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『原節子 あるがままに生きて』

b7823昨年亡くなった原節子さんのことを書いた本。
一冊は読んでおきたいと思い,ようやく,今日読むことができました。
『原節子 あるがままに生きて』
映画関係の話が続くのですが,所々に原節子の言葉が出ています。
感じるものがあります。

【映画『小早川家の秋』の台詞】
品性の悪い人だけはごめんだわ。品行はなおせても,品性はなおらないもの

ずばりと鋭く指摘しています。
ですが,教員をしていると,こういう見方ができません。
「きちんと導けば治る」と考えるのが基となっているからです。
どんなに手を焼く子でも,「心の底には善良な魂がある」と思えるのです。
だからといって,「性善説です」とも思っていません。
基本的に「前向きなのが人間」です。
前に進むには,後ろ向きの悪人をしていられないだけのことなのです。
悪に走ることはあっても,悪で走り続けることを,生き物としての人間が嫌うわけです。

それでも,品行と品性を比べたら,品性は直しづらいです。
まずは品行を直し,それから次第に品性も・・となるのだと思っています。

【原節子の言葉『髪と女優』に紹介】
自分を卑しくすると,あとで寂しくなるのでそういうことは一切しないようにしています。

卑しくしないようにと心がけていても,ちょっとしたときに,ひょっこり卑しさが顔を出します。
後から反省をするのですが,恥ずかしさで何とも言えない気分になります。
江戸時代の『鳩翁道話』を読んだときです。
心ってものは上がったり下がったりしやすいものだとわかったのです。
また,上がり下がりは円運動をしています。
下がってもその後上がるようになっているということです。

こんなことがわかって来てから,だいぶ楽になりました。
下がったらまた上がるのでそれを待てばいいのです。
それでも,心が下がるようなことはできるだけしない方がいいです。
「自分を卑しくすると,あとで寂しくなる」
原節子の言葉は染みました。
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