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新刊! 『チャレンジ! 学校クロスワード王 ゴールド』

私の新刊です。『チャレンジ! 学校クロスワード王 ゴールド』(ほるぷ出版)です。
ゴールドなので,表紙が金ピカです。もう,それだけで面白いですし,楽しいと感じてきます。

この本の特徴は,小学校で習うあれこれをクロスワードして出題しているところです。
新指導要領で話題になった,県の名前と位置もたっぷりと盛り込まれています。

書店に行かれたとき,児童書のコーナーにもしお立ち寄りでしたら,ちょっと見てください。置いてあったら,中を少し楽しんでください。

この本の表紙は,すずめくらぶさんが描いてくれました。ケンチャコ大冒険のころからのお付き合いで,かれこれ10年以上になっていると思います。

すずめくらぶさんのイラストは,ご覧のようにインパクトがとっても強いので,ほるぷ出版から出す私の本の表紙は,たいていすずめくらぶさんが描いてくださっています。有り難いことです。

そのほるぷ出版に,今週末,御挨拶かたがたお伺いいたします。
その足で,青森県の弘前駅へ向かい,野口塾in津軽を受講してきます。
工藤先生が前夜祭を開いてくださるというので,それが一番の楽しみとなっています。

名称を付ける

桜スライダーを動かして,「ひし形」を「たこ形」へ。さらに,へこんだ「へこみ形」などと,変化させます。
それをみて,面積を考えます。

「三角形2つでできている」 と,元の形を分割して考える子が出てきたら,「ヒント」ボタンが生きてきます。
上下に色が付き,その考えがとてもよく分かるようになるからです。

三角形に分割できると分かれば,底辺の場所がずれても,高さが変わらなければ,面積は一定です。

そうして,なるほど!となってきます。

こういう図形を動かす学習で,何が重要か,ご存じでしょうか。
意外なことに,「名称」なんです。

名称なんか,たいしたことがないと思いがちですが,上の画像の形を,空に飛ばす凧になぞらえて「たこ形」と呼ぶから,説明がしやすくなります。
同様に,へこんだ形を「へこみ形」あるいは「ブーメラン形」などと呼ぶことで,解説がスッキリします。

話す方もスッキリ話せますし, 聞く方もイメージがすぐに湧きます。
もちろん,ノートに書くときも,くどくどしなくてすみます。

名称の中には,三角形・台形など,絶対にマスターしなければならない用語もあれば,「たこ形」「へこみ形」といった,一時的な用語もあります。
絶対の方は,「学習用語 」。
一時的なのは,「一時用語」。
このように,メタ用語にも名前も付けることができます。
すると,「学習用語は赤」 「一時用語は青」などと区別でき,力点を明確にできます。

このような考え方は,算数で言うところの,記号化です。
「3と6をあわせると・・・」
と言うところを「3+6」とスッキリさせて表現します。16世紀頃に発明された方法です。
スッキリしているから,その先の学習や,考え方の利用がグッとやりやすくなったのです。

くどくどした説明と感じたら,言葉を簡略化してみてください。
その簡略化で,記号を用いたり,用語を用いたりと,工夫するのも楽しいです。
それが,分かりやすさへの道となるので,満足感もでてきます。

算数的思考は,こういう説明法にも生きているので,算数は大切な学問なのだと思っています。

コラボソフト

このソフトは,「コラボソフト」です。授業をされる先生と,ソフトを開発する私とで協力して作っているコラボレーションソフトです。

5年生でひし形の面積を学びます。ひし形まで学習すると,後は応用となります。このソフトは,その応用場面に良い感じのソフトです。

対角線の横が,その長さを一定にしたまま,左右に動きます。
すると,「ひし形」が「たこ形」になります。
もっと端まで動かすと,へこんだ形の「へこみ形」になります。
それでも,面積は同じです。

どうしてだろうかと考えれば,面積を求める式に使う所の長さが変わっていない事に気付きます。
そこから,もしかしたら・・・などと,自分なりの仮説が生まれます。この場合の仮説は,もちろん算数的規則性の仮説です。
授業は面白くなっていきます。

こういう思考系の問題も,ソフトで上手く作ると授業は変わってきます。連続して変化する様子を見ることができると,思考できる範疇が極めて大きくなるからです。
これは,思考範囲の拡大化をもたらします。研究領域がここにも大きく広がっていることが分かります。

やる気のある先生方とコラボしながら,算数ソフトを開発する時代に次第に向かいつつあります。
私も微力ですが,算数ソフト愛好の先生方と,実践的にコラボソフトを開発していきたいと思っています。
面白い時代になりましたね!!

小学野口塾

小学館で開催された「小学野口塾」に参加してきました。

道中,最寄り駅で,千葉大の明石要一先生と偶然お会いしました。数分間ですが,楽しくお話しすることができ,何とも,さい先の良い出発となりました。

小学館の前にファミレスがあります。
お昼はそこで食べました。野口先生・山本先生もいらっしゃり,ここでも楽しい一時を過ごせました。

そうして,いよいよ小学野口塾。
模擬授業の連続で,なかなか面白かったです。
大谷先生の理科は,最後に肺と横隔膜の手作り模型を見せてくれ,これが面白かったです。お土産として,さらにシンプルな模型セットを頂きました。こういうのは良いです!

