Monthly Archives: 10月 2013

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第3回 奇跡の算数セミナーは11月23日です!

「第3回 奇跡の算数セミナー」の開催日が決まりました。
11月23日(土)です。場所は,東京にある佼成学園です。
算数・数学のソフトに未来を感じている浜田先生が,ご勤務されている学校にお願いをしてくださり,開催できるようになりました。佼成学園に感謝です!
初めての学校での開催です。それも中高一貫校です。
張り切って開催していきたいと思っています。
定員は20名を予定しています。楽しみです。
公募が始まりましたら,ぜひ,お申し込みください。
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今日は,待合室で本を読みました。
気温が上がり,待合室はぼんやりとした空気となり,睡魔に襲われました。
それでも,面白かったので『西遊草』(清河八郎)を読み進めました。

関東と上方の人情の違いが記されていました。

関東は剛直にして人を憐れみ,
上方は柔弱にして人をあざむく。

なんとまあ,幕末にはこういう違いがあったのですね。
感心しながら読んでいると,上方での買い物の留意事項がでていました。
小さいお店では,正札そのものが怪しいとのことで,大店で買うと良いそうです。
こういう時代はとっくに終わってしまった現代ですが,飲み屋などのぼったくりなどにまだそれが化石のように残っているので,それなりに気をつけないといけません。

宇都宮の野口塾に行きました

宇都宮で開催された野口塾に行ってきました。
一つ一つのお話しが,強烈です。

例えば,野口先生のお話のスタートに,下の言葉が出ました。
◎教育はそのままにしておかないこと。
なるほどと思います。良い言葉です。
頭に響く言葉です。
野口先生の凄いのは,そこから,心に響かす言葉続くことです。
◎ そのままにしておかないのは,有望だから。
ああ,納得!
こういう哲学的な学びがとても多いので,実に,ありがたいと思います。

また,今回も,野口先生が会場でもひたすら勉強を続けていました。
この姿にこそ,もっとも多くのことを学んでいます。

野口先生からの学びがほとんどの野口塾ですが,最近は山中伸之先生の素材研究が凄いです。
今回は,「ごんぎつね」の4でした。
松虫のチンチロリンと鳴く場面,とても良い素材研究の話しを聞けました。
ゴンがどんな様子でじっとしていたかは,虫が鳴きやんでいない様子から,息を殺すほどと分かってきます。
なるほどと,唸りました。
山中先生の素材研究には,この先,ちょっと注目していきたいです。

私もちょっと,素材研究をしてみました。
「月のいいばんでした」
これは,月の姿が良いのではありません。月の光がこうこうと差して,当たりが明るくなっている様子を表しています。
ですので,満月か満月に近い月です。
ということは,一月(ひとつき)の中程の日の晩と言うことになります。もちろん,「ごんぎつね」が江戸時代のお話しだったらのことですが。
江戸時代は太陰暦なので,1日(ついたち)は必ず新月の日となっています。新しい月が始まるので,新月なのです。
ですので,日食が起きるのは太陰暦では,常に1日(ついたち)となります。
ということで,松虫が鳴いている月半ばですから,ちょうど中秋の名月あたりの晴れた夜のお話しと考えられます。

「チンチロリンと,松虫が鳴いています」
「チンチロリン」は,唱歌「虫の声」に出てくる松虫の鳴き声です。「虫の声」が出来たのは,1910年(明治43年)。小学唱歌として誕生していますから,この年から全国小学校で歌われたことになります。新美南吉が生まれたのが1913年(大正2年)ですから,きっと南吉は小学校でこの歌を何度も何度も口ずさんでいます。それがその「ごんぎつね」の一こまに登場しているように思えます。
「ごんぎつね」は江戸時代の話しのようですが,作者の位置する大正・昭和時代が顔を出していて,こういうところは,面白いなぁと思います。

素材研究というのは,教えることを考えずに,一人の人間として考え調べていく作業です。ここが分厚くなると,授業で子ども達から出てくるいろいろな意見や感想をしっかり受け止め,そこからちょっと深い世界へと案内することが出来ます。「受けの授業」が出来るのです。
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道中,読んでいたのは『西遊草』(清河八郎)です。
お茶の葉を選び取る女の子が,時々,手を口に付けていたので,それを「まずきありさま」と書いていました。
でも,上品の茶には羽を使って選び,手を使わないので,「さもありなん」と一言書いていました。
こういう一こまは,良い勉強になります。少し遠いのですが,祝儀袋の水引の一方が赤くなっている話しに通じています。

『道徳のチカラ』が届きました

10月からは,嬉しいことがたくさん続くのですが,『教師のチカラ』の最新号の表紙に素敵な写真が映っています。城ヶ崎滋雄先生が指導中の写真です。表紙をめくった巻頭ページには,その写真が大きく写っています。
教育雑誌の表紙や巻頭に親友の先生が出てくるのは,やっぱり嬉しいですね。

今日は,『道徳のチカラ』が届きました。
表紙には宇佐美先生のお写真が。これもまた,嬉しく思いました。

b8539_400こういう雑誌で教育の最先端を走っている先生方にも,今回出た上嶋惠先生の『3ステップ「聞く」トレーニング 自立と社会性を育む特別支援教育』は,読んで欲しいと思います。
教師の世界に限らず,同類の人がたくさんいると,あれこれとグループができます。グループを意識していなくても,気のあった仲間ができ,自然にグループが形成されていきます。
そうして,読む本も,次第に自分に近い存在の先生の本を多めに読む傾向になります。
私自身もそうでしたので,今,最先端を走っている先生も,同様な感じだと思います。
それでも,時々,見知らぬ世界を拓いている先生の本を読むと,多いに勉強になります。

