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自己規準からの価値感情

普通に座っているだけで,「横山先生は,姿勢が良いですね」と話してくれる先生がいます。
そういう一言を言われると,私もありがたい気持ちになります。
また,同時に,良い姿勢を見て,それを「良い」と感じる教師として感覚を持っている先生がいることにも,ありがたさを感じます。

自分が普段出来ていないことを,良いことだから出来るようにしましょう,と言われても,「姿勢なんか・・・」とか,「そんなの出来なくたって・・・」という思いが自然に湧いてくることがあります。
「自分は出来る・自分は出来ない」という所からも,感情はわき出てくるからです。自己規準からの価値感情の発生です。ごく自然なことです。

この自己規準からの価値感情ですが,不思議と出てこないところがあります。
道場や稽古場などです。
正座を見ても,そうするのがノーマルな場なんだ,そうしないと学べないんだと,頭が了解するからです。規準が「自己」から「道場」へ移動しているからです。

『子どもの作法』椅子に座る時は姿勢よく座るものだと了解してしまえば,「姿勢なんか・・」という思いを振り切ることが出来ます。
こういう,自己規準からの価値感情を乗り越え,価値基準を高めることが作法の学習なのです。

では,作法ってどんなことなのか。
一言で言えば,この本のタイトルにある「ちゃんと」ができることです。
「ちゃんと」を進めていこうという心を作ることであり,「ちゃんと」が自然に備わっている状態へと自分を改善していくことです。
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