年の瀬,師匠・野口芳宏先生の本『授業づくりの教科書 国語科授業の教科書』を再読していました。
読み返したのは,「第3章 授業の基礎技法」です。
基礎技法とあるのですが,読んでいると,「基礎」というより「重要」と思えてきます。
まず,「質問」と「発問」は別物として紹介されています。若い内は,何でも問えば,それは問いを発しているのですから,「発問」と思ってしまいますが,質問となっている場合も多々あります。
どう違うかが,一覧表になっています。授業をしてきた先生が読んだら,なるほど!と思えます。
その後,発問の教育的意義が記されています。こういうところが,重要なのだと思っています。
「解に迫り,追求していくその過程で,子どもの思考力を練り,高めていくためにするのが『発問』である」と。
そうして,そういった質の高い発問の成立とメカニズムも示されており,さらに,良い発問の条件が載っています。
一義性(明快性)を持つ
生産性(開発性)がある
・・・・・
関心のある先生は,ぜひ,ここをお読み下さい。
読み途中で,ちょっと一休みし,フェイスブックを見たら,山口県の浅村先生からメッセージが入っていました。なんと,この本を読まれていたそうです。たくさん線を引き,ノートに整理され,この教科書シリーズの今後を楽しみにしていると,嬉しい便りを頂きました。
大晦日に,同じ本を読んでいた先生と,学びを分かち合えて,とても良い気分になりました。
そろそろ,『法華経』の中巻が届く頃です。お正月に楽しく読みたいと思っています。
東京でディナーを頂きながら,来年の話しをしました。
話しの中心は算数ソフトです。
お使い下さっている先生方の評判が実に良いので,これをこの先,どうしていくのか,というちょっとした戦略会議のような話しになりました。
どの話しもとても面白く,心が弾む内容でした。
その中の1つが,win8とディレクターの話でした。
ディレクターはその昔,winOSが新しくなったとき,ディレクターファイルにちょっと引っかかりが起こり,困った物だと思ったことがありました。
そういう事があったので,今回のwin8はどうなるかちょっと心配していました。
でも,お話を伺ったら,何の問題なく動くだけでなく,起動も実に速くなるそうです。それだけでなく,ディレクターで作ったソフトをwin8のとあるところに入れてから起動するようにすると,アッという間に立ち上がるそうです。画期的です。
どうもwin8は非常に良いOSになっているようです。ありがたいです。年明けにはwin8に移行することにしました。
新しい年は,面白い年になりそうです!
『法華経』ですから,お経の本です。
お経というと,お坊さんが檀家にも分からない言葉で読み上げるあのイメージが強く,そのイメージから,とてつもなく素晴らしい事が隅から隅まで書かれているのだろうな,と思っていました。
ちょうど,孔子の『論語』が「学びて時にこれを習う・・・」で始まるように,いきなりググッと心に響く内容になっているものと信じていました。
読んでみると,いきなりマックスということはありません。ちょっとダラッとした感じです。しかしながら,来るところに来ると,ググッと深みが出てきます。
お話し仕立てになっているので,説法を伺うとすると,お経の方が耳に易しいと感じます。
途中,ちょっとテレビを見ました。そうしたら,偶然ですが,お坊さんが悩みに応えるところをやっていました。番組がバラエティなので,お坊さんが解答したのは,3つの中のどれかをあてるクイズになっていました。
私は,仏教の本をきちんと読んでいませんが,3つの中でお坊さんの解答はすぐに分かりました。心に入り込む方向で応えていたからです。でも,その解答が本当に良い解答かどうかというと,微妙でした。視聴者の私にもよく分からないだけでなく,番組の出演者からも意味が分からないとやたらといわれていたからです。
番組でやっていた悩みに,もし,儒学で応えたらどうなるだろうかと,ちょっと思いました。儒学の基本は孝ですので,そこから相談に応じる言葉がでてきます。なかなか良い解答にたどり着けました。
日本で生まれ育っていると,仏教に関しては,その断片をあちこちで見聞き体験します。ですので,それでも充分な気持ちになります。
でも,野口芳宏先生の教えは「根本・本質・原点」です。できるだけ,原点にふれるように歩むことが,良い生き方に通じる道となります。
そんな思いで,この本を開きましたが,読んでみると,とても勉強になります。儒学同様の面白さがあります。野口先生の教えの道を歩んできて,本当に良かったと,この本を読みつつも思いました。
