Monthly Archives: 12月 2010

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年越し

  年賀状の名簿ファイルが無くなり,あたらしく作り直したのは良いのですが,どうも例年より50人ほど少なくなっています。どなたの分を登録できなかったのでしょうか。はなはだ,よろしくありません。

  もう少しで,年越しです。
  例年通り,年越しの前後は籠もって仕事です。新しい年に良い感じで進めたいことを,しっかりやります。こうすると,それが叶うと信じているので,それを毎年続けています。
  でも,まじめに考えれば,そんなことをしてもうまくいくという保証はありません。因果関係が細すぎます。
  ですが,それでもやりたくなるのです。これは念力の世界です。自分の道を自分で造り進めるぞ!という強い意志を鍛える世界なのです。
  だから,今年も籠もって仕事です。

  人生は楽しいです。
  今年も,良いことばかりが続きました。ありがたいことです。
  

緒方洪庵“適塾”の学習法

  緒方洪庵と言えば,適塾。ここまでは単なる連携名詞として知っていました。それが,「緒方の塾」という呼び名で,福沢諭吉の『福翁自伝』に出てきて,ちょいとびっくりしました。
  適塾に入門してきた人は何もわからないので,オランダの「ガランマチカ」を入門書として教えます。まず「素読」を授け,「講釈」もして聞かせます。それから,「会読」というテストのようなものを受けさせます。
  今風に言えば,「読む」「意味」「自分で解説」ということです。
  これができたら,もう一冊同様に行い,その先は各自の研究です。

  なんというか,すごいの一言です。私自身の勉強で,いきなりハイレベルなところからスタートしたのは,コンピュータプログラムと,中国思想の時ぐらいです。この両方に通じていていたことは,学ぶ前に「無理かも・・」と思っていたことが,学び終えると強い自信になって,どんどん自分の研究が進んでいることです。
  適塾はこれを若者にしていたのです。明治維新になり,大人物が多数輩出したのもわかります。

  素読といえば,青森の駒井先生です。『論語』や『大学』を小学生に素読させています。小学生にとっては難解な書を適塾のようにいきなり素読させるのです。それが,その成果は多様で,この夏,2時間もお話をくださいました。
  『論語』『大学』を学んだ子が難解な書に自分からチャレンジを始めていく。そんなところの話を,今度会ったときに伺いたいと思っています。

31日:駒井先生からメールが届きました。効能が書かれていました。読書を全くしなかった子が今は『もしも高校生がドラッカー・・・・』『ニーチェの・・・・』など,読んでいるそうです。切れやすい子だったのですが,今は読書で心を落ち着かせているそうです。
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  難書を読めば,本が面白くなり,読書が増える。
  難プロを学べば,プログラミングが面白くなり,ソフト開発が増える。
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  要するに,難しいことをやらせれば,そのジャンルが面白くなるのです。
  難しいことといっても,全くの素人にとって難しいことです。その道のプロから見れば,明らかに入門的な素材です。でも,それは王道につながるようなまっとうな素材なので,学ぶ人に大きな変化が出てくるのです。

  ちょっとずれますが,論語などを繰り返し読むようになると,親孝行になり礼儀もよくなります。礼儀作法は言葉で教えられるだけでなく,書を繰り返し読むことで浸透していくものだからです。昔の作法書の重要性は繰り返し読むことができた点にあります。その昔は寺子屋で実語経を繰り返し読まされていました。大切なことです。

総務省の「地域雇用創造ICT絆プロジェクト」

12月27日に決定するような噂はキャッチしていましたが,本当に27日になるとは思ってもいませんでした。
何はともあれ,ICT絆プロジェクトは動き出します。

このプロジェクトは時期的に実にタイムリーです。地デジテレビが各教室に配置され,いよいよ4月からデジタル教科書やデジタル教材が教室で使われ始めます。その一歩先を行くのがICT絆プロジェクトです。

