。
道徳は,頭や心に直接働きかける勉強です。
作法は,まず体に働きかけ,それから頭や心に染みこませていく勉強です。

「所作」や「身なり」を整えると,自然と心や精神も次第にしっかりしてきます。
そうして内なる心がしっかりしてくると,それが外に資質として見え始めてきます。
「外は内を養い,内は外を資(たす)ける」です。

ですので,昔は1年生2年生と小さい子には作法をしっかり学ばせ,外から内を養っていました。
それから,心に直接働きかける道徳が行われ,資質の高い人へと歩ませました。

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最近の道徳は,よく考えさせています。
考えて自分で判断していきます。

お稽古事の経験のある方でしたら,自分で判断することは入門初期の指導ではないことが了解できると思います。
まずは,形を教え,形に慣れさせます。それから自分で判断となります。

作法は,道徳と違い形があるので,入門期に考えさせてもあまり効果がありません。
それより,「椅子に座って何もしていないときの手はこうしているのです」とまず形を教えます。
それを実際にやってみて,その効能を感じるようにします。
しかる後に,異なる場面となります。
この時,基本はこうだけど,ここはこういう環境なので・・・と自分で考え判断します。
その時の考え方が,「天地人(古い言い方をすると,時処位)」です。
天地人の三つを貫いて考え判断するのが,人の道の王道なのです。

道徳の授業に作法は必須です。今の道徳は内面に偏りすぎています。

宇佐美寛先生の連載/『現代教育科学』3月号

宇佐美寛先生の連載があるので,この1年,『現代教育科学』を読んでいました。
秋頃からでしょうか,休刊・廃刊という噂が届き初め,いよいよこの3月号でおしまいになりました。

その3月号の宇佐美先生の御論文。これが実に良いです。
男女混合名簿が,一つの事例として載っています。
これが明快です。

相撲は強い力士が後から登場します。
落語は上手な話し家が後から登場します。
こういう例をたくさん示されたら,名簿も後に載った方が良いような気がしてきます。

相撲や落語は,お客様を喜ばせるために,強い人,うまい人を後に配置しています。
目的があり,その目的を達成するための配置です。

名簿にも何らかの目的があります。
その目的を達成するために,男女別が良いのか,男女混合が良いのか,選ばれるところです。

この3月号,最後の号ですので,江部満元編集長が寄稿しています。
編集長としての気構えが強く伝わってきました。
GHQにいたことも,驚きながら読みました。

江部さんの所を読み終えたら,電話がかかってきました。
なんと,江部さん御本人からでした。
インフルエンザも治られたようで,よかったです。
暖かくなったら,また,一献傾けることになりました。

3年_三角形のソフト/新作です!

3年生の「三角形」用の新作ソフトを開発しました!

今回のこのソフト,チョッピリ良い感じのスグレモノになりました。

円周の交点(三角形の頂点)をマウスでドラッグできます。
それだけで,円の大きさが変わり,同時に三角形が平べったくなったり,逆さまになったりします。

できる三角形はいつでも二等辺三角形!
当たり前と言えば当たり前ですね。

動きとしては,わずかなのです。
でも,これがなかなか楽しいのです。
それでいて,チョッピリ不思議な感じもします。

この面白さ,不思議さを,自分の目で見て,視覚的に「なるほど,そうか」と得心するから,算数は面白いのです。

★★
この円の重なりは重要です。
直線を2等分する垂線づくりなどの基礎となります。
ですので,このソフトを見るだけでもかなり大きな算数的数学的体験をしていることになります。

「もっと算数」サイトにアップしました。ぜひ子ども達に見せてあげて下さい。

宇佐美寛先生に誘われて,早稲田大学へ

宇佐美先生に誘われて,早稲田大学で開かれた「大学院生が活躍する大学教育プログラム」に参加してきました。

会場に入ったところに宇佐美先生がいらっしゃり,さい先良く御挨拶できました。
そうしたら,facebookで知り合った吉岡先生もいらっしゃり,ビックリしました。
奥泉さんや米田さんともお会いしました。
「1人でポツン」を予想していたので,とってもホットに楽しめました。

基調講演は宇佐美先生の「防衛力増強」です。
一つ一つの話しが突き刺さってきました。
前2列には大学院生が座っていました。
オッ!と思ったのは,宇佐美先生の御講演中,院生のペンが走っていたことです。
宇佐美先生は,まとめを書いてもダメ。具体例を書くんだ!と強く仰っていました。

