全く専門分野外の本ですが,『飛鳥の木簡』もなかなか面白いです。
藤原京(694年遷都)の事も出ていて,藤原京は周礼の考工記の影響が考えられると書いてありました。そういえば,家の本棚に『周礼』の漢文の本があったなと思い,取り出して,考工記を開いてみましたが,なかなか読めるものではありません。やむなく,滑り出しの「天官冢宰(てんかんちょうさい)」の項目を少し読み返しました。周の時代に9を大事にする思想があったのですが,その理由の一つが見えてきて,ちょっと良い感じでした。この周の9が小学校2年生で学ぶ,かけ算九九とも関係しているからです。
また,大宝元年(701年/大宝律令頒布は702年)を境に,木簡に記されている日付の位置が変わったことが載っていました。
それまでは,冒頭に書いていたのですが,大宝になってから末尾に書くようになったのです。朝鮮方式から中国方式に切り替わった時代の変化を示す一つの例として載っていました。
こういう事例が木簡という事実を元に記されているので,感動も大きいです。
いい本を読んだと思います。
忙しい期間に入ったのですが,電車に乗っているときは読書が出来るので,今日は幕末の清川八郎の本を読んでみようと思っています。