Category Archives: 海外の算数

ハイチの算数

キューバの隣の島にあるハイチから帰国した光長氏と一献傾けました。
飛行機の長旅で到着したその日に会ったのですが、さすがは光長氏。極めて元気でした。

ハイチでは、日中でも、用のない時は外出できない状態で、欠かさず行っていたジョギングも全くできなかったとのことでした。

算数のことも少し聞いてみたら、驚きの話をしてくれました。
お金を見せてもそれがいくらであるのか、スパッとは分からない現実があると言うことです。
100グールド紙幣2枚。
10グールドコイン数枚。
1グールドコイン数枚。
5年生の子に、これらを見せて、いくらなのか聞いたそうです。
しかしながら、スパッとは答えられなかったそうです。
100グールドを見て、その100を数えているのです。
信じがたい姿です。

ルワンダやケニヤでは、3+4の計算をする時、○○○ ○○○○とか、/// ////などと、書いて、それを数えて答えを出しています。
アフリカのニジェールなどでも、同様です。
そして、この日、中央アメリカのハイチでも同様であることを知りました。

「数える計算」(目の子算)は、途上国の定番のようです。
10,20,30・・・とか 100,200,300・・・と 数えられない状態。
何とかしたいですね。
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ルワンダ、珍しい計算

10月上旬にルワンダへ行った時の写真を、スタッフの松山さんからいただきました。
その中に、小学校3年か4年と思われる板書の写真がありました。

b7401その板書の1部がこの写真です。
計算式です。
白いチョークの部分が問題で、赤チョークは答えです。

式と答えを見比べて、式の意味が分かればナイスなのですが、日本では習わないので、ちょっと分からないだろうと思います。

松山さんとは、11月にルワンダでの事例紹介のスピーチをすることになっています。
聞き手は、「途上国でビジネスを!」と考えている企業の方々です。
そういう場で話すことになり、少々驚いています。
短い時間ですが、しっかりとお話をしたいと思っています。
今日は、松山さんとスピーチ内容の打ち合わせをしました。
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ルワンダ、暗算ができた!

b74443桁のたし算の計算問題です。
解答の仕方に驚かされます。

もし、これを5才の子が行ったのでしたら、「よく頑張ったね」となりますが、この計算をした子は小学校2年生の子です。
ルワンダは1月から新年度ですので、1年半以上も算数を勉強しているのに、このような計算をしています。

何とも残念なことなのですが、○を書いてから、○を数える「目の子算」をするのがルワンダではふつうのようなのです。
当然、自分だけでなく、他の子もみんなこうやって計算をしてるので、計算が遅いという自覚もあまりないようです。
○を書くので、「ちょっと面倒」という気持ちはあるようです。
何しろ、計算途中で用紙から目を離して、ぼーっとしてしまう子もいます。

この子達に「暗算」を教えるのです。
かなり、気が遠くなります。

b7443しかし、やればできるのです!!
正味12時間の算数で、引き算の暗算ができるところまで、たどり着きました。

実際に指導をしてくれた現地の先生方の熱意ある指導が素晴らしかったです。
英語版算数ソフトを十二分に活用していました。

熱意ある先生が、優れた教材を使うと、効果が大きい。
つくづく、そう思いました。

来週、またルワンダへ行きます。
指導をしてくれた現地の先生を訪ね、その「指導精神」と、気を配っていた「指導方法」などを伺いたいと思っています。
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「目の子算」から「暗算」へ

以前から、気になっていたことがあります。

頭の中で計算するのは「暗算」。
では、○や/を書いて計算するのは、何と言うのだろう?