メモを取りたくなるような,鋭い話しをすることが大切なのだと痛感しました。

今回の集会は,「全学規模で行う学術的文章作成指導--大学院生が個別フィードバックする初年度eラーニング・プログラム--」です。
「学術的文章」を書けるようにするグッと来るいい話を聞けるのかと思っていました。
でも,お話しの中心はシステムでした。
ちょっと,私には遠かったです。
「学術的文章」の内容は,少し紹介されました。
骨子だけだったのが残念でした。
詳細に教えてもらえ,広めたくなる内容だったら,それを形にして・・・などと,思いました。

「学術的文章」に関心があっても,今回のは早大の学生でないと学べません。
でも,ご安心。
お勧めは,『論理的思考』(宇佐美寛著)です。
私は,若い頃,この本を視写していました。
おかげで,たくさんの論文を書き上げることが出来ました。

『論理的思考』は,すでに70版近くまで増刷されているそうです。嬉しいです。

宇佐美先生から,「3月10日はもっとおもしろから」と言われました。
宇佐美先生からお誘いを受けていることが,とても嬉しいです。
3月10日は田園調布大学です。

懇親会で名刺交換をしました。
そのほとんどが大学の先生です。
数学の先生がいらっしゃり,嬉しくなって,未来の話しを少ししました。
外国籍の友達がたくさんいる院生さんとも知り合いました。英語が弱いのでありがたいです。
その院生のお父さんが理科の専門家で,世界一受けたい授業にも出演されたそうです。
いろいろな方とつながることが出来て,今回の中心的存在だった佐渡島紗織先生に感謝です。

 

3年生 小数が好きになる「小数点くん」

3年生で小数を学びます。

初めての小数です。楽しく親しませることが大切です。
それを可能にする,チョー簡単教具があります。
「小数点くん」です!!

教室の黒板に,丸い磁石がたくさんありますね。
それに笑顔をかきます
これで準備万端です。

つくった「小数点くん」は,お披露目のために,上着のポケットなどに隠しておきます。

そうして,授業で黒板に「3.6」と書くとき,わざと小数点を書かないで,「36」とだけ書いておきます。
子ども達は,小数点が足りないことを指摘してきます。
それを受けて,「実は,今日は小数点くんが教室にやってきています。みんなで呼んでみましょう!」と誘います。
一斉に,大きな声で「小数点く~~~ん!!!」と呼んだら,ポケットから取り出します。
そうして,板書した「36」の所にペタッとくっつけます。
先生がくっつけるのも良いですが,「くっつけたい人」と誘えば,わんさか手が挙がります。楽しいときは,挙がる手がどんどん増えます。

友達の関田先生は,小数の学習の始まりに,みんなで「消臭力」ならぬ,「小数力」と声出しをしています。
こういう面白い話しを聞くと,「小数点くん」という名称も「小数力」や「小数小力」でも,面白いと思います。

こういう教具を作る時に,簡単なポイントがあります。
「重要な一点を形にする」という方法です。

今回のは,単元が小数ですので,一番重要なのは「小数」そのものです。その小数を表記する時に登場する「小数点」にスポットを当てて,教材を作りました。
「小数の表記」を教材にしたのです。
同様に考えれば,他の単元では何を形にしたら良いか,あれこれ思いつきます。それを実行してみてください。先生オリジナルのグッドな教材で楽しく集中して授業が進みます。

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このような面白い教具を作って授業をしても,「算数通の先輩方」を納得させることは難しいです。
「小数の表記」も重要ですが,もっと重要なのは「小数の量感」です。
「小数点くん」では,どうやっても量感はつかめません。
子ども達は盛り上がりますが,なんとはなく軽いお遊び的教具と思われてしまいます。

量感を示す教材は,コンピュータソフトが一番です。
ものさしがうつっている算数ソフトを見て分かるように,水色の「テープ」で量を示し,答えの数値で「数」を示しています。
「量と数」を同時に示しつつ,それを連続的に変化できるので,「小数の量的理解」が得られるのです。

その上,さらに,「5.3cm」に対応して,「既習の5cm3mm」も同時に示しています。
単位の換算が自然と会得できます。
「新しい内容と,既習との連立」は理解を深める大切な見せ方です。

「小数点くん」で楽しんで,さらに算数ソフトでしっかりとした理解。
こういう授業が新しい時代の展開となります。