Monthly Archives: 3月 2016

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城ヶ崎滋雄先生の『教師の腕前診断–困ったに答える』

b7734城ヶ崎滋雄先生の新刊『教師の腕前診断–困ったに答える』です。
城ヶ崎先生の講座を受けたことがある先生でしたら,すでにおわかりと思いますが,とにかく「懐の深い先生」です。

先日も,某出版社の方と歓談したのですが,その方も「話を受け入れてくれる先生」と話されていました。

もう30年ほども前になりますが,千葉県の船橋市に先生達が集うサークルがありました。城ヶ崎先生と私はそのメンバーで,今は千葉市で「チーム算数」で一緒に教育研究を続けています。
なんというか,城ヶ崎先生と私は30年来の研究メンバーなのです。

城ヶ崎先生の指導力が格段に上昇したのは,不登校の子への専任教師になってからです。
子ども達との対応力が認められ,全国の先駆けのようにして,城ヶ崎先生は不登校対応の専門の先生になりました。

でも,実際に子ども達や親御さんに接してみると,これまで学んできた教育の技術が通じません。
かなり思い悩んだこともあったようですが,そこを救ってくれたのが古武術の精神です。
埼玉県にある古武術の稽古場へ,遠く離れた千葉県から通っていました。
そこで学んでいた体裁(たいさば)きなどから,「相手の流れに逆らわず,流れに合わせて対応する」事の大切さに城ヶ崎先生は気がつきました。
その姿勢で不登校の子に臨んだら,予想を超えて,みるみる子どもや親御さんは笑顔になり,距離感も縮まり・・・・。
そうして,再び学級担任の道を歩み始めたら,どんな子にも動じない先生となっていたのです。
相撲にたとえれば,受け入れて相手に力を出させて,それから裁く。そんな横綱相撲がとれる先生に大変容していたのです。

城ヶ崎先生は教室とは離れたテレビの教育特番にも出演しています。
私も視聴しましたが,城ヶ崎先生のコメントは一つ一つが優れた内容でした。

その城ヶ崎先生が,学級で起こりえそうな各種の困り事をテーマに,どう対応するのがよりよいかと答えてくれているのが,この本『教師の腕前診断–困ったに答える』です。
担任をしつつ,困り事を感じたことのある先生には,ぜひ,ご一読いただきたい一冊です。
お勧めします!
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城ヶ崎先生と進めている「チーム算数」の4月例会は23日(土)です。
場所はいつものジョナサンです。午後2時からのスタートです。
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バングラデシュのオートリキシャ

今週末の日曜日(4月3日)は,大阪でお話をしてきます。
笑いのバロメーターを吹っ飛ばせ!1年中大爆笑するクラスに」です。
笑いの話もしますが,私の海外動向に関心のある先生もぜひお越し下さい。
たぶん,バングラデシュの写真もお見せするかと思います。
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b7737バングラデシュの庶民の足,オートリキシャ。
三輪車で,左右の側面はガラスでは無く,鉄格子になっています。
風が入ってくるので,暑さは吹き飛びます。
でも,同時に砂塵も入ってくるので,マスク着用で乗りました。

b7736中から見ると,↓となります。
車に乗っているのですが,檻に入っている感じです。

このオートリキシャはそこそこ距離があるときに乗ります。
近場は自転車で牽引するリキシャです。

自転車で牽引するリキシャは,時々,乗車拒否に会います。
なんというか,渋滞している方向には行きたがらないようなのです。
道路の混み方が半端じゃないので,自転車をこぐ人の気持ちも,わかります。

「リキシャ」という言葉の語源は,日本の「人力車」だそうです。
ちょっと嬉しい気分になりますね。

タクシーの運転手さんなどに,何人なのか尋ねられました。
そのたびに,同行の人が「ジャパニーズ」と応えます。
すると,聞いた人の顔が笑顔になり,「日本人,好きです」というような言葉が返ってきます。
親日の国とは聞いていましたが,直に言われると,グッと来ます。

家に帰り,あれこれ調べたら,
1,バングラデシュが独立したとき,先進国で一番最初に承認したのが日本だった。
2,JICAを中心に経済支援を続けている。
と,このような事情で「親日」「敬日」のお国柄なのだそうです。

バングラデシュの初等教育の発展をお手伝いできる日がやってくるように,私もちょっと頑張ってみようと思います。
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バングラデシュでミーティング

b7740バングラデシュに三日間,行ってきました。
今回も,「ミーティング&懇親」の連続で,非常に面白く,また充実しました。

写真は打ち合わせをした場の踊り場から写した,首都ダッカの風景です。
ひしめくビルに発展を感じます。

撮影したビルで初日のミーティングをしました。
翌日は場所を変え,大学でのミーティング。
最終日も大学でミーティングです。

当初,初日に1回,部長級の方とのミーティングをすれば,それで十分だろうという事だったのですが,お互いが良い感じになり,2回目もミーティングを持ち,さらに,翌日へと延長され,3日間,毎日ミーティングしました。
そうして,最後は,お互いとても良い気持ちで握手を交わし,「また,お会いしましょう」となりました。

何より嬉しかったのは,その設立精神,その活動精神です。
ビデオを拝見し,大いに感銘を受け,自分も算数でそのような道を歩み続けたいと思った次第です。
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前田康裕先生『まんがで知る教師の学び』

b7743前田康裕先生の『まんがで知る教師の学び』が今月の25日に発売になります。
アマゾンではすでに予約可能となっています。

この本の内容が,前田先生のフェイスブックにその1,その2,その3と記されています。

その1:全体の内容紹介
その2:ストーリー
その3:吉良良介(←主人公の人物紹介です。込められた意味が深いです)
まだまだ続くようで,楽しみです!

