Monthly Archives: 12月 2012

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5年の「図形の面積」,中田先生とのコラボソフト!

「チーム・奇跡の算数」の続き。
中田先生から,5年生の「図形の面積」の指導案が提案されました。

よく考えられていて,この授業なら子ども達の頭はフル回転すると感じました。特に,導入は興味をかき立てる形になっていて,上手いなと思いました。

中田先生の授業でもソフトが使われました。そのソフトは,教室プレゼンターを使って算数ソフトを開発し続けている種市先生が作られたものです。いつかはお会いしたいと思っている先生のお名前が出て,とても身近に感じられました。

学校の先生をやりながらソフトを開発するのはとても大変です。特に,マウスドラッグで図形を動かすのは,なかなか面倒で手間がかかります。 そこが作り進められないと伺ったので,私の方でも作ってみることにしました。
中田先生とのコラボソフトです。

右をご覧の通り,三角形の頂点をドラッグして,頂点を動かすことができます。
これが,「等積変形」です。面積を変えずに形だけを変えることです。
大切な概念なので,面積の授業では子ども達にしっかり見せたいのですが,思うように見せられないところとなっています。

面積を保存したまま,形を変えるのが「等積変形」
これと同等に大切な見方があります。形を保存したまま,位置を変える「等積移動」です。
等積移動には,「平行移動」「回転移動」があります。
このソフトには,「回転移動」の機能も付けています。
左下に小さな4つのボタンがあります。これが回転移動をスタートさせるボタンです。どんな風に回転するのでしょうか。ソフトがアップされましたら,ダウンロードしてご覧になって下さい。

このソフトを使って,白と水色の部分の面積が等しいことを学びます。
等積変形を何度も見て,回転移動で等しさの確認ができるように作られています。
ここまでつくってあると,見ている内に,等しくなる理由(言い換えれば,「等しくなることの論証」)を言いたくなってきます。教科書の画像を見ているだけではできない,質の高い授業ができます。

おまけの機能が付いています。

長方形の中のどこか好きなところをクリックすると,頂点がクリックしたところに瞬間移動します。好きなところをクリックすると,そこに頂点ができるのです。
これが,数学でよく登場する「任意の1点」をとる行為です。
任意の1点について,子ども達が「どこでも点」と言っていたことを中田先生が話してくれました。こういう重要なところを聞き逃さず大切に扱う所,さすがだと思いました。
数学用語を平易に言う言葉を,「辺」を「へり」,「頂点」を「かど」などのように,固定化することが学習として大切です。これから先,私は「任意の1点」を「どこでも点」として使っていきたいと思います。

★図形のソフトは,近日中に,もっと算数サイトにアップされます。

「チーム算数」例会。押田先生の折り紙。

押田先生から,折り紙の実践が語られました。
私は算数で折り紙をあまり使ったことがないので,珍しさが先立ちました。

先生の指示通りに,折り紙をおります。毎度,三角形になるように3回折り,そこにハサミを1回だけ入れます 。
開いてみると,これが何とも言えない形。

こういう遊びのようなことをしていると,やっていることを説明するために,意外と算数用語を使うことになります。
まずは,「三角」とか「三角形」が出てきます。
三角形になるように折っているのですから,どうしても口にせざるを得ません。
元が正方形の折り紙ですから,「四角」とか「正方形」とかも口に出やすいです。
折り紙ですから,「かどをそろえて」と出てきたら,それはもう「頂点」です。
「へりを合わせて」は「辺」ですし,「折り目」は「直線」「辺」。「真ん中」は「中心」ですよね。

子ども達が自然に使っている言葉を,意図的に算数用語に切り替えて先生が話し始めるだけで,「生活語」から「算数語」への大成長を促すことができます。

三角 →三角形
四角 →四角形
かど →頂点
線  →直線
真ん中→中心
へり →辺

押田先生は,紙の大きさを各種用意したので,「拡大」とか「縮小」という言葉も飛び交っていたそうです。

折り紙で楽しみながら,算数用語に慣れ親しんでいくこの実践。実に良いなと思いました。

こういう勉強の時,作った折り紙に,「用語を書き込む」ことがお勧めです。書き込みが成された折り紙を見ると,妙に勉強をしている感じがしてきます。
書き込んだ折り紙はノートに貼ります。そこだけ分厚くなるので,自然と開きやすくなり,その度に用語を目にすることになります。

