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『日本語小文典』はグッドです!

『日本語小文典』は良いです。

400年前の日本の言葉,発音がびっちりと記されています。
しかも,その言葉は「公家・武家」階級の言葉です。
なかなか知り得ない世界の言葉が記録として載っているのがこの本です。

読んでいて惹かれたのは,公家・武家での美しい言葉遣いです。
例えば,下のように記されています。
「二つの否定によって肯定を表すと,非常に美しい表現となる」

二重否定は論文では嫌われる表現です。
しかし,日本人の語感として,美しさを感じさせる表現だったのです。
400年も前から美しさが込められており,今も日常の中で自然に使われています。
と言うことは,二重否定の表現を美しいと感じるのは日本人の語感なのだと言えます。

そんな思いをあれこれ沸き立ててくれます。

この本を記したのは,日本人ではなくポルトガルのロドリゲスさんです。
外国の方が日本語について,岩波文庫で上下2巻になる大作を書いたのです。
さらに,驚くのはタイトルに「小文典」とあるように,この本の元になっている「大文典」があるのです。
なんという頭の持ち主なんでしょう,ロドリゲスさんは。

伊能忠敬の地図製作に感動した事がありますが,このロドリゲスさんの仕事から大きな感動を受けています。
ロドリゲスさんや伊能忠敬さんに,「キミもやるね」と言ってもらえるように,ソフト開発を多いに進めたいと思います。

One Thought on “『日本語小文典』はグッドです!

  1. いしやま on 13.12.16 at 10:35 AM said:

    家康も知っていた倭国年号
    最近珍しい書籍を教えてもらいましたので、ご存知かもしれませんが、紹介します。
    安土桃山末期、江戸初めの1608年に、ロドリゲスというポルトガル人が日本に布教に来て、日本語教科書を作るため、日本文化を幅広く聞き書き収集して著した、「日本大文典」という印刷書籍です。400年前の広辞苑ほどもあるような大部で驚きです、さらに家康の外交顧問もしていました。
    興味深いことに、この本の終わりに、当時ヨーロッパ外国人が聞き書きした、日本の歴史が記載され、倭国年号から大和年号に継続する522年善記からの年号が記載されています。この頃あった、古代からの日本の歴史についての考を知ることができる タイムカプセル でしょうか。家康はこの倭国からの王朝交代を知っていたはず。この内容はウィキなどどこにも出ていないようです、もう既に見ていますか。
    ついでに
    倉西裕子著 『「記紀」はいかにして成立したか』 720年日本紀と 日本書紀 は別物という考証です。
    宜しくお願いします。

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