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ビッグサイトでVeRSION2!

ビッグサイトへ。教育ITソリューションEXPOです。
ビジネスパートナーのVeRSION2さんがブースを展開しているので,その見学に行ってきました。

VeRSION2さんの会場に着くと,たくさんのお客さんが集まっていて,スタッフの皆さんが笑顔で対応されていました。
グリーンを基調としたすてきなブースです!!
社長さんもブースにいたので,早速ご挨拶。
まだ30代のバリバリの社長さんです。
教育現場の未来を構築している姿が,私にはとても頼もしいです。

VeRSION2さんのブースでは,大学向けの「ソリューションカレッジ」が展示されています。
出欠の管理,授業,フォーラム,オンデマンド・・・・
多彩なシステムで,たくさんの大学で採用されています。
大学の先生による授業もありました。
英語の学習でしたが,その取り組み方がなかなか面白く,私も学生の時にこういうシステムで学びたかったと思いました。好奇心の強い生徒にうってつけと感じました。

ブースの中央には80インチのモニターセットが設置されています。
算数ソフトも映し出してくれました。
その写真を撮ったのですが,蛍光灯の点滅によるフリッカー現象が出てしまい,良い感じに撮影できませんでした。
家に帰り,ネットで調べたら,シャッター速度を 1/80 以下にすると良いことを知りました。
「なるほど」と感心しつつ,カバンからカメラを出そうとしたらカメラがありません。
どうも忘れてきたようです。こういうこともあります。

会場を歩いていたら,さくら社がお世話になっているワタナベ流通さんに声をかけられました。
しばし,歓談。嬉しい一時でした。
そうしたら,その後,熊本の桑崎先生と遭遇。嬉しいことは続くものです。
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不易流行の不易

北日本新聞北日本新聞,3月21日(土)の7面は,全面「春の教育書・保育書フェア」でした。

1段に8社,それが4段。合計32社分のスペースがあります。
上2段と下2段の間には,大きく「春の教育書・保育書フェア」と書かれています。

さくら社は上から2段目,左から3番目に2つの本を紹介させていただきました。
『教師教育』『子どもの作法』です。

御縁があり,北日本新聞さんのお世話になりました。
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新聞に会社の名前が出るのは,やはり嬉しいですね。“頑張っている”という気持ちになります。
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秋田で「不易流行」という演題で話すことになっています。
この言葉が日本で出来た熟語で,俳句の松尾芭蕉が奥の細道を巡っている間に生み出した観念ということは,有名な話です。

俳句を不易流行という視点で味わってみると,私のような素人でも,何とはなしに鑑賞しているなという気持ちになります。

閑さや 岩にしみ入る 蝉の声 (芭蕉)

山寺・立石寺で読んだ俳句です。
閑かだったのです。とにかく,閑かだったのです。
そこに大きな岩が有ります。
蝉が鳴いて,岩にしみ入るようで,良いですね。

字面から鑑賞する程度の私です。
それが,不易流行を知ることで,少し鑑賞がアップします。

不易(つまり,変わらないところ)は,閑かなことと岩です。
俳句を詠んだその日だけ閑かで,たまたまその日に岩があったのではありません。
何年も,何十年も,何百年も前からずっと,この場は閑かだったのです。そうして,大きな岩もそこにじっとして動かないのです。
また,これから先,何十年,何百年と,この閑かさと岩の存在は変わらないのです。
そこに,はかない命の蝉の声です。
たまたま鳴いた蝉と考えた方が感じが良いです。
一時の鳴き声,一時の命,一時の流行です。
そんなはかなさをもつ鳴き声が永遠に続いている閑かさの間を通って聞こえてきます。それに感動した芭蕉は,じっとしている岩にも鳴き声をしみ入らせたのだろうと思えてきます。
なんというか,「永遠の今」を感じます。

私の邪推による鑑賞はさておき,気になっていたのは,「不易流行」の「不易」です。
流行が変わるという意味なのは分かりますが,不易はなぜ変わらないという意味なのか,それが疑問なのです。
「流行=変わる」というほどのわかりやすさが,「不易=変わらない」には無いのです。漢字を見て思いを入れていくと「不易=やさしくない=むずかしい」となり,難しいのは変わらないと言うことなんだと,かなり遠回りでつながります。
しかしながら,ここでの遠回りはダメです。
「流行=変わる」のわかりやすさに対応していません。

そこで,易は易者と使われるように占いの意味だから,当たるも八卦,外れるも八卦で,そういう意味で変化しているとも思ってみました。
こちらもやはりダメでした。
漢字辞典で調べたら,占いという意味は順番が最後になっていたからです。
易を応用して使ったということなるので,これでは理由として通りが悪いです。