みんなで実際に折り紙を折って,切って,なんだか楽しい一時でした。

「チーム算数」例会。3つの法則の話し。

チーム算数の定例会。

今回は4名です。城ヶ崎先生,中田先生,押田先生と私。

スタートは算数ソフトの新作発表。
神奈川の佐藤先生が平均点で97点をとるに至った授業で,活躍的に頑張った分配法則・結合法則・交換法則のソフトなどをお見せしました。

この3つの法則は,これまでの算数とはひと味違う,ちょっと数学が入り込んできている学習です。
右の画像を見ていただくと分かりますが,■や●や▲を数の代わりに使って,「こういう事が言えるね」と学ぶところです。

この■●▲が,後々のaでありbなのです。
そうです。ご存じ「代数」の世界です。

この文字や記号を使って考えるということは,これまでの算数と何が違うのでしょう。そこの理解があると,この学習はもっともっとしっかり教えたいという気持ちになります。

これまでの算数は,「具体から離れ,数で考える道」だったのです。
リンゴが5こあって,隣を見たら,また5こあって,手元を見たらそこにも5こあって。
これを1こ,2こ,3こ・・と数えても合計を知ることができます。でも,それじゃあ,ちょっと頭が足らないような気がします。計算を知っている人には,それが強く感じられます。
そこで,覚えてしまえば楽に合計を知ることができる画期的な方法として,「たし算」とか「かけ算」をしっかり学習させるようになっています。

そうして,その恩恵がかなり分かってきた頃,「そろそろ次のステップに行きましょうか」とお誘いをしてきているのが,この■●▲たちです。
「数から離れ,記号(代数)で考える道」へ誘っているのです。

具体から離陸して,数の世界へ。
その数の世界から離陸して,代数の世界へ。

この離陸するときに大事なことは,量をこなすことです。
量をこなし,頭でも体でも馴染むところまで進まないと,「その場理解」で終わってしまい,翌日には,さて何の事やらとなります。学ぶ子ども達にとっては,なじみのない考え方の世界だからです。

そんな第2回目の離陸単元で,佐藤先生は平均点で97点を出しました。
使ったソフトが量をこなせるように作られているので,子ども達の様子を見ながら,離陸できるまで指導を繰り返すことができたのです。きっと,佐藤先生は一人一人のお子さんが「ほぼ確実」になっても,「もう一押し!」と,「押さえの繰り返し」指導をされたのだと思います。子ども達の様子から,あとどの程度繰り返せばよいかを見抜く力があったのでしょう。そういう教師力が,これからの算数には必須の力となります。
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ところで,上の画像の図の部分ですが,ここの工夫は自分でもお気に入りの所です。
図を囲っている線,縦は実線なのですが,横は点線になっています。括弧をイメージしています。

ここまでは,ソフトを見た先生なら,すぐに気付きます。
ですが,この点線の重要性にはなかなか気付きません。 それは,括弧は「弧で括(くく)る」と書いてあるように,円の弧で括られているのです。ここから考えれば,もしかしたら,原始的な雰囲気として「8+7」や「7+3」をぐるっと括っていたのを,その左右両端だけを残して表記しているのではないかと思えてきます。

ここまで思えてくると,その先,ちょっと発展させることができます。
小学校では小括弧しか出てきませんが,中括弧・大括弧も,ぐるっと括ってみると,「囲みの中から外に向かって計算する」 という規則が分かってきます。その囲みは必ず入れ子状態になっている事にも気付きます。

括っている記号にこういう原理があるのでないかと思うと,似たような物として,文章のカギ括弧があることに気になってきます。カギからカギまでを括ると,マンガの吹き出しのようになります。
また,二重括弧と,ただのカギ括弧。これも,算数の括弧同様,必ず入れ子状態になります。

最初に紹介したソフトのところで,このような話しになり,ついには,句読点を使わない文章の話しなど,話しは多岐にわたりました。面白かったです。

 

 

『学校クロスワード王ゴールド』が4刷りになりました!

8月に発売になった『チャレンジ!学校クロスワード王ゴールド』(ほるぷ出版)が4刷りになりました。

ほるぷ出版さんから初めて本を出したのは,1998年の5月です。
『学校クイズ王101』という本で,当時,編集を担当してくださった会社の社長さんが,だれに小学生向けの学習クイズの本を書いてもらおうかと,書店を見て回ったそうです。そのころ,私は主婦の友社さんからその手の本を出していました。それが偶然,社長さんの目にとまり,お声をかけていただきました。
これが御縁となり,その後,毎年,児童書を書かせていただいています。

