Monthly Archives: 4月 2012

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フェイスブックで友達になった信岡さんから,「絆」で何か描いて欲しい旨,メッセージをいただきました。
思いつくままに,描いてみました。

「絆」は,糸偏に半です。
漢字源に,「ひもをぐるぐる巻いてからめること」とあります。
きっと,見えない糸で,たくさんの人とつながっている意味なのでしょうね。

すり傷やかすり傷。
まだ,バンドエイドなどが売り出される前は,「バンソコ」を使っていました。

傷口に薬を塗って,ガーゼを当てて,その上からバンソコで固定します。
ちょっとした怪我をすると,「お母さん,バンソコある?」と言っていたものです。
子供心にバンソコを貼れば,それで傷が治ると思っていました。

このバンソコ。
正しくは「バンソウコウ」と言います。
漢字で書くと,「絆創膏」。
こんなところにも絆はありました。

怪我をする度に,「お母さんとのきずなが深まりますように」と,この漢字があてがわれたのかもしれません。

「絆」
大切ですね。

戦戦兢兢

「戦戦兢兢(せんせんきょうきょう)」
広辞苑によれば,「おそれつつしむさま」であり,そこから派生した「びくびくしているさま」を言い表しています。

この言葉は,単独に成立している言葉ではありません。
後に続く言葉があります。

戦戦兢兢 深淵に臨むが如く
薄氷を履(ふ)むが如し

『春秋左氏伝』に,この部分が登場しています。
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たとえ小国でも侮っては侮ってはなりません。防備を怠ればたとえ多勢でもたのみにはなりません。
詩に,
戦戦兢兢・・・・薄氷を履むが如し
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ここを読んだとき,実に驚きました。
友達の城ヶ崎滋雄先生が,卒業式練習の指導で使っていた比喩だからです。

昨年度の城ヶ崎先生は,卒業学年の担任でした。
卒業式の練習で,子ども達の歩行が気になっていました。
普段より少しゆっくり歩んで欲しいと思っていたからです。
しかし,「ゆっくり」と言っても効果がないことはこれまでの体験で熟知しています。
どうしたものかと思っていたとき,フッと古武道の足の運びを思い出したそうです。
そうして,子ども達に言ったのが次の言葉です。

「薄い氷が張っています。
 それを割らないよう歩きなさい。」

すると,子ども達の歩き方は一変しました。
粛々と歩くようになったのです。

相手が小国でも,薄氷を踏むが如く慎重にと記した『左伝』は,今から2000年以上も前の話です。
同じ比喩を友人が古武道から導き出しました。
感動的な一瞬でした。

戦戦兢兢。
もともとは,『詩経』というすこぶる古い中国の詩です。
短い詩ですので,参考までに記します。

敢(あえ)て虎を暴(てうち)にせず 敢て河を馮(かちわた)らず
人はその一を知るも その他を知るなし
戦戦兢兢として
深淵に臨むが如く 薄氷を履むが如し

虎は手で倒そうとしない,河も歩いて渡ろうとしない。
人は一面を知っていても,その他の面を知らない。
何があるか分からないから,注意深く行うことだ。
深い淵に臨むように, 薄い氷を踏むように。

中嶋郁雄先生の授業/6年:円の面積の公式を考える場面

友達の中嶋郁雄先生から,算数の授業の様子が届きました。
開幕ダッシュではありませんが,算数ソフトを使って,グイグイと授業をされています。嬉しいです!

使ったソフトは,円の面積の公式を考えるソフトです。(『子どもが夢中で手を挙げる算数の授業』6年1巻)

円が分割されて、平行四辺形に並んでいくのを見て、子ども達は「おー」と感動!
しかも,目が真剣!

一人の子が,気付きました。
「円の半径が平行四辺形の高さになってる」

この気づきは重要です。
「円」と「平行四辺形」のつながり(関係)を考えた気づきだからです。

算数は,こういった関係を把握する勉強です。
そこに一人の子が気付くと言うことは,この先の指導でグイグイと良い方向に向かう前兆です。

その言葉で、子ども達の画面を見る視点が変化しました。
「本当だ。」「先生、もう一度見せて。」
求められているときは,学ぼうとしているときです。
この流れに乗って,何度か「分割→平行四辺形」を見せました。

それから,中嶋先生の指導の一言。
「じゃあ、平行四辺形の底辺は、円のどの部分だろうね?」

これで授業はしっかりしました。
もう一度見せただけで,「円周の半分が、底辺になってる」と子ども達は見つけてきました

素晴らしい授業です。
この素晴らしい授業は,簡単にできると,中嶋先生が書かれていました。
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「円の面積=半径×半径×円周率」という公式を覚えさせることは、比較的容易にできます
しかし、公式の意味を理解させることは、とても難しいことです。
それが、ソフトを見せながら、少しの言葉を投げかけるだけでほとんどの子が理解してしまいます
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算数ソフトを使わないで授業を進める先生もまだいらっしゃいます。
どうやって進めているのでしょう。きっと,御苦労をされていると思います。
教室環境が整えば,どのクラスでも中嶋先生のような授業が展開できます。
そういう時代になりつつあります。
嬉しいことです。

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『子どもが夢中で手を挙げる算数の授業』6年1巻には,
円の面積   ソフト16本
およその面積  ソフト12本
が入っています。

