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『「腹の虫」の研究』はグッドです!

amazonnで購入をするとき,定価が6930円とあり一瞬ためらいました。しかし,「疳の虫」について,真面目に書いてある本が他になく,とりあえず読んでみることにしました。

買って良かったです。
この本を読んだだけで,一気に「疳の虫通」になれますし,「疳の虫ファン」にもなれます。

疳の虫がわいたら,虫下しを飲んだり,お灸を据えたりという対処療法も載っていますが,一貫して記されている「虫観」などといった日本人の病への見方・考え方に強く惹かれました。

病の元を「虫」という考え方をすることは,もしかしたら,実に日本的な「人間観」,「成長観」なのではないかと感じられてきます。原因が曖昧なときは,とりあえず虫にしてしまう考え方です。
自分とは違う生き物を,身体内に仮装設置する考え方です。
こういった考え方は,怪我をしたときの「痛いの痛いの飛んでいけ」というまじないにも通じています。
「痛いの」という何かしらの生き物が,怪我の部位にわいているのです。それを呪文で追い払うわけですが,これが効能大なのです。
呪文やまじないは,痛みから「気を散らす」効果と同時に,「本体は問題ない」という思考を植え付けてくれます。これが,習慣化することで,本人のしっかり度を高める方向へと向かうことができます。

子ども本体は悪くない,という見方をすることが,古来からの日本人的成長観なのだと思えています。

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