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万葉集で指折り数える

指を使って計算する事が,ちょっと話題になりました。
これは,昔から賛否両論ありますが,意見をお持ちの方は,たいていどちらかが良く,どちらかが悪いと考えています。

私は小学生の頃,算数が得意でした。でも,計算をするときは,暗算だけに頼らず,ちょっとでも不安に思うときは,必ず指でこっそりと確認をしていました。答えが確実に正しくなるように子供心に最善策を講じていたのです。

こういう経験があるので,指を使う子には,そのまま指を使いなさいと話していました。
前の学年で使ってはいけないとしっかり指導を受けていた子は,かなりビックリした顔になります。

小学校で教えている計算は十進位取りによる計算なので,筆算の形で学ぶのがベストです。
右側から一の位,十の位,百の位と配置され,わり算以外は小さな位から進めます。

指で数えるのは,こういった位取り計算法とはちょっと違う世界観になりす。
どちらかというと,指は「そろばんタイプ」なのです。一桁ソロバンという感じです。
珠の変わりに指を折ったり伸ばしたり。
2と言われて,2本まとめてバシッと伸ばすのは,さながらソロバンで一珠を2つまとめて動かすのに似ています。
私がすごいなあと思うのは,4と言われたときに,4本伸ばすというより,1本(親指)だけを曲げるという補数で指の動きを表現することです。これには,時々,「かなりお利口!」と思う事があります。

その指折り数えるという方法ですが,古くは万葉集に出てきます。山上憶良の歌です。

秋の野に 咲きたる花を 指折りて かき数ふれば 七種の花

指を折って数えてみたら・・・と歌われています。奈良時代には確実に十進法が文化として定着していた事が分かります。
そうはいっても,やっぱり指は・・・と思う方もおられると思います。
指の難点は,引き算に弱い事です。逆に数え,指も逆に動かすのはなかなか難しいです。そういう障害があるので,指を使う子は,引き算を引く数から順に数える方法でかわしていきます。このあたりになると,指はちょっと・・と感じてきます。

教科書に出てくる十進位取りの考え方は,10の束を考える計算方法です。
これの良さは,慣れるとパッとわかる点にあります。
教科書には,ソフト画面のようなサクランボの形がでてきます。計算の仕組みを理解させるアイデアです。8は後2で10だから,3を2と1に分けて,8と2で10にして・・・と考え進めます。
また,教科書にはブロックか棒がでてきます。具体的に栗で考えると「10の束」が明瞭にならないので,ブロックや棒で思考を助けています。 算数セットなどに入っている,算数的思考の必須アイテムです。

大事な一点は,この10の束をつくる様子を何度も見る事です。
ここが手作業になるので,なかなか見せづらく,理解がイマイチのまま計算に入り,気がつくと指でやってしまうのです。ソフトで何度もみて,感覚を養う事が肝要です。そうして,指は押さえで使うぐらいになればグッドです。

5年生の「分数と小数・整数の関係」のソフト

5年生の「分数と小数・整数の関係」のソフトです。
今回は,整数を分数に直すソフトをつくりました。

パッと見て,これは易しすぎる!と感じたと思います。私もそう思っています。
大人にはとても易しく感じます。
でも,それが子供にとって同様かというと,そうはいかない場合があります。これも,その一つです。

1年生の頃から,3は3であり,6は6であり,7は7であって,他の数で表すなんて事は,これっぽっちも考えないできています。
ですので,「7は7!」という固定概念が自然に育っています。しかも,強固に。
これを,そうじゃなくて,「分数だと7はいろいろな形で表せるんだよ!」と,固定概念を打ち崩すのがこういった分数の学習です。

重要な転換点と言えます。

ですので,上の画面の黄色い「メクリ」をクリックすると,分数の下に,新しい桜スライダーが登場する仕組みに作り込んでいます。
青の桜スライダーをドラッグすると,7になる分数が分母20まで登場します。
これぐらい見れば,「7は分数で表現でき,それは無限に表せる」と理解できます。

1つの数の表し方が,実は無限にある。
こんな面白いことが算数では起こります。
それをあっという間に把握できるのがこのソフトです。

学校での勉強は,以前よりスピードアップされています。
ソフトを使って,子ども達の楽しく予想させ,それをソフトで確かめて,算数の深い世界を見て,次に進むのが,今風といえます。
このソフトも,もっと算数サイトにアップしました。
5年生の先生,ぜひ,御活用ください。

5年生の「分数と小数・整数の関係」のソフトが1本できました! 

5年生の「小数を分数に直す」ソフトができました。

まずは,小数だけが出てきます。
これを分数に直すには,どうしたらいいのか考えます。

それから,忍者ボタンをクリック!!
すると,赤文字の「10」がでてきます。
これが良いですよね。
オッ!と思っていると,その「10」は下に降りていきます。
そうして,括線が登場!
その後,「0.」が消えます。

0.1が1/10だから・・・と考えて進めていく場面ですので,このような演出になっています。

現役の頃は,これを紙でやって見せていました。
紙でつくっても,子ども達は面白がり,小数と分数のつながりを理解してくれました。それが,PCでアニメーションになったのです。こっちの方が分かりやすいです。
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右上に1番~4番までの番号ボタンがありますね。
これは,レベルボタンです。2番になると,ちょっと難しくなります。
3番4番も難しくなります。

