Monthly Archives: 2月 2012

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「中江藤樹」 みな私よりおこれり

岩波が出した「日本思想体系」に,『中江藤樹』があります。
あれこれ本を読んでいる内に,どうしても江戸時代の儒学者,中江藤樹の作品を読みたくなりました。
日本の陽明学の始祖とも言われている人物なので,なおさら,一つだけでも作品を読んでおこうと思った次第です。

取っつきの悪そうな感じだったのですが,よく読むと面白いです。
儒学が私にフィットしているからかもしれません。

まだまだ序盤なのですが,「人間千々よろづの迷い,みな私よりおこれり」とありました。
グッと来ています。
この考え方が,中江藤樹の発想なのか,何かで学んだのか,その識別がついていません。
こういう気になるところが出てくると,中国の陽明学もちょっとだけで良いから学んでみたくなります。

個人的な推測ですが,この考え方は200年後の柴田鳩翁には少なからず影響を与えたと思えます。
『鳩翁道話』ではこの「迷いは私より起こる」ことが非常に強められているからです。
究極の「悪しき思い」となっています。

自分の困り事,迷い事をみつめると,藤樹・鳩翁が言うように,この「私」が心の中に入り込んでいるのがわかります。
古来より,変わらない人間の心の姿なのです。

「私」が入り込まないようにと分かってはいても,時として,自分も困り事・迷い事に入り込むことがあります。
そこに,ハッと気がついたとき,大切なことは「克服する強さ」の発揮です。
それには,頭で強い意識を出す必要があります。
これが,頭を冷やすことであり,冷静になることです。
その時に効果的なのが,「作法 教えの図」です。
図で理解していると,自分の心のあり方を客観的に見つめられ,こういうときに役立ちます。

中江藤樹の作品,この先に何が書かれているのか,楽しみです。

『関大初等部式 思考力育成法』 堀 泰洋先生が唸りました!

facebook友達の堀 泰洋先生から,熱いメッセージをいただきました。

「公開研で手に入れ、唸りながらむさぼり読んでいます。・・・すごい本です。」

『関大初等部式 思考力育成法』を読んでうなったのは,私だけではなかったのです。
堀先生も唸ったのです。
子ども達が考える力をつけ,「考える達人」 へと育っていく。
これは,教師なら誰しもが願うことです。

北海道の友達に福嶋顕勝先生がいます。福山先生のMLで御一緒させてもらっています。
福嶋先生は,将棋をされるので,
『この本の内容を「将棋の初心者の学び」と重ねてみてください。将棋に各種ある戦法(矢倉囲いなど)が,この本の「思考法」に相当します』
とメールしました。

そうしたら,非常に納得されたようで,濃厚な返信を頂きました。

ある目的を達成するために,どの思考法を用いるか。
これが将棋だと,相手の王を捕るために,序盤はどの戦法(矢倉囲いなど) を用いるか,これに相応してきます。
もちろん,将棋には,中盤には中盤の攻め方があり,終盤には詰め方があります。
そうした上に,棋風が備わってくるのが将棋です。

将棋を子どもに教えたことのある先生は,きっと,その教え方と『関大初等部式 思考力育成法』に通じる何かを感じると思えています。
もしかしたら,関大初等部の思考法は読んだ先生方の手によって,将棋のように発展していくのではないかと思っています。

堀先生のメッセージ通り,すごい本です。

「わくわく☆ブラックボックス」でも100点続出!

算数ソフトを使ったクラスで,100点が続出!
算数ソフトが普及してきて,ここ数年,色々な先生から「大成果」の話を伺っています。
子ども達にとって,算数は抵抗がかなり薄くなり,面白い勉強になってきているのです。

そんな所に,『みんな夢中になる わくわく☆ブラックボックス』が登場!
組み立てて,教卓に乗せたら,もう教室は「先生!!!!! 何ですかそれ?????」状態です。

算数の授業で,毎時間のように「わくわくブラックボックス」を使っている先生がいます。
その先生が,今日,テストをし,採点しました。
そうしたら,なんと,100点が続出です。
とても驚かれていました。

お話を伺ったら,
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●発言が増える
●意欲が増強される
●姿勢が良くなる
●字が丁寧になる
●発問も、「どうなると思う?」と「きまり、見えた?」で済む
●板書も楽になる
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と言うことなのです。

さすがに,50年以上もの伝統のあるブラックボックスです。
効果が絶大です。
それもそのはずです。中学の関数の学習用として愛され続けてきた教具だから,算数で力をグイッと発揮するのは,当然ですね。

ところで,「ブラックボックス」という言葉の意味ですが,これが案外知られていません。
「黒い箱」と思っている先生もいます。
でも,残念ながら違います。
中が見えない箱,つまり「暗箱」なのです。
ですから,箱の色が黄色でも「ブラックボックス」といいます。

写真は,『みんな夢中になる わくわく☆ブラックボックス』についている授業実践事例集です。
30もの実践が載っています。
《楽しみながら,考える!》 そんな授業を『わくわくブラックボックス』の活用で生み出して欲しいです。

