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吉田松陰の漢詩

立志尚特異  立志は特異を尚(たっと)ぶ,
俗流與議難  俗流は與(とも)に議し難し。
不顧身后業  身后(しんご)の業を顧(おも)わず,
且偸目前安  且つ目前の安きを偸(ぬす)む。
百年一瞬耳  百年は一瞬のみ,
君子勿素餐  君子素餐(そさん)するなかれ。
              (『吉田松陰全集』山口県教育会)より)

  安政5年(1858)の春,松下村塾に山田市之允(当時15歳)が入塾。それから2ヶ月ほどした6月,松陰が扇に書いて,山田に与えた詩です。そして,翌年の10月,松陰先生は獄死しました。

  今は,NHKのドラマによるものか,かなり意訳された読みが広まっています。

立志尚特異 (志を立てるためには人と異なることを恐れてはならない)
俗流與議難 (世俗の意見に惑わされてもいけない)
不思身後業 (死んだ後の業苦を思い煩うな)
且偸目前安 (目先の安楽は一時しのぎと知れ)
百年一瞬耳 (百年の時は一瞬にすぎない)
君子勿素餐 (君たちはどうかいたずらに時を過ごすことなかれ)  
                (ウィキペディアより)

  どちらにしろ,強い立志を促す力を感じます。
  
  志が強いかどうかは,「リーダー」であるかどうかによると,私は思っています。どんな小さいグループでも,リーダーは何らかの方向性を考えざるを得ず,自然と志が形成されていきます。
  その志が大きいかどうかは,「時流を見る力」によります。時代の寵児と言われる人は,やっぱり大きな流れを感じ取り,それに逆らわず,そこに自らの才覚を生かそうとします。流れに合わせるのですから,次第に志も大きくなってきます。
  「百年は一瞬に過ぎない」と松陰先生が言っています。時代の行く先を見つめて,今をしっかり進むことです。ささやかですが,私の志も大きくなっています。

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