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『幼学綱要』を読みました

b8628_400『幼学綱要』です。
道徳の本です。

読み返す度に思うことは,事例として載っている歴史のあれこれ,そこに登場する人々の多くを知らないと言うことです。
ましてや,中国の人のお話になると,いったいどこの土地で起こったことなのか,時代は日本で言うと・・・と,ハテナマークがいっぱい付きます。

しかしながら,道徳というのは,登場した人が誰であろうと,どこの土地の人であろうと,あまり関係がありません。
大切なことは,どういう良い行いがあったのかということです。

魚がないと食事ができない母。その魚が禁漁となり,母は衰えて死にそうになります。
日頃から孝行者の息子は禁を破り,魚をとったがために,役人に捕まります。
息子は役人に,自分は罰を逃れようとは思いません。よろこんで罰を受けます。でも,死んだ魚が生き返ることはないので,せめてこれを母に・・・と嘆願したそうです。
この孝行者の言葉は,上皇にもとどき,褒美がとどいたそうです。

b8615こういったお話しがたくさん載っています。
それに加え,論語や礼記などからの一説がたくさん記されています。

天に私覆(しふく)無く,
地に私載(しさい)無く,
日月に私照(ししょう)無し。

礼記からの「公平」の教えです。

天は自分勝手に人を差別して覆わないということをしません。
地も自分勝手に差別的に載せないということはしません。
お日様やお月様も,自分勝手にあの人は照らすまいというようなことはしません。
「天地,日月の心がけ」
心に響きますね。

 

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