『あんぽん 孫正義伝』

力を与えられた一冊『あんぽん 孫正義伝』(小学館)です。

孫正義氏を尊敬しているので,この本で孫氏の事がこれまで以上によく分かり,それだけで十分に力を得ました。
この場合の「力」というのは, いつもながら夢見ている大きな流れへの力です。
近い将来は教育がこんな風になるという姿が,自分にも見えている部分があります。
その見えている世界を,なんとか実現させたいと思っています。
そんな自分の志の火に,油を注いでくれる刺激的な本でした。

それにしても,佐野眞一氏の膨大な取材に驚かされました。
この本を書くにあたり,どれほどの多くの取材をしたのか。はかりしれません。
高密度濃度取材を書き表した佐野氏の文章も,孫正義氏とは別の角度から,私に勇気と前進の力を与えてくれました。

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読み終えた頃,『中江藤樹』が届きました。
箱から出して中を見たのですが,これはなかなか手強そうです。
何が手強いかというと,書いてある日本語が手強いのです。
「非力」を痛感します。

3年「三角形」のソフト4本目

 

3年生の三角形のソフトです。
円の中心と円周を使って,三角形を作るソフトです。
三角形の作り方は,とても簡単です!

円周上に頂点が2つありますね。
その頂点のところで,マウスをドラッグすると ,三角形の頂点がマウスに着いてきます。
黄緑の小さな円のところで,ドロップ!
これで,三角形の形が変わります。

三角形の一つの頂点が円の中心になっています。
ですので,三角形の形をどのように変えても,必ず二等辺三角形になります。
その上で,中心角が60度になるときには,正三角形になります。
その「正三角形」になるところを,よくよくわかりやすく[桜]スライダーを左の方に動かし,円周上の黄緑小円を6個にします。
ここから,円の中には,この正三角形を6個敷き詰められることも,何とはなく伝わります。

黄緑小円の数は,今のところ,4個~60個(偶数個)を自由に出すことが出来るように作っています。
その黄緑小円を使って三角形を色々と作るだけでも,「円の持つ不思議な世界」を感覚的にとらえることが出来ます。
このような「感覚的な素地づくり」が,算数ソフトで豊かに行うことができます。有り難いことです。
算数ソフトを使うと,テストの点数が上がる効果もありますが,最も重要なのは,このような「算数の世界の感覚をしっかりと身につけられる」ことです。
多いに使って欲しいと願います。
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話のついでですが,算数ソフトの有り難い点をもう一つ。
それは,黄緑の点に頂点がピッタリ止まるように,プログラムできることです。
これが良い感じなのです。
紙で作る教材もそうですが,人為的に作るので,「授業ではここを!」というポイントを押さえての表現ができます。

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このソフトは,「もっと!算数」サイトに近々アップします。
「もっと!算数」サイトのソフトは,無料で使えます。
算数ソフトの画面を,教室で大写しにして授業をすると,どんな感じになるのか,それを体験してみたいと言う先生

「分数の紙」,次の一手!

「分数の紙」をブログにアップしたら,若い先生から,「オー!」「ウワー!」と,そのわかりやすさへの感動をいただきました。ありがとうございます!

この「分数の紙」を使って,分母・分子などの「分数の表現」に慣れたら,次の一手を打つことが出来ます。

分子を分母の方におろすのです。
すると,分母と分子が重なっている教科書の図と同じ構造になります。
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「分数の紙」は,色上質紙を2枚つかっただけの,シンプルな教材です。
それでも,この教材を教室に持ち込むか,持ち込まないかは,とっても大きな違いになります。

特別支援の指導では,「シンプルフォーカス」が大切とされています。
あれこれ目に入ってくると,気が散ってしまうので,全体をシンプルにすることが大切となります。
すると,焦点が定めやすくなり学習に効果的となるからでです。

「教材を使う」というのは,このシンプルフォーカスを自動的に行うことになります。
ですので,子ども達は先生のされることを真剣に受け止めるのです。

1時間に1つ,教材を教室に持ち込む事が出来たら,算数の授業は大きく変わってきます!

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算数の教材を毎日1つずつ教室に持ち運べるぐらい,中身をたくさん作り込んでいるのが,『子どもが夢中で手を挙げる算数の授業』です。

この「分数の紙」のアイデアも,「算数ソフト」に,しっかりと継承されています。

「算数ソフト」には,パソコンならではの表現も加わっているので,子ども達は集中し,理解をどんどんしてくれます。

「算数ソフト」の最大の特色は, 「図と分数」を同時に表現できることです。
クリックして,分子が1つ飛び出します。
その分子が着地した,その瞬間に,分数が「1/4」から,「2/4」へと変わります。

この「図と分数の同時表現」を,分母を変えてスイスイと何度でも繰り返して示すことが出来るので,子ども達の頭にストン!と入っていくのです。

北海道の渥美先生のブログにその様子が記録されています。(こちらです!)
是非,ご覧になって下さい。

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