良い気持ちになったので,今日,中巻を注文しました。
東京での打ち合わせは,ほるぷ出版さんとでした。
平成26年度に出すべき本の打ち合わせもしましたが,新たに,来年度出す本の打ち合わせもしてきました。
ほるぷ出版さんとは,お付き合いが始まって以来,毎年,児童書を出させていただいています。こんな有り難いことはありません。今回の企画も,精一杯知恵を出して,良い作品に仕上げたいと思っています。
もうすぐ,年越しです。
今年も,例年通り,年越しに「夢仕事」をします。
新しい年に叶えたい夢を年越しに仕事します。すると,不思議と夢が叶うと信じています。
個人的なジンクスであり,験担ぎです。
若い頃は,自分自身が小さかったので,夢はあれこれと沢山持っていました。
年を重ねた今,ある程度のことを実らせてきているので,その上に夢を叶えようとするのは,ある意味,欲の亡者のような気もしてきます。でも,面白いもので,年が行くと,叶えたい夢の範囲が非常に狭くなります。狭いのですが,密度は濃く,道のりも長いです。
ですので,その道のホンの1つの願いぐらないら,叶えて欲しいと願ってもバチは当たるまいと思っています。儒学の道に外れない程度に,ちょっと謙虚に願をかけて,年越しの「夢仕事」を過ごしたいと思います。
そう思っても,まだまだ今年は残っています。バリバリに頑張って前進します。
打ち合わせがあり,東京へ出かける事になったのですが,ちょっと,十七条憲法のことが気になり,岩波の『日本書紀』第4巻を開きました。
十七条憲法には,当時の役人に向けた仕事の心得が書いてあります。
和をもって尊しとするに始まり,朝は早めに出勤し,退勤は遅めにしましょうというのもあります。読み返して,その通りだなと思います。
今回は,十七条憲法を作るに当たり,参考としていた書が何であるか,そこに注目しながら読みました。「三宝を敬え」とあるので,基本的には仏教系が多いのだろうなと思っていました。その確認の意味で読み返したのです。
そうしたら,全く違っていました。十七条憲法の大方は儒教系の書を参考にしているのです。
ということは,十七条憲法を制定する頃の都では,儒教的な考え方がよりよい考え方としてかなり浸透していたとわかります。
魏志倭人伝にも日本人は温厚と記されていますが,儒教の中庸の精神が,温厚な日本人には非常に良い感じでフィットしたのだと思います。
また一つ勉強になりました。
神戸で桔梗友行先生とお会いしました。
桔梗先生は事務局を担われているので,フロアの考えをホワイトボードに書き留める場面になると,スッと出てきて,どんどん書き始めます。
昨年も桔梗先生の書き留める場面を見たのですが,これが実に上手いのです。
何気なく書き留めると並列的な箇条書きとなります。ところが,桔梗先生は意見を聞いて,それをボードのどこに書くかをサッと判断し,適切なところにサラサラと書きます。その板書を見ているこちらの頭が自然と整理されてくきます。
その姿を今年も見て,上手いものだと関心しました。
その桔梗先生の本が『子どもの力を引き出す 新しい発問テクニック』です。中を開いて読み進めると,かなり経験を積んだ先生が書いたのではないかと思えるほど,しっかりと充実した内容になっています。
単なるテクニック本ではありません。発問を根本から考えて記した良い本です。
ですので,この本を読んだ先生は,きっと著者の桔梗先生はベテランの先生なんだろうとと感じると思います。しかしながら,巻末には10年目と書かれています。驚かされます。
良く本を読み,どんどん吸収していることが伝わってきます。
この本は6章立てです。
第1章 発問とは何か?
第2章 発問のつくり方
第3章 発問を使った授業の組み立て方
第4章 発問を活かすための技術
第5章 子どもが「問う」授業づくり
第6章 教師自身が「問う」
第1章の発問とは何かの滑り出しが「発問の5つの役割」です。
発問を考えるときは,どんな答えを導き出したいかが定まっている時なので,それが出るかでないを考えるので,発問の役割は意識に上がりにくいです。それを改めて考えてみると,桔梗先生の書かれた発問の5つの役割に,その見識の高さを感じます。
面白いと思ったのは,4章ぐらいから授業論へと展開が進んでいることです。発問という1つの行為に絞り込んでしっかり勉強した後なので,後半もなるほどと感心しました。
若い先生の中から,こうして頭角を現す先生がどんどん出てきて欲しいです。
良い本です。お勧めします。