Blog

「慎重の心」を育てる,鈴木文男先生の「一発君」

 

鈴木先生とお会いしたとき,1つのスタンプを見せていただきました。
そのスタンプは,「一発君」です。

このスタンプがもらえると,子ども達は大喜びをします。
何しろ,このスタンプ,おいそれとは押してもらえません。
「よほど」の事がないと,押してもらえないのです。

どんなときに,その「よほど」が起こるかというと,「一発でできたとき」 です。
何事にも,素早くやる子がいます。
ノートへの取り組みをさせれば,アッと言う間に仕上げて,「先生,できました! 」となります。
先生は赤ペンでマルやらペケやらをつけます。
早く仕上げる子は,心が急ぐあまり,ちょっとしたところでミスをします。
そこを直して,めでたしめでたしとなります。

でも,この子は,「一発君」スタンプを押してもらえません。
一発で,ミス無く仕上げることが出来なかったからです。

仕上がりには,少し時間のかかる子もクラスにはいます。
落ち着いているので,あまりミスはありません。
概して,一回でOKとなります。
その時です。鈴木先生の手は,「一発君」スタンプに伸びます。
そうして,“ポン!”
赤い,立派な「一発君」が,落ち着いて慎重に取り組んだ子のノートにしっかりと押されます。

早くやり終えた子がもらえず,遅くてもしっかり行えた子がもらえます。
担任の先生が求めている心が,クラスに伝わります。

学校の学習にスピードはつきものです。
早くやることを躾けることも大切です。
だらだらとした心を,ピンと緊張させ,意欲が向上します。
また,鈴木先生のように,落ち着いて慎重に取り組むことも大切な指導となります。
「落ち着きましょう」と,何度言っても,クラス全体は自然と急ぎ足の空気を持っています。
少しばかり,むなしい指導となりかねません。
そんなとき,一発君のような「心の栄養グッズ」が力を発揮します。
落ち着いて取り組むことも,クラスの空気になっていきます。

鈴木先生の「一発君」スタンプをお借りし,私の手帳にポンと一押しさせていただきました。
私も,落ち着く心,慎重に行う心がどこかに行ってしまわないように,心がけましょう。

2 Thoughts on “「慎重の心」を育てる,鈴木文男先生の「一発君」

  1. 10数年前に、験也先生から教えていただいて温めていました。シャチハタで形にしたのは2年前です。好きなことをしないと損する。やりたいことしないと楽しくない。なりたい自分になる(やや中邑真輔風)。そんな思いで作ったものです。

  2. 横山験也 on 12.1.26 at 9:35 PM said:

    今や,一発君は鈴木先生の偉大な御実践です。類似の形で子ども達の心に慎重さ,落ち着きをつくってもらえたら,嬉しいですよね。
    プロレス談義も楽しかったです。

Post Navigation