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『残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法』

  紹介されて,読みました。
  非常に多くの実証実験結果が用いられていて,なんと博識な方なんだろうと感心しました。
  帯にも書いてありますが,「やればできる」ではどうにもならないのだそうです。私自身がプログラムされているので,どうしようもないのだという印象を受けました。
  でも,恐竜の尻尾に頭を見つけて,そこに進めば,グッドなのです。一昔前で言えば,ニッチで走れ!という感じです。もっと,昔風なら,「鶏口となるも牛後となるなかれ」です。
  
  高校生の時です。大好きだった数学,その担当教官だった上原先生が卒業前に,「鶏口となるも牛後となるなかれ」と板書して,話してくださいました。そのときは,上原先生のお言葉だから大切にしよう,と思った程度の中身のない記憶でした。でも,その後,大学でも先生になっても,折に触れてこの言葉を思い出し,どうも,「鶏口」で生きることが私には良いことだと思っていました。
 そんな人生だったから,この本は,終盤,実によく頷けました。

 尻尾の中の頭を見つけることが大切なのです。
 この部分の私の考え方は単純で,ニッチの世界がどの方向に進むかを予想すればいいのです。もちろん,それがニッチの世界で喜ばれ・楽しいものであるという条件はつきます。その方向に形作る努力をすれば,それなりの成果が出ます。
 同じ人生なら,ちょっとした成功を収めたいと思う方に,お薦めの本です。
  

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