Monthly Archives: 12月 2012

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関田先生に感謝!

神戸へ行ってきました。
到着して,ソフトが画面に映るかチェックしていたとき,ワイアレスマウスのUSBジャックを家に置き忘れていることに気がつきました。「マウスパッドでやるか」と思っていたら,関田先生が機転を利かせて,近所の量販店に買い込みに走ってくれました。
とても有り難かったです。
おかげで,快調にソフトを使って作法と算数の話しをすることができました。

b8650作法の話しは,その最も重要な姿勢の話しから始まりました。
「正しい椅子の座り方」です。

椅子の座り方には,本来,正しいも不正もありません。好きなように座って良いのです。
でも,椅子が日本の生活習慣に入り込んで来ると,状況が少しずつ変わってきます。「みっともない座り方」や「見事な座り方」を自然と感じてしまうからです。
そんなお国柄があるので,椅子への腰のかけ方にも,こういう姿勢が正しい姿ですと,定めるに至りました。それを記したのが『小学校作法教授要項』です。明治末期に文部省が発表した日本初の日常生活用の作法の指導要領です。これが,現在の日常作法の大元になっています。

その正しい椅子の座り方ですが,これがなかなか奥が深く,一つ一つ知っていくと,「なるほど!」と思うことの連続となります。

私の出番が終わり,一番後ろの席で次の講座を拝聴していたのですが,良い姿勢をし続けている先生が目にとまりました。
その時,フッと思い出したのが,「教訓俗を正す」です。
礼や作法を教わると,それまで何とも思わなかったことが,自分の中で実は今一歩の状態だったと思うようになります。そして,それを正そうとし始めます。
良い姿勢を続けていた先生は,自分の中に「姿勢の礼」を備え始めたのです。
美しいと感じる光景です。

およそ人の人たる所以は・・・

b8651_165明日,神戸へ行くので,その道中に読む本をカバンに入れました。
今年最後の遠出ですので,道中,ゆっくり『礼記』を読んでみたくなりました。
そんな気になったのは,たまたま読み返してみた明治時代の古書『小学修身訓』に,右の一節が載っていたからです。

まあ,「修身」と書くと,すぐに「右翼」などと思う人もいるようですが,そう思うのは,修身を言葉として知っている程度だからです。
「身の修め方」ですよ。
言葉を換えれば,「よりよい生き方」です。
それを漢字で「修身」と書くと,途端に戦後アレルギー反応がでます。もう,60年以上も経っているのですが,未だにこの「戦後アレルギー」は国民的陽性を保っています。
それも無理からぬ事です。中身を勉強する機会がほとんど無いからです。学べば,「ああなるほど」「自分をもう少し高めてみたい」という気持ちになってきます。

右の一節,今風に書くと,次のようになります。

ちょっといい人は,姿勢が良くて,笑顔で,穏やかな言葉遣いをしますよ!

笑顔,言葉遣いは,世の中が接客業化している今日ですので,昔とは比べものにならないほど良い感じになっています。東京オリンピック以降,マスコミを通じて急成長したところです。残すところの姿勢も,立ち姿は皆さん実に素晴らしい姿になっています。気になると言えば,椅子に座るとちょっと弱めになるところです。でも,弱めなのがこの1点ですので,礼の歴史からみると,今の日本は非常に高度化していると言えます。
明日の神戸では,その弱めになってしまっている座る姿勢について,少しお話ししてきます。

ディレクターのプログラフの本。古い本です。

b8653_300この本を,今の時代に読む人はいないだろうなと思いつつ,ちょっと開いてみました。

算数ソフトを作る時に使っているソフトが,ディレクターです。バージョンが11.5まで進んでいます。
この本は,ディレクターのバージョン8の時代の参考書です。非常に詳しい本で,ある程度の水準にある人には,手放せない本です。

たまたま,開いたところが3Dのサンプルについて解説していたところでした。そこを良く読むと,どうも,パラメーターの設置ができるようなことが書いてあります。具体的にどういう事か気になり,サンプルソフトを開いてみました。

ところが,サンプルソフトのバージョンが古いために,開くためにはディレクター独特のバックアップ作業を要します。
それをちょちょいとやって,開いてみたら,これがとても勉強になりました。

パラメーターが作れたからと言って,作る作品に変化が起こるわけではありません。
作る過程が,ちょっと変化する感じです。
算数・数学的に言えば,文章問題を見て,未知数をXにして方程式で解いていくようなものです。具体的に考えて解くこともできますが,式が複雑になるので,修正がちょっと大変なのです。
そんな感触を受けています。
良い感触なのですが,これが身につくかどうかは,疑問です。
まずは,何をパラメーターとしたいか,そういった全体を見通す力量が必要に思えています。私のように,思いついたことをどんどん作り進め,後から,気に入らないところを直すというやり方では,ちょっとパラメーターは使いこなせないかもしれません。これも,やってみなければ分かりませんので,今作っている作品が完成したら,その次からちょっとチャレンジしてみようと思います。

b8652_300今作っているのは,6年の速さのソフトです。
道のりと時間を決めて,それを1m当たり,1秒当たりで比べる勉強ができるソフトです。

まだ,もう少し,作り込む必要があるので,少々時間がかかっています。新年には,もっと算数サイトにアップできると思います。

この作品も良い感じの作品になりそうで,目下,気に入っています!

