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事前学習法,6年「縮尺」でもすごい効果!

フェイスブックに「事前学習法研究会」があります。
二十代,三十代の先生方が10名前後参加している小さなグループです。

丸岡会長が,5年の「平均」で大きな効果を上げたことをグループ内にアップしたら,その後続けて,藪田先生が,6年の「拡大図と縮図」で成果があったとの報告がアップされました。
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b8291藪田先生曰く
6年生の「拡大図と縮図」でも大活躍です。
本日、縮尺の学習をしました。1000分の1のソフト→桃太郎道場→2000分の1→桃太郎道場…と繰り返し、木の高さ・川幅にいきました。
何度も計算をするので、子供は、どう考えていけばよいのかをつかむことができます。
教科書問題で混乱してしまった子がいました。しかし、「先生、もう一回パソコン見せてください。」と言って、再度挑戦しました。もちろん、解けました。

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縮尺の学習は,なかなか大変なところです。
でも,意図的に,「事前学習」を取り入れたら,教科書問題で躓いた子に効果が出ました。
「ソフトをヒントにして,解決できる」と,その子は思ったのです。

これは,新しい発見です。
先生がヒントカードを与える従来の方法と,質が違います。
子どもが,自分から,ヒントを見つけたのです。
躓きやすい子には,このヒントを見つける力は大事なポイントかもしれません。
そう考えると,藪田先生は,躓きやすい子に「ヒント力」を付けさせたととらえる事が出来ます。

自分でヒントを見つける力が,混乱した子の頭にわき上がってきたのです。
この子,ヒント力を自覚したら,伸びるでしょうね。

藪田先生の実践,
1,「本時の事前学習」
2,「ヒント力」のUP・自覚
となりました。
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このブログを書こうと思った時,第3報が山﨑先生から届きました。
始まったばかりの「事前学習法」の実践的研究。
スタートから,すごいです。

事前学習法,5年「平均」ですごい効果!

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事前学習法+算数ソフト=驚異の成果

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こんな図式が見え始めました。

2学期から,事前学習法がスタートしました。
事前学習法を取り入れて実践しているのは,二十代,三十代の若い先生方です。

今日,その第一報が届きました。
その後,すぐに,第二報も届きました。
どちらも,算数の実践ですが,驚異的です。

まずは,第一報をご紹介します。
丸岡会長発です!
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b8292本日、算数での事前学習法に取り組みました。
五年生で単元は「平均」です。
事前学習法と、横山先生ソフト、ものすごい効果を感じざるをえませんでした。

今日は
「次はこんな勉強するんやな~って感じをみんなに知ってもらう授業するよ。」
ってことでスタート。
教室のテレビでソフトを写しているのですが、ちょっと画面が小さい。
そこで、机を下げていすだけを持ってきて、手には何も持たせずに集めました。
次々とソフトをただ見せていきます。
途中子どもとやり取りしながら、読ませたり予想させたりはありました。

25分くらいで平均のほとんどをソフトで学習することができてしまいました。
(PCトラブルで10分経過)
最後の10分で学習のまとめを書きました。指示は次の通りです。
「今日学んだことを自分でノートにまとめてごらん。」
抽象的な指示でした。
しかし、どの子も単元の終わりのようなまとめでした。
かなり学力がしんどい(一学期算数単元テスト30~40点程度)の子も同じようにまとめることができていました。
こちらの細かい指示はありません。自分の力です。
これで、教科書の学習に入る前に子どもたちの格差がなくなったことになるのだと感じました。
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「平均」の算数ソフトは9本あります。
これを,単元の冒頭で,順次見せたそうです。
ソフトを見たのは,25分ほど。この間,教科書はまだ開いていません。
ソフトを見ながら,ああだ,こうだと,子ども達とのやりとりです。
それから,ノートに記述。
どの子も,単元の終わりのようなまとめを書いたそうです。

最も重要なことは,「平均」に対する子ども達の学力差をぐっと縮めることに成功したことです。
学力のしんどい子も,他のこと同じようにまとめを書けたことが,それを物語っています。

丸岡先生曰く
格差がなくなったので、
いわゆる思考力を鍛えるような授業にもチャレンジできるのでは
という可能性を感じました。

新しい算数の指導がここから展開されそうです。楽しみです。

単元全部の算数ソフトを先に見せる方法を,初めてやって見せてくれたのは,中嶋先生です。
3年生の分数で,テストの平均点は限りなく100点に近かったそうです。
これを,「事前学習法」で意図的に取り組んだのが丸岡先生です。
その結果,
1,子ども達の「単元学力差」が激減した。
2,単元の体験をしたので,「考える力」を伸ばせそう。
となりました。

これを,事前学習法の「丸岡モデル」として,見つめていきたいと思います。
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第2報については,また,後ほど。

 

『私の作文教育』を再読

b8361電車に乗る用事がありました。
今日は,『私の作文教育』を選び,鞄へ。

「粗大な(おおざっぱな)印象による感想を書かせてはならない。小さい箇所まで見える読みかた,疑問の理由が自覚できる読みかたをさせるための作文なのである。」(p66)
傍線を引き,二重丸を書きました。
納得する内容が次々に出てくるので,電車が降りる駅に付き,ドアが開いてあわてて下車ということになりました。

車中で本を読んでいると,途中でちょっと眠くなってくることがあります。そんなときは,無理をすることなく,軽く眠るようにしています。
『私の作文教育』は,そういうことが必要ありません。
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ウキに私の名前がありました。
誰が書き込んでくれたのだろうかと思いめぐらすと,思い当たる人が浮かんできます。
でも,本当にその人かどうかは,わかりません。
どなたかわかりませんが,私のことを気にしてくれた方だということは,確かです。
感謝しています。