最初の本から,もう,15年近く経ちます。その間に,ほるぷ出版さんから出させていただいた児童書の数は,なんと45冊にもなります。

そうして,今も,今度はこんな本にしましょうとお話しを頂き,そこへ向けて少しずつ取り組んでいます。

学習クイズでは,朝日小学生新聞さんにもお世話になっています。2001年から毎週1回,ある年は週に2回の連載を頂いています。この連載は,隅っこにちょっとというのではなく,広告欄を除く紙面1ページ分の分量がある大型の連載です。身に余る光栄と,ありがたく思っています。

子ども達が夢中になり,盛り上がる授業を研究してきた一つの成果と感じています。
チャンスがある限り,学習クイズの本を書き続けていきたいと思います。

5年生の円グラフのソフト,面白いですよ!

円グラフの勉強が,モーレツに楽しくなりますね。

『子どもが夢中で手を挙げる算数の授業』 (5年の2巻)の「割合と円グラフ・帯グラフ」の中に,右のソフトが入っています。
ファイル名は,「13A,円グラフをかきましょう/百分率は整数になる」です。

ご覧のように,表を見てグラフを作る学習専用に作られたソフトです。
ファイル名にあるように,13Aのファイルは,「百分率は整数になる」タイプだけが出題されます。計算が簡単ですので,取り組みやすいです。
基本に忠実に,しっかり計算できるようにします。

お楽しみは円グラフづくりです。鉛筆をドラッグすると,半径が開き始めます。「ここだ!」というところでマウスを放すと,正誤判定されます。
合っていれば,右のように部分グラフができます。間違っていたら鉛筆が元に戻ります。

ここを先生がマウス操作するときは,「ここだ!」と言う所で,「ボンバー!」などと声を出させるのも楽しいです。
ものすごく盛り上がります。

子どもがマウスを操作しても,グッと楽しくなります。
心配性の先生は,子供にやらせて,そこで間違えたら・・・と思います。
楽しいときは,あんまり心配しない方が良いです。
本気で間違えても,「アレッ!」と思って,自己修正を始めるからです。それをニコニコしながら待っていれば良いのです。

そうして,「来年,ここを習う子に,気を付けるところを教えるとしたら,それは何か」を考えさせれば,自分が間違えたところが,「生きて活用できる情報」となります。

楽しい雰囲気が作れると,授業はいろいろな姿で進行できます。
先生のお得意の姿でぜひ進めてください。
ソフトを持っている先生は,良い気持ちで授業ができますね。
子ども達も幸せってものです。

5年生の割合のソフト,円グラフも楽しいです!

『子どもが夢中で手を挙げる算数の授業』5年生2巻に,「割合と円グラフ・帯グラフ」が入っています。
その中の「11B,円グラフを読みましょう」が右のソフトです。

円グラフを見て,まず,ABCDEがそれぞれ何%なのか答えます。
次に,AとBを合わせると何%になるか答えていきます。

円グラフの周りに,鉛筆が付いています。算数ソフトを使ったことのある先生でしたら,この鉛筆を見ただけで,ドラッグしたくなります。ドラッグに合わせて,きっと,円グラフの半径の傾きが変わるのだろうと感じます。
全く,その通りです。

先生が鉛筆をドラッグしても良いですし,円グラフが大好きになった子にドラッグチャンスを与えることもできます。
2,3人にやってもらったら,次は「円グラフが得意だ!」という気持ちになった子に,ドラッグチャンスを与えるのも良いですよね。
やる気満々になってきます。

そうして,目盛りを正しく読めるようになったら,右上にある「およそ」ボタンを押して,「全体の何分の一になっているか」「AはCの何倍か」など,ざっくりと目測で考える勉強に入ります。

算数の勉強というと,精密な方向へ進むように思えるのですが,意外にも,精密に正しく理解できるようになったら,ざっくりと見ていく方向へ進みます。
上の何分の一か,何倍かというような「目分量」がその一つです。

なんで,こんな学習をするのと不思議に思う先生もいるようですが,これは頭の切れ味を良くする学習なのです。
グラフを見たとき,正確な読み取りが必要な場合もあれば,大筋の把握で良い場合もあります。その時の目的によって,さっと対応できる頭を持っていると,「できる!」ということになります。
両刀遣いという感じです。

また,大雑把に読んでも,正確に読み取る力がないと,中身が空っぽの読みとなります。
正確に読める力を押さえて,「この場はざっくりと」と場に応じて読む人は,中身がしっかりしている人となります。

正確さと大枠。この両方をしっかり学べる単元です。ソフトも使って楽しくしっかりと学んで欲しいです。