23日(日)に関西でお話ししてきます!

b8655学期末に,算数ソフトを使って大盛り上がりをしたと教えてくれたのは,関西の関田先生です。

この日曜日に,関田先生が事務局となって野口塾が開催されます。そこで,私も「算数で作法」をお話ししてきます。

算数の時間に作法を指導しましょう!という,ちょっと変わった講座ですが,算数ソフトを使っている先生でしたら,至極,当然と感じているはずです。
ソフトを使うと,子ども達のやる気が非常に高まります。
しかも,連日,この高いやる気が持続します。
やる気が高い状態というのは,勉強そのものが面白いだけでなく,先生のことが大好きになっている状態です。大好きな先生が,こんな風なクラスが良いなぁ,と思うことを子ども達に話しをしたら,その方向に子ども達は流れを作ってくれます。
そこから,各種作法がクラスの形として,次第に安定的に保たれるようになると,クラスは「立派ですね」と思われる方向に変わっていきます。

神戸では作法で30分,算数ソフトで30分ぐらい話しをする予定です。

「奇跡の算数セミナー」で,関田先生とあまりお話しできなかったので,この日はいろいろと話しをしたいと思っています。

5年の「円グラフ・帯グラフ」のソフトで,言いたくて仕方がない!

b86575年生で学習する「帯グラフ・円グラフ」
この単元で算数ソフトを使っている渥美先生から,とってもうれしいメールをいただきました。

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言いたくて仕方が無くなる。
聞きたくて仕方が無くなる。
こういう状態になります。
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マウスでクリックしていると,子ども達が「言いたくて仕方がない状態」になるのです。
答えも言いたいし,どうしてなのかも言いたいし・・・
そんな嬉しい状態になるのです。

普通の授業では,いつも決まった子ばかりが手を挙げがちです。
時々,違う子が手を挙げると,その子を優先して・・・・。
あの子にもこの子にも,もっと手を挙げて欲しいあぁ・・・と思います。

そういう状態が,算数ソフトを使うと一変します。
子ども達がやる気満々になってくれるので,先生の話もとても良く聞いてくれます。
「もっと知りたい!」という気持ちになっていきます。

b8656例えば,ソフトの中の中部地方の数値をちょこっと変えてみます。
何も変えないときの中部地方は「17700t」。黄土色のところです。順位は第2位。
この数値を,わざと「1000t」に減らしてみます。
すると,どうなるでしょう。割合は1%ですから,帯グラフも円グラフも狭くなります。順位はビリです。
今度は,「10万t」に増やしてみます。
すると,58%にもなります。中部地方のグラフは広くなり,順位は1位へと変わります。

こんな風に2回,3回と変更してみて,それから子ども達の希望に合わせて,1つの地方の数値を変更したら,どうなるでしょう。

「広くなる!」「狭くなる!」
「○○地方と同じぐらいになる!」
「○○地方の2倍ぐらいになる!」

あれこれ,言いたくなりますよね。

人間は不思議な生き物で,ある程度の理解が進むと,そのことについて言いたくなってきます。
「ある程度の理解」に達する前だと,妙に口ごもります。わざと知らない振りをすることもあります。
それが,ちょっと分かってくると,気持ちが動き始めます。
かなり知った状態になると,一言も二言も言いたくなります。人によっては,つい口走ることすらあります。

学習の大事なポイントは,この「ある程度の理解が進む」状態にまで,トントンと進めることです。それには,2回,3回とやってみせることです。
繰り返されると,そこにきまりが見えてくるので,あれこれ見えてきて,次第に言いたくなってくるのです。

ここを1回目から考えさせようとすると,頭が動きにくくなります。授業も重くなりますね。
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このソフトは,『子どもが夢中で手を挙げる算数の授業』の5年2巻に入っています。

6年の「速さ」のソフトを考え中!

6年生の「速さ」。
この単元の基本といえば,50mを8秒で走ったとか,40mを7秒で走ったという記録です。

この単元は,「単位量当たり」という考え方の流れを汲んでいるので,これを普通は「1秒当たり」の秒速で比べます。でも,考える力を高めるためたい場合には,「1m当たり」で比べることもできることを学んだ方が良いです。

8738_300

「1秒当たり」「1m当たり」。
この両方の見方を分かりやすく表現するときに,役立つのが線分図です。

でも,どうやったら,その「分かりやすさ」を示せるのでしょう。それが頭の使い所です。
私の雰囲気ですと,道のりの方から動き出すのが「1m当たり」。時間の方から動き出すのが「1秒当たり」という感じにすると,少し分かりやすくなるかなと思っています。
でも,こういうのは,実際に付くって動かしてみないと感触がわかりません。
今週中には作り進めて,現状の言葉で理解する状態よりは1歩も2歩も分かりやすいソフトに仕上げたいと思っています。

ところで,「速さ」という概念ですが,これを考えついたのは,万有引力で有名なあのニュートンです。時間と空間を結びつけて考えたのです。ニュートンは算数・数学でも偉人です。