Monthly Archives: 2月 2014

You are browsing the site archives by month.

6年の「速さ」。次元解析のソフトが少し進行しています!

8546昨日の続き。
6年生の「速さ」のソフトです。単位を付けて式を書く,福嶋先生とのコラボで開発しているソフトです。次元解析のソフトです。

式に単位が付いています。
「km/時」と「時間」です。
これらの単位をかけ算すると,答えの単位はどうなるでしょう。
式に単位を付けて,思考力を鍛えていこうとする先生は,こういうところも,子ども達にちょこっと考えさせてくれます。

こういう単位付きの式の指導は,普通に式を書くより,ちょっとややこしくなるので,指導がそれなりに大変になります。
ところが,このソフトを使うと,指導が非常にやりやすくなります。
問い方が簡単になり,子ども達も食らいついてこれるからです。

例えば,こんな風に問うてみるのも良いです。
「黄色の単位をクリックしたら,何が出てくるかな?」

すでに,黄色の所が気になっています。
そこへのだめ押しのように問いが出されるのですから,何かしら,頭の中に答えが出てきます。
しかも,その問いに対して,かしこまらずに,子ども達はクイズを楽しむかのように,あれこれ気軽に考えることができます。
思考をするには,もってこいの状態です。

それから,クリックして単位を見てみます。
すると・・・・!
ちょっとした見せ場が登場します。福嶋流の見せ場です。
それを見たら,「あー,そうか」と,出てきた単位の理由がつかめてきます。
福嶋先生の実践的工夫が,なるほど感を高めてくれます。
--
「面積図」のボタンを押すと,小学校では絶対に出てこない高度な図が出てきます。
それを理解する子がいたら,高校生並の理解力と思って良いです。
そんなことを言いながら,「面積図」のボタンを押したら,真剣度マックスになるでしょうね。

6年の「速さ」。次元解析のソフトを作っています!

85476年生で学ぶ速さのソフトです。
でも,普段のソフトとは内容が違います。
算数をさらに論理的に教えている先生向けのソフトです。

式の中に「単位」があります。
黄色の単位をクリックすると,小学校では普段教えない「km/時」が出てきます。
どうして,分数表記の単位を示すのかというと,それは単位同士も計算されているので,それを子ども達にも学んで欲しいからです。

式に単位を付けて思考力を鍛える実践的研究をしている先生がいます。北海道の福嶋先生です。
先日,東京でお会いし,福嶋先生の次元解析のソフトを作るとどうなるか,という話し合いをしました。
それを具体化したのが,このソフトです。

水色のスライダーをドラッグすると,時速を変更できます。
すると,線分図の時間の目盛の位置も連動して変わります。
時速の値が大きくなればなるほど,時間の間隔は広くなります。
それは,なぜかを考えることが出来ます。頭は論理的になります。
この図は,非常に感覚的なのですが,数学的な図としてはイマイチなのです。

数学的な図は,下半分の大きな空白のところに登場します。
仕事量の図(面積図)です。
いま,そこを作り込んでいます。
こちらの図を見たら,これまた,頭は論理的になります。

クラウドでお披露目できるのは,かなり先になりますが,来月中にはアップできると思っています。

『学校の道具事典2 校舎・校庭』が出来ました!

b8456『学校の道具事典』の第2巻「校舎・校庭」編が,届きました。
パッと見て,良いですよね。
校舎・校庭の写真がドンピシャです。
この小学校,神奈川県横須賀市の津久井小学校です。
昨年の夏,取材に行きました。猛暑の中だったので,私はちょっとクラクラしていました。

校門・校庭・くつ箱・かさ立て・廊下と階段・正面玄関・職員室のドア・・・
いろいろな場での道具について,フルカラーの写真やイラスト入りで解説しています。

職員室の写真には,実際にお仕事をされている先生お二人と,校長先生が映っています。校長室では,校長先生と地域の方が実際に話し合っているところを撮影させていただきました。
現実の生の姿が映っているので,ライブ感が出ていて,とても感じが良いです。

来月に,第3巻が発売になります。
3巻揃いましたら,ぜひ,学校図書館の本として推薦してください。

丸岡先生が「算数ソフト研究会(仮称)」を!

大阪でのセミナーを運営してくださったのは,丸岡先生を代表とするレッズの皆さんです。
代表の丸岡先生は,もっか,「銅像教育」を推進しています。この教育は奥が深いので,私も注目をしています。

その丸岡先生が,来年度から「算数ソフト研究会(仮称)」を立ち上げて,関西や四国の先生方と勉強をすすめます。
ありがたいことです。

算数の研究は,戦前も戦後もたくさん行われてきました。
特に,戦前の教育では,100マス計算のような鍛錬を積む指導法が数多く開発されました。
戦後になり,考える算数が主流になり,1時間の目当てを明確にする授業が盛んに行われるようになりました。
また,線分図など視覚的にとらえやすい工夫も研究されるようになりました。
こういう流れを受け継ぎながら,新しい算数ソフトを活用した研究が進み始めています。

丸岡先生達が進める「算数ソフト研究会」では,実践レポートを書くことが一つの形になっているそうです。
良いレポートが届きましたら,このブログでも随時紹介を進めていきます。
--
算数ソフトに関係する研究会が,これで3つになりました。
1つは,全国組織の「ICT算数研究会」です。主に,MLで活動を進めています。
2つ目は,城ヶ崎先生・佐々木先生・押田先生と私で進めている「チーム算数」です。
3つ目は,丸岡先生と関西・四国の先生方による「算数ソフト研究会(仮称)」です。
これとは別に,奈良の中嶋先生が,「算数ソフト式育成法」を研究しています。
これから先が,ますます楽しみです。