「聴く」話し

『現代 国民作法精義』という昭和5年の本を読み返しました。
作法の本ですから,その筋の話しが満載されています。

目に付いたところに,「拝(おが)む」の読み方のいわれがありました。
「拝む」は,上古の時代には「おろがむ」と言っていたそうです。
『釈日本紀(ぎ)』(鎌倉末に成立)は,これを「乎礼加々無(おれかがむ)」と注釈しているそうです。
自分の体を折り屈めて敬礼をするのが「拝む」の元々の姿。
なるほど!と感心します。

友達の工藤良信先生が全校集会でお話しをされました。
その1つが,「聴く」ことのお話しです。

普通の場合は,「しっかり聴きましょう」とか「良い耳で聴きましょう」と,一般的な話しをします。
工藤先生は,ちょっと違いました。
「聴く」という漢字を示してお話しされたそうです。

「目+耳+心」が「聴く」なんだよ!

耳だけじゃなくて,目でも聴くんだね!
心でも聴くんだね!

なんだか,有り難いお話しに聞こえてきます。
そういえば,「聴」は,「徳」という漢字に似ています。
スッと腑に落ちるだけでなく,心も温まりますね。

漢字を使って話しをすると,不思議と納得の気持ちになります。
歴史的なところからの話しでも,部品からの話しでも。
日本人の心が伝わってくるようで,良い気持ちになります。

姿勢の教育

 

新学期が始まりました。
友達の渥美先生は,黒板に「姿勢」とかかれました。
するとどうでしょう。子ども達は何も言われないのに姿勢を正しくしました。
素晴らしいことです。ここに,子ども達をこれまで育ててくださった方々への感謝を感じます。

小さい頃から,お父様・お母様に,ご近所の方々に,保育園や幼稚園の先生方に,低学年の先生方に,「お行儀がよいわね」とか「姿勢が良いね」などと,言われ続けてきたからこそ,子ども達は「姿勢」の字を見て,腰骨を立て,背筋を伸ばすのです。
日本人の創り上げてきた文化の中での「育ち」。
「姿勢の教え」は,この「育ち」の中で涵養されています。
これは,日本人の大きな特徴の一つです。

野口芳宏先生は,「姿勢」 の漢字を訓読みするようにすすめています。
「すがた」「いきおい」。
「姿勢」とは,「勢いのある姿」 です。
自分の元気を良くし,周囲の人も勢いを感じます。
「おお,さすが」「凜としている」「堂々としている」・・・
こう感じさせる姿が,「姿勢」の字に託されている意味なのです。

良いことの反対側に,ダメがあります。
ダメな状態の言い表し方をちょっとのぞいてみましょう。
( )の中に言葉を入れてみてください。

髪の毛が(  )れる。
服装が(  )れる。
言葉遣いが(  )れる。

どれもこれも,「乱れる」となります。
「乱れる」のは良いことではありません。
しかし,「崩れる」よりは良いです。
崩れると本体の形がダメになります。
こうなったら,乱れを直そうと思っていられません。
周辺の乱れはさて置き,まずは本体の復旧を急ぎます。
「乱れ」は枝葉の現象で,「崩れ」は本体の現象だからです。

では,次の(  )には,何が入るでしょう。

姿勢が(  )れる。

これは,「崩れる」です。
姿勢が崩れるということは,体そのものがグチュとなっているのです。
長く続ければ,背骨や内臓にも害が生じます。顔がゆがむことも起こります。
髪の毛の乱れより重症です。
服装の乱れより重症です。

机の中が整っていない。
帽子のゴムを顎にかけていない。
名札を付けていない。
靴のかかとをふんでいる。
下駄箱の靴が揃っていない。
爪が伸びている。

こういう所が気になる先生は,たいてい本体である姿勢を指導しています。
体がもっとも重要だと知っているからです。

中学1年の「回転移動」のソフト

北海道の友達・福嶋顕勝先生が,ときどき写真を送って下さいます。
私が福嶋先生の写真のファンだからです。
花火の写真を見たときには,実に驚きました。
写真はここまで楽しめるのかと思ったほどです。

先日,春らしい写真が届きました。それがこのチューリップです。
見ているだけで,十分良い気分になります。

福嶋顕勝先生は,有田先生の大ファンでです。
先日,さくら社から出した『授業づくりの教科書 社会科授業の教科書〈5・6年〉』にも,福嶋先生の写真が使われています。
とても頼りになる素晴らしい先生です!

話しは変わり,中学1年の数学です。
回転移動のソフトが大方できました。

点0を中心に,線分A’B’が回転します。
動かし方は簡単です。
線分A’B’をドラッグすればいいだけです。

線分を動かすと,細い線が対応して表示されます。
青の中心角と,赤の中心角が同じなんだと,感覚的に理解していきます。

どうしてもよく分からない場合には,[?]ボタンをクリックします。すると,角度が表示されます。
これで「ああ,そうか」となります。
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算数・数学は,とにもかくにも「理解」です。
用語など暗記する所もありますが,理解を大切にすることが肝要です。

算数・数学でいうところの「理解」とは,「きまりが分かる」 ということです。
PCソフトを操作し,その体験から「きまり」を見いだせたら,それは素晴らしいことになります。
このソフトが,数学への理解の一助になればと願っています。