神田の古本屋街をぶらっと歩くとき,のぞいてみたくなるのが明倫館さんです。理工系の専門的古書店です。
明倫館さんの棚には,算数など初等数学関係のコーナーがあります。そこに,今日はどんな新着本が並んでいるか楽しみに見に行きます。
右の『算数の文化史』を発見した時は,タイトルにオッ!と来ました。
パラパラっとめくって,調査研究書とわかったので,購入しました。
論説書も面白いのですが,調べて書いてある本も格別いいです。
興味深かったのは,インカの記数法です。
写真が載っていました。沖縄の記数法とそっくりなのです。
インカと沖縄が結びついてしまったので,頭の中は「へー」です。
しばし,その写真を見つつ,これはどういうことなのだろうと,あれこれ想像を巡らしました。
そうして,気がついたことは,「数の記録は身の回りにある物を使う過程を通る」ということです。
とりあえず,ここで充分OKです。
数年後には,これが少し前進するかもしれません。その時が楽しみです。
また,5×5までのかけ算ができれば,残りの九九は指で計算できることものっていました。それも,紀元前から行われていたそうです。フランスのオーベルニュ地方で行われていたことは,森毅先生の本で知っていたのですが,まさか,紀元前からあったとは思いも寄りませんでした。
これで,オーベルニュ地方の指計算は,「生きる化石的存在」となりました。
私の頭の中の算数史が変わりました。
ちょっと色物的なことも載っていました。
西洋で13をなぜ嫌うかです。
原因は算数にあったのです。
デップマン先生のおかげで,「13=不吉」は都市伝説となりました。