Monthly Archives: 2月 2011

You are browsing the site archives by month.

正六角形

  正六角形の作図ソフトがほぼ完成しました。

  今,ちょっと気になっているのが,コンパスが透けていることです。どうして,透けてしまったのか,後で調べてみたいと思いますが,ソフトではこういった半透明も作り出せるので,なかなか面白いです。

  作図は「実技」です。ですから,実際にどうやるかを見て学ぶことが大切です。黒板で先生のされる実際の作図。それをフォローするようにこのソフトが活用できます。

  作図ソフトは,『子どもが夢中で手を挙げる算数の授業』にも収録されています。垂直線や平行線を作図するソフトが収録されています。
  これを使った先生から,
    「とても良かった」
    「何度も繰り返し見せられるので,子どもたちもすぐに覚えてしまう」
など,うれしい声をいただいています。
  何度もお手軽に見せることができるので,子ども達の頭にスーッと入っていくのです。

  さて,この「正六角形の作図」ですが,次のようになっています。
  --
  まず,円がスーッと描かれます。
  次に,その円周をコンパスで6分割。1クリックで1分割が表示できるようにしています。
  そうして,線がパッパッと出てきて,完成です。
  --
  その後,内部の三角形がどんな三角形なのか学ぶコーナーが登場します。

  近々,「もっと!算数」にアップします。  http://www.mott3su.jp/

上條晴夫先生と歓談

久しぶりにお会いし,1時間ほどお話ししました。
上條先生はいろいろと考えていることを話してくれました。
それを伺っていて感じたことは,流れを感じつつ,今を進んでいる
数少ない方だと言うことです。
いろいろな友達がいますが,時代の流れを基にしつつ,
話を進める人は大変希です。
久しぶりに,面白く話が出来る人と,会話をしたと思いました。

また,上條先生は,教育の柳田国男のような感触を受けました。
民俗学になぞらえるなら,
上條先生は「教師俗学」の研究を進めているように感じます。
秀でた教師の研究だけではなく,
身の丈で前進している教師の世俗的なところも含めて研究しているようでした。
それとグローバル化時代の今なるが故に,
外国見学が大事と,視野拡大の重要性を話してくれました。
たくさんの先生方と会い,たくさんの本を読み,海外見聞も深め,
今から未来に歩んでいます。
さすが,雑誌の編集をしているだけあると,感じた部分です。

この先も,時々お会いして,未来づくりを進めたいと思います。

「もっと!算数」の算数ソフトはヘビー級!

  仕事の関係でソフトを見る機会があります。見るたびに思うのは,自分で作っている算数ソフトが,「ただならぬレベルのソフトである」ということです。だから,ますます,自分がしっかりと作り続けなければならないのだ!と感じています。
  
  先月から,「もっと!算数」サイトをネットにオープンしました。
     http://www.mott3su.jp/
  まだ,アップされているソフトの数は少ないですが,精魂込めて作り込んでいます。
  作ると言っても,簡単に流れるように,パパッと作れるわけではありません。少し作っては,「これでは先生方が使いづらい!」と感じたら,作り直します。この作り直しが重なるので,時間がかかります。もちろん,プログラムが複雑になり,混乱して時間がかかることもあります。なかなか込み入った世界です。

  ソフトは作ってみないと,その操作性がつかめません。ですので,どのソフトを作るにも試行錯誤が生じます。
  これは,紙で算数の教材を作っているときと同じです。「これではイマイチだ!」と感じたとき,紙の教材でも作り直します。子どもたちに少しでも良い教材で授業をしてあげたいという,「教師の魂」が出てくるからです。
  それが,ソフトづくりでも自然に生じてきます。時間はどんどん過ぎていきます。

  ソフトの良さは,誰が何回使っても,壊れないことです。紙の手作り教材は味がありとてもよく,私もたっくさん作ってきました。でも,1回使った物をまた別の教室で・・とは,なかなかいきません。くしゃっとなったら,とてもダメで,作り直しとなります。ここが残念なところです。

  「紙の教材」と書いたので,昔作った教材を思い出しました。展開図用教材です。
  同じサイズの展開図を2つ作っておきます。一つを組み立てたら,1面にだけのりをつけ,もう1枚の展開図を貼り付けます。
  こうしておくと,組み立てた形と開いた形を同時に見ることが出来ます。
  
  授業では,ちょっと演出します。2枚重ねたままで展開図を見せます。ゆっくりと見せて,「では」とばかりに上にある1枚を組み立てます。すると,子どもたちから,「おー!」と声が上がります。紙が下からもう一枚出てくるとは思ってもいないからです。ちょっと,うれしい一瞬です。

  なぜ,2枚重ねることが大切なのか,おわかりですよね。「開いた形」「立体の形」の両方を同時に見ることによって,「開く」「組み立てる」という過程が見えやすくなるからです。
  「同時に見せる」という教材の考え方,ソフトでも生かされています。ソフトでは,たとえば重さや長さで,目盛りと数値を同時に見えるように作り込んでいます。「同時性」です。これが,理解を急速に促進させています。紙の教材の論理は,算数ソフトでも同様に作用しています。

