Monthly Archives: 4月 2014

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面積は9平方マッチ!

b8399この写真は,6月のイベントの案内用として,塚田先生がどこからか持ってきてくれたものです。
そのイベントというのは,「「学級づくり」改革セミナー IN東京 ~復活!験久ライブ~」です。
私が還暦を迎えたと言うことで,深澤先生が考えてくださり,それを土作先生がセットしてくれました。
有りがたいことです。

ところで,写真です。
この写真は,なかなか良い写真で,パッと見て1つ書き記したくなりました。
写真に写っている人が良いということではありません。
ご注目いただきたいのは,ホワイトボードに書いてある文字です。

「9平方マッチ」と書いてあります。
4年生になると,面積の学習をします。
この学習をすると,「平方センチメートル」や「平方メートル」といった単位の名称を学習します。

算数の学習は「基本」をマスターしたら,「応用」へと進みます。
その「応用」の一種が,この板書です。

マッチ棒で周囲を囲んだ面積を求める問題を出したら,その答えの単位は「平方マッチ」と記したくなります。
エンピツで囲んだ面積なら,「平方エンピツ」です。
それなら,園芸倉庫からスコップを持ち出して囲んだら「平方スコップ」で,1年生の育てている朝顔の支柱を拝借して囲んだら「平方朝顔の支柱」となり,無理は承知で電柱を引っこ抜いたとして,それで囲んだ面積なら「平方電柱」となってきます。

こんなことを話していると,記号化した表し方も,応用してみたくなります。
「平方マッチ」を記号化した表記は,「マッチ2」。
「マッチ2」や「エンピツ2」「スコップ2」と,たくさん示されてくると,変化するところと一定のところが明瞭になってきます。
すると,ちょっとだけですが,「平方」や「2」の意味が気になってきます。
辞書で調べるなどして,「同じ単位を2つかけている」と見いだしてきたら,嬉しいことになります。
3つかけたら,「マッチ3」になるような気がしてきますし,4つかけたら「マッチ4」かもと思えてきます。
それをどう言うのかも気になります。

基本を学習し,応用を学ぶと,思わぬ方向へと思考が発展するのも,算数の持つ面白い一面です。
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こんなくだけたことを書いていたら,面積で気になっていることを思い出しました。
長方形の面積を求める公式は,なぜ,縦×横なのか。
これ,気になりませんか。
算数に力が入ると,気になってくるところなのです。
少し時間があったので調べてみたら,新しい発見がありました。
もう少し調べたら,ちょっと書けるだけの材料が集まりそうです。
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さてさて,算数クラウドのダウンロード版,明日にはお披露目となりそうです。
とっても楽しみです。

5人-8人=すくない3人! なんて考えてみると・・・

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男の子が8人,女の子が5人います。
男の子の方が何人多いですか。
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こういう問題なら,「8人-5人」と計算すればいいですよね。

では,答えを求めるところを女の子にしたら,どうでしょう。
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男の子が8人,女の子が5人います。
女の子の方が何人少ないですか。
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このように問題が出されたら,ちょっと,心が動いてきますよね。
ほんの少しですが,「5人-8人」でもいいかなと思いたくなってきます。
でも,最初に男の子が出てきているので,やっぱり「8人-5人」だと揺れが戻る感じにもなります。

さらに,すすんで,条件の登場順を変えたらどうでしょう。
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女の子が5人,男の子が8人います。
女の子の方が何人少ないですか。
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こうなると,心はかなり動いてしまいます。
情況を考えれば考えるほど,「5人-8人=すくない3人」などとしていきたくなります。
なにしろ,「女の子の方が」と尋ねてきているので,主体となっているのは「女の子」だと強く響いてきます。
ですので,普通の感覚では,女の子の人数が基準になって,それからどうなんだとしたくなります。

でも,こういう考え方は小学校ではしません。
答えに負の数が出るからです。
負の数を学ぶのは中学校からなので,たとえ,自然体な感じがしても「5人-8人」は禁じ手となります。

こういう見方をしてくると,小学校のひき算の特徴がちょっと鮮やかさを持って見えてきます。
大きい数を基準にしてそこからどうなりますかと考えるのが,小学校のひき算の思考法だとわかるからです。

こういうことを感覚的にサッととらえて,指導に当たっているのが小学校の先生です。
ですので,優れた先生は,式を書く前に図を描きます。
丸や四角を8個分,5個分ならべ,3個の過不足を示します。
こうして,図を描くことで,問題文の持っている現実的な感覚をグッと弱めていきます。
同時に,最も重要な,「問題の持つ仕組み(2つの数の関係)」を明瞭にし,子ども達の仕組みを把握する力が高まるようにしてくれます。
そうして,押さえとして,式を書くときに「大きい方から引きましょうね」と,小学校ひき算の思考法へと導いてくれます。

小学校の先生は,本当にすごい力を持っていると,こういうところからも感じてきます。
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夢中で算数クラウドのダウンロード版は,明日,販売開始になりそうです。うれしいです。

5月17日(土)三省堂神保町本店で野口芳宏先生の御講演があります!

b84005月17日(土)13:30~は,三省堂書店の神保町本店ですね!
8階にある特設会場で,野口芳宏先生が御講演されます。
詳細は↓をご覧ください。
https://www.facebook.com/notes/734337546611305

先だって,ジュンク堂の池袋本店でも野口先生の御講演がありましたが,今回は別の内容での模擬授業となるそうです。どんな模擬授業なのでしょうか。
とっても,楽しみですね。

質疑応答の時間も取ってくださり,その後,嬉しいことにサイン会があります。
野口先生と一言二言,お話しができますね。

このサイン会ですが,ジュンク堂で書いていただいた「天意重夕陽」に続く言葉を書いてくださるそうです。
三省堂さんでの御講演会の参加条件が,『道徳授業の教科書』をご購入されることですので,その本にサインを書いていただけますね。嬉しいです。
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ジュンク堂での講演会に某出版社の方も参加されていました。
せっかくの機会ですので,友達の先生を紹介しました。
そうしたら,新しい本の企画が生まれたようなのです。
そういうこともあるのですね。
東京にはたくさんの出版社さんがあるので,東京近郊のイベントは,思わぬ御縁が生まれる場にもなることがあり,有りがたいなと思います。

算数クラウドをガンガン使ったら,平均点94点!

