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関西大学初等部の本『関大初等部式 思考力育成法』はすごい!



2月10日発売の『関大初等部式 思考力育成法』です。まだ,発売前ですが,あんまりすごいので,ちょっと御紹介します。

とにかく,この本はすごいです。
表紙の「めざせ!考える達人」の「達人」の文字の上の写真をご覧下さい。
小さな女の子が紙に円を2つ少し重ねて書いています。
これ,なんだか分かりますか。
「ベン図」なのです。

ベン図は,学校現場では数学で学ぶ論理とされています。
かなり昔のことですが,ベン図を小学校でも教えていたことがありました。
「集合」の中心的な図として登場していました。
ところが,どうにも理解できない子が多かったのか,算数から姿を消しました。

ですので,「ベン図は中学から」 という暗黙の学び時が発生しています。
そのベン図を小学校2年生の子が使って,自分の考えを進めているのです。
驚くばかりです。

論理は算数・数学で学ぶと,隅々までキチッとするので,細かいミスが気になる方向へと進みがちです。
それが他教科だと,少々アバウトでも,弁別が大方あっていればそれで良し!とできます。
ですから,2年生でもベン図の弁別を理解できるのです。
これは,画期的なことです。

表紙に,大きな「バツ」が見えますね。
これは「Xチャート」という思考図です。
右下の子が紙を持ち上げています。そこに書かれているのは「ピラミッド図」です。
これも,思考図です。

関大初等部は,2010年に開校したばかりの新しい小学校です。
でも,思考力を育てることについて徹底した研究をすすめ,図を用いて思考する達人小学生をどんどん生み出しています。
「有田先生の追究の鬼」と同じように,「関大初等部の思考の達人」です。

ベン図
Xチャート
Yチャート
ボーン図
ピラミッドチャート
などなど。

このようなチャート図を1つずつ,しっかりと学習を通して学んでいきます。
学びが進むにつれ,各種のチャート図を使って,自分の考えで比較・分類・関連づけなどがどんどん進められる子になっていきます。
思考力がつくのです。考える達人へと育っていくのです。

チャート図に情報を書き込むためには,「この情報はどこに書くべきか」と,まず,頭を使います。
友達に「なんで,これはここなの?」と問われても,考えてそこに書いたので,その理由は説明できる状態になっています。
作り上げたチャート図を元に,作文を書くこともできれば,発表もできます。
非常に優れた言語活動ができるわけです。

思考スキル,ミューズ学習(考えることを考える学習),評価基準,実践 等々
この本に,非常に詳しく記されています。実に良い本です。

お勧めします!

※公開研究会が2月4日に関大初等部(大阪・高槻)で開催されます。
http://www.kansai-u.ac.jp/elementary/2011/12/post-59.html
この本(『関大初等部式 思考力育成法』)も,発売前ですが,先行して入手できます。
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思考力を楽しく付けていく学習法として,『10の力を付ける出版学習』(横田経一郎著,さくら社)もお勧めです。

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