涼しくて,とても快調な一日でした。
夜,一段落ついたので,途中まで読み進めていた本を読みました。
『明治大正見聞史』(生方俊郎,中公文庫)です。
小説のような脚色が少ないので,私には,こういう本はありがたいです。
オールバックの髪型が大正8年に,若者から流行し始めたことを知り,今,その髪型をしている山中先生と自分が,妙に滑稽に感じられました。
「二十世紀」という言葉が,老人を凹ませ,若者を扇動する言葉になっていたそうです。
21世紀になった今も,老人を凹ませ,若者を活気づける新しい言葉が次々と誕生しています。私もきっと凹まされているのだと思いますが,そういう自覚がありません。これこそが,きっと老化なのでしょう。
軍人がやたらと持てていたこと。
学校で発火演習が行われていたこと。
旧式とはいえ,鉄砲を持ったので,嬉しくて重さも苦にならなかったこと。
こういう所は,とても良い勉強になりました。
また,軍人上がりの体操教師の教え方がちょこっと載っていました。
「今教官が師範を示す」と言って体操の型を教え,
「要領よくやれ」と付け加えた。
これは,グッドです。
まずは,「やってみせる」からのスタート。基本中の基本ですね。
その先を,細々としないで,「要領よくやれ」というのも,面白いです。どんな体操だったのかは,当時の本が教えてくれていますが,見よう見まねでできるところまでは,こういう指導も良いですね。細かい指導は,大筋ができてからなんでしょうね。
この本は,随所に面白いことが載っています。実際の出来事が,しっかり詳しく書かれているので,世代が後の私にも大きな感動を与えてくれました。
こういう体験的な本を読むと,蔵満先生の『奄美食紀行』が頭をよぎります。
蔵満先生のこの本も,きっと,奄美を調べようとする数十年後の人に,今以上にさらに価値のある本になると思っています。