早川先生の短歌も勉強になりました。「栗のイガが多いから」という理由と「あなたの家は遠くないんだから」という理由と,どっちが心に響くかと言うところが,論点となる内容で,「栗のイガ」と口にした奥ゆかしさに一票入れました。
でも,そういう所より,栗のイガが刺さるかもしれないという,当時の様子に感動していました。履き物が「わらじ」ですから,当然となりますが,この歌を詠んで,初めて,わらじが栗のイガに弱いと分かった次第です。そこから,わらじでの夜道は,かなり痛い思いをするということも,派生してきました。良い勉強になりました。

塚田先生の側転指導。着地に着目は,さすがでした。しかも,「回転軸」というくくりになっていて,算数・数学の世界へつながるので,私にはグッドでした。

関田先生のお話は,その素材の持つ力強さがすべてを包んでくれる良いお話しでした。グッと来る大感動なので,最後の束ねに今ひとつのパンチが欲しかったです。

山中先生の世界の中の日本人も圧巻でした。資料の出し方も素晴らしいですし,語りも聞かせます。もちろん導入も良く,申し分のない模擬授業で多いに勉強になりました。

会場を貸してくださった小学館の皆様に感謝感謝の一日でした。
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懇親会も賑やかでした。
楽しく歓談している間に,いろいろとお誘いを受けました。
岩瀬先生から,来年の教材開発の全国大会にお誘いを受けました。有り難いことで,お引き受けいたしました。
小学野口塾の事務局は,中嶋先生です。中嶋先生から,「来年もお話しを」と誘われ,有り難くお受けしました。
秋に開催される野口塾in足利学校のお昼休みに少しお話しをさせていただけることになりました。
関田先生からは,冬の関西の野口塾に誘われました。「公私の分数」で共感しあえたので,多いに気持ちを大きくしてお引き受けいたしました。
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そうして,来週は青森の津軽へ行ってきます。こちらも楽しみです!

『新版 分数ができない大学生』面白かった!

10年ほど前に,話題となった本『分数ができない大学生』です。

10年前にも,指導要領が改訂になり,学力低下がひたひたと歩み寄っていた頃です。
生活科などもまだ元気だった頃です。

もっと算数・数学の力を!と打ち出したこの本は,タイトルが実に衝撃的で,日本国中に「こりゃ,いかん!」という思いが走りました。
その本が,10年目にして新版になったので読んでみました。

算数・数学ができない学生が増えていることの報告が著者の先生方から次々に示されています。
その現状を何とかするために,数学の必要性や重要性,知っていると得をするということも示されています。

こういう大きな文脈の話しも面白いのですが,この本は随所に「ああ,いいね!」と思えることが書かれています。
そんなかで,私が感じ入ったのは,次のような言葉です。
◆ 数学は,一つ事を学ぶと,それ以前に学んだ初等的な内容の理解を確実にする。
当たり前と言えば,あまりにも当たり前のことです。
でも,これがなかなか見えないのです。

先日,5年生の立体のソフトが話題になりました。
立体をドラッグして動かすと,立体の重なりの様子が見えます。
それを見て,子ども達の中には,1cm3の立体が何個あるか数える子が出てきます。
何段にもなっているので,それはかけ算で・・となります。
こういう学習をしているときに,「立体の体積について理解できたか」という事の他に,「立体以前に学んだ何かを確実にしている」という視点を持つと,実に豊かな学習をしていると分かります。
算数って,素晴らしいと感じてきます。

「奇蹟の算数セミナー」開催へ向けて!

山口のセミナーへ行ったときのことです。主催者の藤本先生から,「算数ソフトを使った授業のやり方など発表する会を開きましょう!」と熱い御提案を頂きました。
その声を聞いてか,セミナーで算数ソフト活用の実践発表をした佐藤先生が「こんな事があった!」「あんな事があった!」と熱く語っていました。
わき出るように,いろいろなビックリする出来事が続きました。
これほど,良いことがたくさん起こるのですから,やっぱり,そういうセミナーを開こう!ということで,山口の夜は多いに盛り上がりました。

そうして,今,計画を進めているのが「奇蹟の算数セミナー」(仮称)です。 11月開催予定!

「チーム算数」で城ヶ崎先生,佐々木先生に,内容の相談をしたら,どんどん良い意見が出て,これまでにない,とっても充実するセミナーになりそうです。(詳しいことは,確定し次第,お知らせします)

お話しをしてくださる先生方は,算数ソフトを長年使っている腕利きの先生方です。
一つ一つのお話しに,納得感のある指導技術や指導感,授業への哲学思想が学べると思います。

「奇蹟の算数セミナー」開催に向けて,「算数数学好きにする会」のメーリングリストで情報交換を進めています。新たに,佐藤先生,渥美先生,上澤先生にご入会いただき,MLもパワフルになっています。

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中1の数学「空間図形」のソフトを,近々,「もっと!算数」サイトにアップする予定です。
このソフトを見れば,回転体の意味が伝わります。図形の連続が巻き起こす面白さがしっかり伝わります。
この回転体のソフトもインパクトが強いので,数学嫌いな生徒たちも視線が釘付けになります。
そういうときは,その気になっているときです。あれこれ先生が解説したり,生徒に考えを言わせたり,ノートに書いたり・・・。良い感じで授業進みますね。
復習で見せるのも,非常に効果的です。

中学校の先生,アップされたら,ぜひご覧下さい。そうして,生徒さんにぜひ見せて上げてください。