ルワンダに限らず、途上国では、3+4を暗算でしないで、○や/を書いて計算しています。
このやり方にも何か名称があるだろうと思っていたのですが、自分の頭の中には用語がありませんでした。

b7456ところが、つい先日、十返舎一九の『東海道中膝栗毛』を少しだけ読みました。
そうしたら、そこに出ていたのです。
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ト五文ヅツ、ひとつひとつにかぞへてめのこざんやうにひったくられ
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「めのこざん」の所に注釈が立っていて、「眼算(まなこ)の転か」とありました。

この「目の子算」という言葉、今はもうすっかり使われていません。
ですが、辞書で調べると、戦国時代や江戸時代には使われています。
貨幣の流通に合わせて発生した言葉のように思います。

貨幣は今も使われていますが、目の子算という言葉は消えました。
これは、明らかに小学校教育の影響でしょう。
1桁のたし算・引き算は暗算でできるようにと教えられているからです。

こういう事が分かってくると、途上国で3+4をする時、○○○○ ○○○と書いてから、それを数えて答えを出すやり方が、戦前、あるいは明治以前のやり方のように思えてきます。
たかが1桁のたし算引き算ですが、ルワンダの子ども達を「目の子算」から「暗算」へ移行できたら、それは歴史的大ジャンプとなりえると感じています。
やりがいのある取り組みです!
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教育視察で気づいたら

昨年の今頃,「アフリカへ行き,現地を見てみよう」と思い立ち,予防接種などでバタバタしました。
あれから1年経ちますが,その間に行った海外視察は合計4回。
1回目はルワンダ・ケニヤ視察。
2回目はバングラデシュ視察。
3回,4回目は,国際協力機構(JICA)の委託を受けてのルワンダ調査です。
そうして,10月にまたルワンダへ行きます。

これだけの回数,教育視察・調査を行えば,普通,誰でもあれこれ気がついてきます。
特に,小学校勤務のある人なら,現地の教育の問題点にすぐ気がつきます。
それを見るだけで終わらせるか,何とかしたいと思うかが,ちょっとした分かれ道になります。

指導方法に気がつく人は,ちょっと大変です。
何しろ,相手はその指導法のありがたみがわかりません。
それを知らずにいても,問題なく授業が進行しているからです。
方法を伝えるためには,伝える自分が現地の人とたっぷりとミーティングする必要が出てきます。

ところが,気づいたことをそのまま伝えるのではなく,具体的な教具を通して伝えようと考えると,これはかなり楽になります。
道具があると,その道具の持つ力により,授業が変わるからです。
自然と,教え方にも影響が出てきます。
ですので,問題点と思ったことへの対策となるような教具をその場で作ってみせることが,もっとも手っ取り早い伝達となります。
後は,現地の先生がそれなりに活用してくれます。

ケニヤの小学校で1年生の授業を見せていただいたとき,位取りの概念が弱いことに気がつきました。
b7743それを口頭で話しても良かったのですが,位取りの重要性に気がついていない人に,それが大事なのだということを伝えるのは,なかなか難しいものがあります。

そこで,その場で教具を作り,簡単に説明をしました。
そうしたら,担任の先生の腑に落ちたようで,その先生は,その後,どんどん創意工夫したそうです。

算数で海外の教育にかかわるようになり,やることが次第に増えてきています。毎日が充実しています。
充実がが続くと,それに合わせて夢もふくらんできます。
1年以内に設立したいことが1つ思い浮かんでいます。
2年以内に進出したい国も1つ浮かんでいます。
そうして,バタバタしながらも,あれこれ取り組んでいる内に,前田先生のこの教師教育も伝えられるだけの土壌ができてくるのだろうなと思っています。
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ルワンダのエレベーター

b7497アフリカ,ルワンダのとあるビルのエレベーター。
待っていたら,表示が「-1」になりました。
これは見慣れぬ光景と思い,手に持っていたカメラでパチリ。

ルワンダは指導要領が変わったばかりです。
新しい教科書では,4年生に負の数が登場します。
数直線で-1~-10まで出てきます。
こういうエレベーターの表記があることを思うと,負の数の指導を早めるのも頷けます。

でも,子ども達の生活空間にはビルは無いので,「-1」を目にすることは滅多にないと思います。
気温も,一年中,最低気温は10度~20度の間です。
こう思うと,北海道や東北地方でこそ,4年生で負の数を学ぶのも大切かなと思えてきます。

新しい4年生の教科書は,大変分厚く,350ページもあります。
実質授業時数から計算すると,1日に2ページはこなすスピードになります。
ついていくのが大変だと思います。そう言うときこそ,算数ソフトの出番と思っています。
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