時代は着実に動いています。大きな流れを見つめながら,少しずつ着実に前進をすることだと思います。

今年のベストBOOK

  何を読んだか,よく把握できていませんが,今年はデカルトの『精神指導の規則』(岩波文庫)がとても良かったです。
  細かい良さはほとんどないのですが,大きな流れという「文脈思考」にガツンと来ました。こういう本は誰にでも同様の衝撃を与えるわけではありません。自分の思考が文脈思考になっているかどうかによって,ガツンと来るか来ないかが決まります。
  算数が未来永劫変化しないはずがない。算数も他の歴史同様に進化する。その進化のきっかけが何であるのか,それが問題だ。
  とまあ,こんなことが頭の中にあるので,そこに大きな刺激を与えてくれたのす。
  この衝撃は,『作法教授要項』の発見より何倍も強いものでした。「前進する」というような意味合いの言葉として「デカルトする」と言ってしまうほどの自分になっています。

  次に面白かったのは,『魏志倭人伝』です。まさか,『魏志倭人伝』に日本人の根本にふれる句があるとは思いもよりませんでした。人柄や性格などは書き物の中にしか残らないので,具体描写されている随筆などに目がいくようになり,読書傾向に影響を与えてくれました。

  本は「思考の宝の山」です。先達が力の限りに書き残した「思考の遺跡」です。気になるところをどんどん発掘すれば,小発見の連続があり,あるとき大発見に出くわし,現実の自分との融合が進み,オリジナルの研究的思考が進んでいきます。
  

スーパーホテル部

  何とも怪しげな名前の不定期部活をしています。
  山中先生,中嶋先生と私がそろうと,泊まるのはたいていスーパーホテル。予約担当が中嶋先生で,部活の部屋は一番年下の先生の部屋と決まってきます。その部屋で,「笑える無駄話」をする部活が始まります。
  笑いが基本なのですが,話の軸はきわめてまじめです。何しろ,著作活動を中心とした無駄話なのです。まじめな著作を「これでもか!」というほど,笑いの種にします。たぶん,こんな活動をしているのは,スーパーホテル部だけだろうと思います。
  不真面目そうに見えますが,こんなばかげた部活を山中先生も中嶋先生も続けています。なにか,得体の知れない有益性があるのでしょう。

  思い出しました。何年か前に,上海で部活をしたことがあります。このときは,山中先生がひまわり社さんからファックス集を出すというので,そのアイデアをできるだけ面白く出し続ける部活をしました。たとえば,空港で巨大な絵を見て,それをヒントに「こんなのは?!」と,話します。ほとんどが却下です。
  却下されると,その上塗りをするようなアイデアを言い出し,話はどんどん脱線します。
  そうして,気がつくと,意外なアイデアが浮かび上がってきます。

  今回も,山中先生の著作に関わる話がメインになりました。98%の没アイデアの中,グッドな案が山中先生の脳から生まれました。それについては話すことができないのですが,ただただ,大笑いです。これの実践が始まり,山中先生はいっそう,「すごい教師」となります。

  質の高いアイデアは,どこから出てくるかというと,そのことについて,「しつこくしつこく考える」ことから出てきます。もう,出尽くした,という状態になると,しばらくしてハッとするアウフヘーベン的アイデアが出てきます。そこから,再び怒濤の前進が始まります。ですので,そのハッとするひらめきが出るまで,笑いでつないでしつこく考えるのです。
  スーパーホテル部はとても面白いです。だから,また,来年もどこかのスーパーホテルで部活が続きます。

  そうそう,山中先生も中嶋先生も,本の背表紙にご自身のお名前の書いてある本が,10冊前後もあるそうです。ここ数年は特によく本を出しています。嬉しい限りです。

気分は2011年

  4月末から始まった大仕事。私の分担が今日ようやく終わりました。これで,いよいよ次の大仕事に突入できます。もう,気分は2011年です。嬉しさ極みです。こちらの仕事,今日から1年間のロング仕事です。ボリュームもビッグにあります。でも,きっちり進める自信があります。
  長いこと人生をやってきて,どの年代もとてもグッドでしたが,もしかしたら,今が最高峰かもしれません。こういう時を迎えられているのは,やっぱり時代と周囲の人々のおかげです。感謝しています。