そうして,端っこの「桃太郎」ボタン。これは,トックンコーナーです。素早く答える練習をします。
素早く答えつつ,理解した事をしっかりと定着してもらいます。
口頭で答えさせたり,ノートに書かせたり,良い感じで勉強をして欲しいです。
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このソフトも,近々,「もっと!算数」サイトにアップします。
5年生の先生,ぜひ御活用になってみて下さい。

5年「分数と小数・整数の関係」の4本目のソフト

5年生の「分数と小数・整数の関係」の4本目のソフトです。

このソフトは,「分数を見て,わり算をして小数に直す」事を学ぶソフトです。
割り切れるタイプもあれば,割り切れないタイプもあります。その両方を並べてつくりました。

左側は÷2,÷4,÷5,÷8が出てきます。正確に割り切れるタイプです。
右側は,÷3,÷6,÷7,÷9が出ます。多くの場合,循環小数になります。正確に割り切れません。その場合には,1/100の位までの概数で表す答えも出るように作り込んであります。

青と緑の桜スライダーは,分数の数値を変更するときに使います。
スライダーですので,分母が小さい順に,分子が小さい順に分数が登場します。ですので,学習させたい分数をズバリ表示することが簡単にできます。
クリックボタンは,ランダムに数が選ばれて,問題として登場します。
スライダーで勉強して,クリックで練習。そんな流れがつくれます。

右下にピンクの桜スライダーがありますね。
小数が画面からはみ出す場合があるので,画面をスクロールできるようにしたのです。
奥の方から「正確に表せない!」という言葉も登場し,それなりに学習効果を高めるようにつくりました。

今週末には,もっと算数サイトにアップできると思います。
もっと算数サイトにアップされているソフトは無料で使えます。どんどん使っていただけたらと思っています。

『子どもが夢中で手を挙げる算数の授業』 のソフトを使って,研究授業をされるというメールをいただきました。嬉しいですね。子ども達も大喜びでしょうね。

算数ソフトを使う研究授業。
これは,まさに,新しい指導となります。
授業のどんなところで使われるのでしょう。
想像するだけで,ウキウキしてきます。
参観される先生方にも,算数がこんな風に盛り上がるんだと伝わると思います。
嬉しい限りです。

私の話がアップされています!

福分堂の村岡さんから,お知らせを頂きました。

横山先生、本日ご講演アップしました

原点セミナーでの私の話を収録してくださり,それを良い感じで編集してくれました。
「教職ネットマガジン」に『算数ソフト最前線』というタイトルでアップされています。
自分でも見てみたのですが,これがなかなか面白いです。
「この人,面白い!」と言っている自分がいました。

話しの流れを聞いていて,ここは笑いをと思うと,そんな事を話しています。
ここで笑いを取ると脱線する,と思うところは抑えが効いていました。
なかなか良い感じでした。

講座の後,参加された先生方の感想を読ませていただく事があります。
なぜか,私の所は「おもしろかった」「話術がすごい」が中心となります。
その理由も分かりました。
算数ソフトより,語りの方が勝っているのです。
感想が内容に踏み込めないのも頷けます。
それでも,お話しをすると,算数ソフトを購入する先生が多数いらっしゃいます。
やっぱり,目利きの先生方は算数ソフトをしっかり見てくださっているのです。ありがたいことです。

だめ出しをするとしたら,言葉のフックがやや甘いです。
もっと,「野口先生から学べ」が,自分へのアドバイスです。

村岡さん,ありがとうございました!

5年の「分数と小数・整数の関係」のソフト。1本アップ!

5年生の「分数と小数・整数」のソフトが1本,「もっと!算数」サイトにアップされました!
5年生の先生,単元がやって参りましたら,ぜひ,御活用くださいね!

2リットルのジュースを3人で等しく分ける場面です。
「等分」ですから,式は「2÷3」です。

授業では,既習の通りにわり算をするのですが,すると,0.666・・・となり,循環小数となってしまい,どこかで四捨五入と相成ります。

でも,今回は四捨五入で一件落着をさせる分けにはいきません。
永遠に6666666・・・・となってしまうね,というところから,他の方法は無いものだろうか・・と分数へ持っていくのですが,そこが何とも歯がゆいです。

そこで,実際に分けてみると,これが分数で表すのに,ちょうど良い感じとなります。
ソフトですから,等分するのは,至って簡単です。「分ける」ボタンをクリックするだけです。
すると,オレンジジュースが飛び出して,忍者の入れ物に等分に別れて入ります。
なかなか面白いです。

このジュースの移動を見ることで,3等分の意味もつかめますし,答えが2/3リットルになっていることも,見た目で分かります。
すると,そこから,どうやら,「2÷3」は「2/3」になるんだな,と結びついてきます。

こういう「わり算の式」と「分数」とを結びつける学習で,このソフトはお役に立ちます。

ちょっと気になるのは, 式の右端にある2つの「?」ボタンです。
上の「?」をクリックすると,式の「2」が飛びだし,「分子」の位置に移動します。
下の「?」をクリックすると,式の「3」が飛びだし,「分母」の位置に移動します。

視覚的に,式と分数の関係を頭に印象づける効果があります。

シンプルな作りですが,なかなか面白いです。
ぜひ,お使い下さい。