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『小学修身訓』が読んだ本に出てきました

b8348何を思ったか,この本を急に読みたくなり,読みました。
学習指導要領は国民形成の設計書』です。

明治以降の指導要領の変遷を,通史として学ぶことができます。
これ一冊読めば,かなりわかるので,たぶん大学のテキストではないかと思います。
指導要領変遷のあれこれが書いてあるので,知らないところを確認するときに,この本は便利です。

戦前と戦後。面白かったのは,やっぱり戦前ですね。
特に,教育勅語が出てくるまでは,道徳をどうするかでかなりヒートアップしていたことが書いてあり,なかなか面白かったです。
西洋文明を重視すると道徳軽視となり,世の中の混乱を見ると本来の日本道徳の重視が叫ばれます。そうして,最終的に日本道徳をしっかり教えようとなっていきます。

その近代日本の道徳のはじめの一歩的位置に存在しているのが,西村茂樹氏の『小学修身訓』です。
『小学修身訓』についても,この本には出ていました。
そこを読んだとき,オッ!と思いました。
なぜなら,自分も持っているからです。
作法の研究をしているとき,この本は外せないと思い,神保町の古本屋で買い求めた一品として,今,部屋の本棚に積んであります。

この『小学修身訓』は,教科書です。
それもちょっと変わった教科書です。
児童が声に出して読み上げ,暗唱してけるように作られた教科書なのです。
このスタイル,野口塾に参加している先生は,オッ!と思いますよね。
野口先生の『言葉と作法』が,読み上げることで指導していくスタイルになっています。
青森の駒井先生の「素読指導」も,読み上げる指導です。
さくら社の『日めくり論語』も,日直が読み上げ,クラスがいい感じになっていくと知らされています。

そうして,この読み上げ暗記するスタイルは,文部省が初めて作った道徳教科書『小学修身書』にも引き継がれました。
近代道徳の始まりは,読み上げだったのです。

近代道徳草創期の教科書と,現代の道徳教育の一翼を担っている野口塾の指導法が重なっています。
読み上げる指導は,「不易流行」の不易なのです。

7月26日の野口塾in南平での私の作法の話で,ここのところをちょっとお話しするかもしれません。
興味のある先生,ぜひ足を運ばれてください。
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