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理解した子は,テストの点数も上がる。
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これ,算数の鉄則ですよね。

b8401平野学級で「平均点が94点!」になりました。
それも,3年生の「九九の表とかけ算」の単元です。

3年の新年度といえば,かけ算九九の未定着の子が気になります。
平野学級では,半数ぐらいの子が,「九九が苦手」という状態だったそうです。
中には,昨年度まで全く手を挙げなかったという子もいたそうです。

でも,そんな状態でスタートした平野学級の子ども達が,「平均点94点」にまで高まりました。
嬉しいですね。

平野先生からのメールをちょっと御紹介しますね。
「今年度はスタートから算数クラウドをガンガン使って,
毎日楽しく、授業を進めているからです。
子どもたちの反応も上々で、
去年まで手を挙げなかったという子も、
まっすぐに手を挙げ、嬉しそうに発表しています。」

算数の授業で一番大事なことは,子ども達が「楽しい!」と思える状態をつくることです。
でも,楽しいだけではダメです。
算数は学習ですから,出来るようにしていきます。
それには,「理解がすすむ授業」を展開することです。

そうして,平野先生は書かれました。
「楽しいだけでなく,理解もバッチリでした。」
「算数クラウドの効果を改めて実感しました。
おかげで、楽しく、実になる学習ができています。」

私もとっても嬉しいです!

テストの点数を上げようと思うなら,理解がすすむ授業を心がけることですよね。
分かれば,自然と点数にも反映されてきます。
このあたりこのとを,平野先生からも伺ってみたいと思っています。

上嶋惠先生の『3ステップ 聞くトレーニング』が増刷になりました!

b8404上嶋惠先生の『3ステップ 聞くトレーニング』が大好評で増刷になりました。

まず大事なことは,「聞く」態勢をつくることです。これが第1ステップ!
次が,確実な「聞く」ができるようにすることです。これが第2ステップ!
そうして,いつでもどんな指示にでも対応しながら活動できることです。これが第3ステップです。

この3ステップが分かりやすく書いてあります。
それを読むと,表紙のイラストに納得します。

教室に,もし,先生のお話を聞けない子がいたら,ちょっと頭の働かせ方を変えてください。
「話を聞けない子」がいるのではなく,「話しを聞くトレーニングを受けていない子」が目の前にいるのです。
人間の力は,指導一つで大きく変わります。
ぜひ,この本をお読みください。
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友達の関田先生から,算数ソフトの嬉しいニュースを戴きました。
「一年生の音で、いくつか当てるクイズ。
面白かったです!
入学式で騒がしかったあの子たちが、教室でしいん!(笑)
素晴らしいですね!」
b8403子ども達が「しいん!」となって取り組んだのは,左のソフトです。
1年生の「10までの数」に入っています。

ボタンをクリックすると,音が流れてきます。
カチッ,カチッ,カチッ・・・などと,一定のリズムで音が何回か鳴ります。

子ども達は,何回なったかを答えます。
ですので,集中して聞いて,カウントしていかないと正解できません。
耳を澄ませるわけですから,自分から音を立てることはしなくなります。
これ,良い感じですよね。
「こういうのを集中力っていうんだよ」とか,
「みんなの聞く力は素晴らしい」と,ほめることが出来ますね。

入学したばかりの子ども達は心ワクワクの状態です。
そんな子ども達が,このソフトで「しいん」となりました。
一生懸命に勉強をしたということです。
とても,嬉しいです。関田先生の腕前も素晴らしいですね。

6年生の点対称のソフト

b84056年生の点対称のソフトです。
「点」対称ですから,真ん中の点を中心にして,ぐるっと180°回転させて,ピタッと同じ形になる図形です。

そういう図形はいったいどんな感じなのか。
頂点をぐりぐり動かすことで,
その感触をつかむことができます。
「この点がこう動くと,相方の点はこう動くのか!」
と,動かしているその時点で理解できる,そんな嬉しい体験ができます。

マウスでバリバリ動くところまでは,作り進んでいます。
この先,寸法の数値などをあれこれセットするプログラムを書いていきます。
ゴールデンウィーク明けぐらいまでには,完成させたいと思っています。
クラウドにも後日入れていきます。
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話は変わりますが,こういう図形のプログラムを組んでいると,つくづく思うのは,中学や高等で習う数学の重要性です。
コンピュータ上で図形を示すにも,計算が必要なのです。

この点対称のソフトでは,座標の考え方が基本となっています。
中心点が原点ですから,そこがpoint(0, 0)となっています。
図形の頂点の位置も,point(30, -40)などと表現しています。
そうして,辺の長さの計算には,高校で学んだ三角関数を使います。
大学に入学して以来,三角関数は単なる教養でしかなかったのですが,ソフト開発するようになり,三角関数は実用としてとても重要な思考法となっています。
そこに,この点がここに動くとき,相方の点は正負が逆になる位置に移動する,という命令を記述していきます。

算数のソフトを創っているのですから,数学的な思考を要求されるのは当たり前なのですが,学生の頃に高等数学を学ぶことが出来たことにつくづく感謝しています。