  こういった紙の教材については,たくさんの先生方がご研究されています。ぜひ,算数の本を読んでみてください。算数は面白い教科なのです。
  私は,ソフト開発をしっかり頑張っていきたいと思っています。
  

数字は丁寧に書きます

  教育の古書が1冊届きました。旧制中学の受験本『基本算術書』(大正3年)です。
  その初っぱなに書いてあるが,数字の書き方です。

  字ノ傾キト幅ト長サト字ノ間ダトヲ揃ヘテ美シク正シク書クコトノ練習ガ大切デアル。
  
  私が,驚くのは,中学受験をする段階でも,字を丁寧に書くよう促していることです。
  文字なら,少々雑になっても前後の流れから,その字がおよそ何であるかを推測できます。しかし,数字はそうはいきません。雑に書くと,誤読をすることが多々あります。これは,年齢に関係が無く,急いで雑に書くと,誰の数字でも誤読されやすくなります。それではいけないので,折を見ては,「数字は丁寧に!」と指導する必要があります。

  この当時は,ごらんのように斜体で数字を書いていました。自分の父も母もこのような数字を書いていました。子ども心に,「お父さんの字は綺麗だ。お母さんの字は綺麗だ」と思っていましたが,自分は普通の数字を書いていました。
  
  この数字。実にすごい世界を表しています。
  文字の「あ」や「の」などは,集まって単語になるとあれこれ彷彿させてくれるのですが,バラされると,とっても無機質になります。
  ところが,数字は「1」「5」とバラされていても,それなりの大きさを感じます。しかも,「リンゴが1こ」とか「山が1つ」などと,主語や単位がつくと,同じ1でも,ずいぶん大きさが違って感じます。それなのに,「1」は単なる1という大きさでしかなく,リンゴだろうが,山だろうが,個数としては1で同じなのです。「リンゴと山は同じなんだ!」なんて,ちょっとしたマジックのように感じられます。一対一対応の概念を持ってしまっているので,自然と同じなんだと見なせるのです。
  さらに,「353」などと,単語のように数字が集まると,はじめの「3」と,最後の「3」では,意味が全く違ってきます。言葉の「とまと」は,はじめの「と」も,最後の「と」も,バラされてしまうと無機質で,何とも違いを感じ取れません。しかし,数は違って感じられてきます。れぞれの単位となっている大きさが違うからです。はじめの「3」の単位は「100」。最後の「3」の単位は「1」です。こういったことを感じるのは,位取りという概念が体にしみこんでいるからです。
  かの有名なヘーゲルは,数は「単位」であり,かつ「集合数」であると述べているそうです。でも,私にはヘーゲルのような大哲学者の考えることはよくわかりません。
  ただ言えることは,数は丁寧に書かないと,こういう魔法のような世界が壊されてしまうと言うことです。

  

古典の児童書

  お世話になり続けているほるぷ出版から,古典3部作の2冊目が届きました。
  『1分で音読する古典』です。この4月から,国語の教科書に古典教材が載ります。そこを勉強すると,「ああ,古典っていいなぁ」「ああ,日本語ってすてきだなぁ」と思う子がたくさんいると思います。そんな子に,ぜひ,この本を・・・とご紹介いただけるとうれしいです。
  図書室用の本として,ぜひ,お選びください。

  3冊目は3月に発売になります。
  

戦前の百ます計算

  昭和2年に出た『尋常小学 新算術書解説』に左の図が載っています。
  その解説には,次のように書かれています。

  本問に入るに先立って,次の様な表に依って,乗算九々の復習をする。 

  今風に言えば,百ます計算で復習をしてから本問に入りましょう,と言っているのです。

  九九表の中身を空にして,九九の練習教材に作り上げています。この「教材工夫」に敬服します。
  すべてが埋め尽くされている九九表をみて,そのまま何も気がつかないか,それを練習教材になるように工夫するか,ここが先生の才覚です。昔の先生方も,工夫に工夫を重ねていたことが,この表からうかがい知ることが出来ます。

  解説は,もう少し続きます。

  此の表に依って視暗算として,自由に発表し得る様に指導をしたり,此の表を示して,此の表を,乗算九々の表に作成させる事もよい。

  「視暗算」という用語も出ています。グッドです。「視暗算」と用語を読めば,もしかしたら,「聴暗算」もあるのかなと思います。用語は用語を見ることで,指導の幅が広がることがあります。
  「指暗算」もあるのかな,「歩行暗算」もあっても良いな,「眼つむり暗算」もいいかもと,ちょっと意表を突く感じで思いを巡らせるのも楽しいです。

  

  

----
  『子どもが夢中で手を挙げる算数の授業』(さくら社)の2年1巻に,百ます計算関係のソフトも収録されています。
  九九表全体での計算練習は,2年1巻の「かけ算九九」の単元に収録されています。
  36ますになっているタイプは,2年1巻の「九九のきまりと九九表」の単元に収録されています。