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『風土記』の報告作法

昨夜遅く,久しぶりの雷となりました。
万一に備えて,データの入っている外付けハードディスクをPCから切り離しました。
これで,一安心。
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そうして,『風土記』です。
ようやく「肥前国風土記」に入りました。
肥前,肥後の「前」「後」の意味も書いてあり,多いに勉強になります。

ちょっと,思いにふけったのは,崇神(すじん)天皇(第10代天皇)の命を受け肥後の国へ討伐に行った健緒組(たけおくみ)が,戦勝報告をしたセリフです。
「臣(わたくし)は,かたじけなくも大君の命令を受けて・・・・討伐をすると,刀の刃を血ぬらずに・・・・凶賊どもは自滅いたしました。
大君の御威光によらなかったら,とうていそのようなことはありえなかったでしょう」

実際にはどろどろとした戦いになっていたのだと思いますが,それをそのまま正確にかくかくしかじかでしたとは,報告していません。
目の前にいる大君が喜ぶように,大君を立てるように伝えています。
しかも,まるで奇跡が起こったかのように伝えています。
こういう報告の仕方,ここに日本人の報告作法の原点があるように感じました。

また,健緒組の使った刀は,崇神天皇からの拝領刀のようにも思えています。
超高級な刀なので光をまばゆいばかりに反射します。晴れた日に敵と対峙したら,神々しい力が剣から放射されたようにも思います。
当時のハイテク技術で戦い,報告は日本人的に。そんな姿が感じられ,風土記がますます面白くなっています。

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