その1を転載します。
--↓前田康裕先生のFBより↓--
拡散希望【まんがで知る教師の学び】その1
http://www.amazon.co.jp/まんがで知る教師の学び-これからの学校教育…/…/ref=sr_1_1…

久しぶりに私の単著が出版されることになりました。まんがも私自身が描きました。(というか、ほとんどまんがの本ですが・・・。)
書店に並ぶのは3月25日くらいになりそうです。
今日から少しずつ本の内容の紹介をいたします。
まずは今回は目次だけ。

【各章タイトル】
第1章「そもそも思考」で考えよう
――そもそも、学ぶとは何か?

第2章 技術的合理主義の限界
――省察(リフレクション)を繰り返しながら成長する

第3章 リフレクションと自己改善
――成長するためには授業観を磨くこと

第4章 タイムマネジメント
――多忙感に負けない仕事術

第5章 学び合いと社会的構成主義
――授業形態の真似で終わらせないために

第6章 発達の最近接領域の理論と実践知・学問知
――専門家集団がビジョンを共有すれば…

第7章 教師に必要な21世紀型能力
――自身の強みを生かした未来設計

第8章 レジリエンスと学習する組織
――学び続ける教師とは
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大筋が漫画になっているので,読みやすくわかりやすいです。
さらに,そのストーリーから,教師教育についてしっかり学ぶことが出来ます。
内容が非常に濃いです。
やる気のある先生,ちょっと壁にぶつかっている先生,悩んでいる先生。
ぜひ,お読みになって下さい。
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いよいよ明日の早朝,バングラデシュに向かって出立です。
算数ソフトIMの話をしに海外へ行くのですから,時代が進んできたと感じます。
現地の言葉は全くわかりませんが,同行の方が通訳をしてくれます。
ですので,安心して行くことが出来ます。
算数を中心に初等教育について熱く語らってきます。
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『マッキンゼー経営の本質』

遅ればせながら,海外旅行の保険に入りました。
これで万一の時も安心です。

日本は海外旅行がしやすい国と聞いています。
VISA無しで行ける国が,たくさんあるからです。
ひとえに信頼を築いてきた先輩方のおかげです。

でも,私の行くバングラデシュはまだVISAが必要です。
手続きをして,VISAをいただきました。パスポートに張り付いています。
このVISAを見ると,私も微力ですが,日本人の信用を高める方向で活動をしたいという思いが湧いてきます。
いつの日にか,バングラデシュと日本の交易が深まり,VISA無しで行き来できる日がやってきます。
その日が少しでも近づくように,私も心がけを正して行動してきたいと思います。
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b7746『マッキンゼー経営の本質』
この本を読んで,グッと来たのは理念をしっかり持てというところです。
理念といわれても,学校経験が長かった私にはちょっとすっきりしないのですが,まあ,「校訓」とか「学年訓」とかいった「訓」として把握すると,かなりよくわかります。

この「訓」は「家」という字のウ冠の下の横棒。天井板のような一画に位置しています。
b7745家にしろ,学校にしろ,会社にしろ,組織という所は訓で示されたことより広い範囲の内容を含んでいますが、基本的には訓を守って,訓を目指して人々が諸活動をします。

そんな風に思っているので,そこにこの本の話を落とし込んでいくと,なるほどと思えてきました。

訓に向かって力を発揮することを「忠」と言います。
訓がはっきりしていて,それが繰り返されている学級は,普通,良い感じにまとまります。忠義者の学級になるからです。
例えば,「気合い」とか「協力」なんて言葉を学級訓,あるいは先生訓として打ち出すと,これもまとまりが良くなります。大阪ではこの話もしてみたいと思います。でも,大阪に着いたらすっかり忘れているかも知れません。
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中学の入試問題に

『行儀作法の教科書』長く生きていると,面白いことと出会うものですね。
1通の封書が会社に届きました。
開けてみると,私が書いた本の一部が,中学の入試問題に採用されているので,それを会員向けwebに掲載したい,とのことです。
受験向けのサイトのようです。

入試問題に採用された本というのは,右の『行儀作法の教科書』です。
どこが用いられたのかわかりませんが,日本人として大切な行儀作法が出題されたのだと思います。
これは実にありがたいことです。

『行儀作法の教科書』から入試問題を出題したのは青山学院横浜英和中学校だそうです。
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「行儀作法で一番重要なのは何ですか?」と問われたら,皆さんはどう答えるでしょう。
歴史的にも論理的にも体験的にも,「自分の姿勢を良くすることです」と答えるのがベターと思っています。
自分の姿勢がきちんとすると,他の所作も姿勢に比例して丁寧になります。
また,見ている人も,姿勢の良い人の所作としてみるので,少々立派に感じ取ってくれます。

行儀作法は所作です。手や顔や体や腰などで表現する仕草です。
その動きをする中心・根本は体なので,その体の軸がしっかりしていれば,後は枝葉です。
長幼,師弟,前後,表裏などの対を考えれば,大筋良い感じで過ごせます。

姿勢を良くしつつ,伸びやかに愉しげにいることです。
これが作法を楽しんでいる人の姿です。
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