若い頃,見知らぬ先生の本だけど,読んで大きな影響を受けた一つが,東京書籍から出ていた『算数が好きになる考え方』(高森敏夫)です。
後半に出てきた,「反復練習だけで計算力が身につくか」という論考には強く感動しました。これが,戦前の藤森良蔵先生の桃太郎の繰り返し理論に相乗し,一つの理想的な指導の姿として,「理解が伴う反復提示」が私の意識に上るようになりました。教材の作り方も次第に理解重視になり,理解させつつ繰り返し提示できる教材作りとなりました。
この意識をマックスに具現化したのが,私のつくっている算数ソフトです。

上嶋先生の『3ステップ 聞くトレーニング』を読んだ先生の中には,大きな衝撃を受ける先生もいると思います。
私が今現役だったら,きっと指導の基礎として自分の持ち味に加味していくと思います。そうして,藤森先生や高森先生の本と同様に,上嶋先生の本も非常に嬉しい一冊になっていくのだろうと思えています。良い本です。
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ゆっくりとしたペースで『西遊草』(清河八郎)を読んでいます。
この本の中に,女性を上り下り共に通さない関所がでてきます。そういう関所は,関所近くの宿場に泊まり,夜が明ける前に通過すればOKと出ています。関所のイメージが豊かになりました。
明日,宇都宮へ行くので,道中,楽しみながら続きを読みたいと思っています。

今月から,嬉しいことがたくさん続きます!

b8539_400今月から年末に向けて,うれしいことがたくさん続きます!

まずは,さくら社から『3ステップ「聞く」トレーニング 自立と社会性を育む特別支援教育』が発売になります。
著者は,上嶋 惠 先生です。
大阪の先生で,非常に志の高い方です。
何しろ,小学校に勤めていましたが,軽度発達障害のお子さんのためにと,32年勤めて退職されました。そうして,そのお子さんための教室を開き,日々指導にあったいるのです。
本来伸びる力を持ちながら,適切な指導がされないために,伸びきれないお子さん。そのお子さんが大きく前進できる道をつくるために決断実行されたのです。感服します。

嬉しいのは,上嶋先生の指導に共感された方が,大阪や奈良に同じ教室を開き,その活動の輪が着実に広がっていることです。
そういう本当に力のある先生の本を,さくら社から出すことができました。
聞く力をしっかり付ける上嶋先生の指導を,この本から皆さんにもお伝え出来ればと思っています。
書店に並びましたら,ぜひ,手にとってご覧ください。

嬉しいことの2つめは,今月の月末にやってきます。
私の算数の本が31日に発売になることです。
きっと,この本はたくさんの子の算数力を向上させると思います。

3つ目は,11月頃に児童書が2冊でる予定です。その内の1冊は,図書館向けの本です。

4つ目は・・・・。その時が近づいたら,じゃんじゃん書いていきます。
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おまけです。
現役の時に使っていた算数のグッズです。
ポインターペンに強力磁石を付け,赤と青のマジックで色つけをしています。
さて,これは何の単元で使った教具でしょうか。
パッと見て,分かる先生は,算数通ですね。

 

上嶋 惠先生の『3ステップ 聞く トレーニング』,実にいいですね!!

b8539_400話しを聞く子,話が聞ける子に育てたい!
そう思ったら,断然,この『3ステップ「聞く」トレーニング 自立と社会性を育む特別支援教育』をお勧めします!

クラスの中には,話を聞いていない子がいますよね。でも,当人は聞いていると思っています。
このズレ,ここを「どう話すか」と即行でのアイデアは先生方もあれこれたくさんお持ちだと思います。
この『3ステップ「聞く」トレーニング』には,このズレを根本から直そうする取り組みが書かれているのです。話しを聞く子に育てていくトレーニングが記されているのです。
読んでなるほどです。

ステップ通りに学んだ子の成績が見違えるほどあがったり,人間関係がよくなったり,そんな事例も紹介されていて,その成果にも驚きますが,それ以上に,納得度が大きいのは,3ステップの内容です。

ステップ1は「『聞く』態勢を作る」です。
床に寝るトレーニングをします。
本の表紙に寝ている子がいますね。これを練習します。
私流の見方をすると,これは寝た姿勢で立腰をしているのです。なるほどと思ったのは,あごを少し引くようにする指導が示されていることです。
あごを引くと,上体の良い姿勢がつくり出されます。その上,ありがたいのは,心が落ち着くメリットがあることです。何しろ,あごが上がると態度が横柄になります。そういう心にならないように,仰向けの姿勢で正していくのです。こういう大事なポイントを見落とさず直しているので,自然,心が落ち着いてきます。
勉強になります。

ステップ2は「確実な『聞き取り』」です。
紙に落書きをさせるのですが,指示を聞いていないとできません。そういう落書きです。
それから,番号打ち,線つなぎなどと続きますが,これも指示を聞いていないとできません。
感心したのは,このステップ2での指導内容です。
やること自体は誰でも確実に出来ること内容になっています。ですので,そこに頭は使いません。
頭の使い所は指示を聞くその時になっているのです。聞くその時にだけしっかりと意識を集中すればできる,という指導なのです。
こういうスポットの当て方,多いに勉強になりました。実にいい指導です。

ステップ3は「いつでもどんな指示でも」です。
ここが凄いです。単に聞くのではなく,知的聞き取りになっています。
ここを読むだけでも,明日から教室で5分ずつでもレッスンをしたくなってきます。
そう感じたら,是非実行してみてください。
アレンジすれば,自分の学級なりのオリジナル聞く指導が生まれてくると思います。
効果の出方には速い遅いがありますが,クラスの雰囲気が変わってくることが容易に予想できます。
意思の疎通が良くなるので,人間関係がしっくりしてくるのです。

この本,今日,アマゾンに出ました。ぜひ,ご覧ください!