大阪の野口塾,懇親会での松田先生のお話に,大感動しました!!

b8472_200大阪の野口塾。『究極の説得力』の平先生が初登壇です。ちょうど,「縁」の話しで私との出会いを語られているときに,私が入室しました。偶然とはいえ,平先生との強い御縁を感じました。参加されている先生方は,皆さん,平先生の話に熱い感動の連続状態でした。書籍コーナーにたくさん積んであった平先生の新刊。あっという間に売れたそうです。
素晴らしい先生の話を聞けて,本当に良かったと思いました。
--
その日の懇親会。
講座と同じように,大感動のお話しを伺うことが出来ました。松田先生の話です。
ヘレンケラーとサリバン先生の話しのような感動的な話しです。

松田先生が受け持っているクラスに,ダウン症のお子さんがいます。
残念ながら,算数はほとんどわからない状態だそうです。
これまで,ずっとわからないのですから,算数そのものへの興味も持っていません。

でも,松田先生は,「もしかしたら」と思い,その子に算数ソフトを使ってみました。
1年生のソフトの中から,とくに易しい,ブロックを並べるソフトを選んで取り組ませました。

でも,その子はマウスのクリックが思うようにできません。
いつも,真ん中にあるホイールをグリグリ動かしてしまうそうです。
8548御存じのように,算数ソフトはクリックしないと動きません。

どうなることかと思っていたら,嬉しいことに,あっという間に自分でどんどんクリックし始めたそうです。

これだけでも,感動的なでき事ですが,もっと嬉しい感動がその翌日も続いたそうです。
なんと,その子は,昨日の勉強で使ったノートパソコンを運んできて,これをやろう!と先生にせがんだそうです。
ずっと算数に興味を持てなかった子が,自分からやろうと言い出したのです。
まさに,ヘレンケラーの「ウォーター!」が起こったかのような光景を私は感じました。教育の力は素晴らしいです!!
松田先生がサリバン先生のように思えてきました。
そんな感動的な場面に算数ソフトが貢献できました。ありがたいです。

学びの基本は,本人がやりたいと思うことです。
松田先生のクラスのお子さん,きっと算数のことが少しずつわかっていくように思います。
そうなってほしいと願います!
--

関西大学初等部の子は素晴らしかった!

卒業式の練習を頼まれ,関西大学初等部へ行ってきました。
1時間指導しましたが,子ども達が素晴らしかったです。
教えたことをどんどん吸収する力のある子ども達です。
平素からかなり質の高い学習がなされていると思いました。

私が指導したのは,主に次の5つです。
1,姿勢
2,起立・着席
3,礼
4,証書授与
5,返事

この中で最も厳しく指導したのは,「姿勢」です。
45分間の指導中,子ども達が背もたれに背中を付けていたのは,僅か2分程度。
後は,立腰状態でずっと練習をしました。
こういう力を子ども達が一気に持つことができたのは,子ども達が「最高の姿」を意識的に実行する力を持ったからです。
作法のように,体を自分で操るものは,自ら最高を求める心を持つことが,出来映えを左右します。
関西大学初等部の子ども達は,この「最高の姿」を求める心が,練習中,一貫して強かったのです。

卒業式の指導を御依頼くださったのは三宅先生です。
練習する教室に案内され,まず,「さすが!」と思いました。
案内された教室が,平素使っている教室では無かったのです。
作法には,「日常作法」と「儀式作法」の2種類があります。
日常作法でしたら,平素の教室で行います。
卒業式は,日常から離れた儀式です。そこには伝統が入り込みます。
場を変えて指導すること。これが子ども達の学びを力強くします。
次に,椅子がとても良かったです。
実際に卒業式で使う椅子だったのです。
いつもと違う椅子も,子ども達の学び力を高めてくれます。
三宅先生の指導力の高さをこの場作りでも感じました。
卒業式の練習をするにふさわしい場作りをしてくださっていたので,私の指導も子ども達に届きました。

卒業式の練習中,嬉しい出来事がありました。
1つは,大事な卒業証書を私が落としたことです。
おもむろに拾ったのですが,誰一人として笑いません。
それどころか,微動だにしません。
非常に立派でした。

もう1つは,練習中に咳をした子がいたことです。
その咳の仕方が実に立派でした。
押し殺すように咳をしただけでなく,手を口に当てて,少しはすを向いて咳をしたのです。
余りに立派だったので,再現してもらい,みんなに見てもらいました。
良い機会ですので,上座を教え,下座に向いて咳をするとなお良いことを話しました。

最後の1つは,返事の指導をしたときに起こりました。
マスクをしていた子が,全員,マスクを外しました。
風邪を引いていたり,花粉症になっている子は,マスクをしていてかまいません。
しかし,それでは「最高の返事」を届けることが出来ません。
それにサッと気がつき,自分からマスクを外しました。
「最高の卒業式」をしようという強い気持ちが伝わりました。
立派な判断でした。

来週は,野口塾ビギナーズです。
卒業式の作法を話ししますが,関西大学初等部の子ども達の話しも少し交えて話したいと思います。