占い説はダメでしたが,熟語を見ている内に納得しました。
易の意味は読み方が決めていたのです。

エキ・・・「貿易」「交易」
イ・・・・・「容易」「安易」「平易」「簡易」「軽易」「難易」

エキと読む時は変わる意味で,イと読む時はやさしい意味なのです。
読み方によって意味がほぼ固定されている漢字があることが私には新鮮でした。
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単位量は「当たり前」って言われても,分からないですよね。

調べ物をしていると,相変わらず途中で脱線しています。単位量は当たり前

「左前」と言う言葉は,多くの方がご存じだと思います。
着物の着方で,死に装束の場合に用います。
ですので,着物を左前に着るのは,あまり縁起の良い着方とはなっていません。

このときの「前」の用い方が,普通の「前」と微妙に異なっています。
普通の「前」は,自分を規準にして,距離感が大きい方がより大きな前になります。
朝礼で背の順で並んでいたとしましょう。自分の目の前の子は1つ前です。その子より前にいる子は,「もっと前にいる」という感覚になります。先頭の子は,一番前という感覚で,並びの中では最大の前です。
普通の「前」は,どうも算数(数直線)臭いです。

これと「左前」や「前方後円墳」の「前」は感覚が違います。
自分の体からの距離が短い方が前なのです。
左前は,左側の襟が体に近い方となります。
前方後円墳は,方形(四角い形)の方が自分の体に近い方となります。
「手前」「目の前」という意味での前なのです。
何となくですが,生活臭いと感じます。

こんな風に思っていた時,気になったのが「当たり前」でした。
いわゆる,当然!常識!という意味の言葉です。

「手前」は手の前と思えますし,「目の前」は目の前です。
すると,「当たり前」は,当たりの前なのでしょうか。
ズバリ当たっているなら,それで「当然!」という意味と結びつきます。
ですが,「前」がくっついています。おまけのようにくっついています。

調べてみたら,最近有力視されている説が載っていました。
それは,「一当たりの分け前」が略されて「当たり前」となったと言う説です。
収穫した物をみんなで分ける時,全体の量÷人数で計算して,一人当たりがもらえる量を決めます。ですので,「一当たりの分け前」がもらえて当然の量なのです。

私がググッと来たのは,この「もらえて当然の量」という生活感覚です。
算数で単位量も教えてきましたが,「もらえて当然の量」という感覚は伝えたことがありません。
こういう実感性の高い言い回しを伝えたら,子ども達の学習意欲も少し高まるのではないでしょうか。

算数も文化の中で生まれ発展してきた概念ですから,そこに生活感覚の強い言葉も入り込んでいます。そういう文化という目で算数をもう少しとらえ返したら,ほんの少しですが,お役に立つような気がしています。

来週の土曜日は,「算数スタートダッシュ!セミナー」です。楽しみですね。

「当たり前」は『日本語源大辞典』(小学館)で調べました。
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「屋根」になぜ「根」がつくのでしょう??

屋根調べ物が一つの仕事のようになっています。
調べを進めていると,フッと,思わぬハテナが生じてきます。
今日も,そんなことがありました。

右・左について調べていた時のことです。「左ぎっちょ」という言葉が出てきました。
小さい頃からよく使っていた言葉ですが,教師になり,「ぎっちょ」には,少々蔑視するような感覚を感じるようになっています。

左ぎっちょというのは,左手が器用ということで,「左器用」が転じて「左ぎっちょ」になったのだそうです。ぎっちょは器用という意味だったのかと思いつつ,「左器用」と声に出すと,あまり蔑視感が出てきません。
だからといって,左ぎっちょの持つ蔑視感はぬぐえませんが,言葉の感覚というのは,誠に不思議なものだと思った次第です。

そうこうしているうちに,「屋根」が気になりました。
屋根は家の高いところにあります。
高いところにあるのに,使われている漢字は「根」です。
なぜ,高いところにあるのに「根」が使われているのでしょう。

「垣根(かきね)」という言葉があります。
これに「根」が着くのは分かります。
石で作った垣は石垣ですから,垣というのはへいのような物であり,それが地面に埋まっているから垣根なのだと理屈が通ります。

でも,ここから先が分かりません。屋根は屋という物があって,それが地面に埋まっていて・・とはならないからです。

さて,ここまで書いたのを読んだ皆さんの中には,「あっ!」とひらめきが出た人もいるかもしれません。きっと,歴史が好きな先生だと思います。

家の構造が歴史を通して変化しているのです。
竪穴式住居の時代の家は,今の家の屋根だけで構成されています。
まさに屋(いえ)が地面に埋まっている状態です。これが屋根だったのです。
ですので,昔は屋根が家を表していました。
そこに柱や壁ができ,土台ができ・・・と変化し,今や屋根は家の上にある物となっています。

屋根という漢字は3年生で習います。
来年度,3年生を受け持つことになったら,黒板に家の略画を描いて子ども達に見せていくのも,楽しいですね。
(「屋根」の語源は,『日本語源大辞典』小学館で調べました。)
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