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『未開人の数学』(昭和17年)矢野健太郎先生の本

矢野健太郎先生が昭和17年に出版された本です。
戦時中の本です。

読み進めるにつれ,驚くべき数え方などがどんどん紹介されており,感心しながら読み進めました。
その一つ二つを御紹介します。

・近江の高島郡今津村では,20を基礎とする数の数え方が使われていた。
・南津軽のきこりさんたちは,五進法を用いて計算をしていた。
・アイヌでは20を超える数は,20の倍数をもとに数えられていた。
・沖縄の藁算。

再確認できて,とても嬉しかったことは,数を理解する「数認識」の3段階が示されていたことです。
もちろん,未開人の理解の仕方は分かりようがないので載っていません。
その代わりに,現代人が「数を理解する」ということは,「頭の中で何を把握することなのか」が示されています。
読んで,とても有り難かったです。
算数ソフト開発に必要な内容だからです。
算数の基礎的な理論ですので,本を読んでいるときに,こうしてちょこっと登場してくれると,再確認・再認識でき,足腰のしっかりしたソフトをこれからも作っていこうという気持ちになります。

神田神保町の古本街,明倫館で購入しました。
古本街に行くと,たいてい明倫館さんに立ち寄っています。

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