 

3年生の「あまりのあるわり算」のソフト

今週末は,第5回 教育の原点セミナーです。
1年ぶりの開催で,今回は国語一色です。
お近くの先生,ぜひお越し下さい。
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b82933年生で初めてわり算を学びます。
あまりのないわり算は,かけ算九九の裏返しですから,答えがスッキリ見つかります。

ところが,あまりのあるわり算となると,ついついあまりが多くなったり,商が大きすぎたりと,思わぬミスが起こりやすくなります。

そんなことが想定出来る先生は,ぜひ,算数クラウドの3年「わり算(2) あまりのあるわり算」の「06 ,計算練習/まちがっているのはどれでしょう」を使ってみてください。

上の画面のように,4問全部の式と答えが見えています。
パッと見,どれも正解っぽく感じます。
でも,よく見ると,微妙に違っていることがわかります。

「合っているな」と思ったら,○をクリック。
「間違えだ」と思ったら,×をクリックします。
これだけのことですが,2回目,3回目になると,目が肥えてきます。
まず,あまりとわる数を比べるようになります。
また,わる数と商をかけて,わられる数より小さいかどうかを見比べるようになります。
やっている内に,こういった感覚が養われるので,このソフト,なかなかいいなと思っています。

下の段の画像を見ると,誤答の場合には,正答が赤で示されています。
これを見ると,微妙な誤答を用意していることがわかります。
こういう微妙な問題が,カバをクリックすると,どんどん出てきます。
繰り返し,何問でも取り組むことが出来ます。これも,嬉しいところです。
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今日は,ちょっとお願い事があり,大分県の古城校長先生に電話をしました。
急なお願いだったのですが,こころよくひきうけてくださいました。
ありがたいなと思いました。

小石川大神宮での勉強会

b8294立志舎の勉強会が小石川大神宮で開催されました。
そのオープニングは,開校奉告祭。
神社の本殿で厳かに行われました。
つくづく思うは,現代作法の根っこの部分がここに存在しているということです。
その厳かな気持ちのまま,勉強会の会場へ移動。
神主さんのお話の後に,「お行儀」の話をさせていただきました。

この勉強会は,保護者の見守る中,子ども達が勉強をします。
ですので,私の話は,「行儀の良い人,悪い人。どちらになりたいか」という選択から始めました。
なりたい方を紙に書かせ,それを保護者の方に見てもらいます。
子ども達は,ちょっと恥ずかしそうに,またちょっと嬉しそうに「良い人」と書き,それを読んだ保護者の方は,その選択を目頭が熱くなる思いで受け止めてくれました。
親が喜ぶことをすること。それを「親孝行」と言うことを伝えました。

その後は,「姿勢の実技と一言講話」「返事の実技と一言講話」「くつの脱ぎ方実技と一言講話」・・と進めました。
一つ一つは,高が知れた作法です。
ですが,そこに横たう意義を伝えると,伝統的な作法の大切さがよくわかります。
立志舎の勉強会。とても充実した会でした。

閉校後は,関係者で会食。
その中に,神主さんもいらっしゃり,いろいろとお話を伺うことが出来ました。
私にとっても,とても充実した会になりました。
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3年の漢数字を算用数字に直すソフト

明日は小石川大神宮で「お行儀」の話をしてきます。
その準備が終わったので,算数について,あれこれ考えていました。

b8295今回は,「漢数字」について,考えました。
小学校3年生になると,漢数字も勉強します。
「二百四十六」を見て,算用数字に直す勉強もあれば,その逆も勉強します。

「二百四十六」も「246」も,どちらも,「ニヒャク ヨンジュウ ロク」と読むのですが,漢数字には,「百」「十」と,特別な数字が用いられています。
ところが,算用数字は,そのような特別な数字を用いずに,表しています。

このちょっとした差を,簡単に通過できる子もいますが,気になる子には,気になります。

そういう時には,「算用数字は重なっている」(数の重層構造)と考えて,その重なりをずらして見せるようにします。ちょうど,下の画面のように。
これを見ると,漢数字と算用数字の構造(しくみ)が同じなんだと,すぐにわかります。
見てすぐにわかる状態を作れたら,算数はかなり着実に進みます。
ここが出来ないと,何人かに躓きを体験させることになります。

ところで,漢数字ですが,皆さんもご存じの通り,中国生まれです。
2500年ほど昔の書物にも,漢数字が出てきているので,かなりの歴史があります。
この漢数字に,「二四六」という表し方もあることを皆さん,ご存じですよね。
小学校の算数では,この書き方を教えないのですが,これって,教えなくていいのでしょうか。

その「二四六」という書き方ですが,案外歴史は浅く,三百年ほど前に出来たとされています。
梅文鼎という人が『筆算』を著し,そこで使われたのが初めだそうです。
2500年以上も昔に,「二百四十六」という表記が使われ,その改良型が出たのが1693年です。
長い間,「二百四十六」をもっと簡略して書こうという気持ちになった数学者がいなかったのですね。

「二百四十六」を「二四六」と著すことが,単なる簡略ととらえていいかというと,そうもいきそうにありません。
なぜなら,「二四六」には,「位取り」の意識があるからです。
「二百四十六」は,ちょっと間違えて,「四十 二百 六」と書いたとしても,それなりに246だとわかります。
しかし,「二四六」は,そうはいきません。順番通りに書かないと,意味が通じません。
「数字を配置した位置に意味を持たせる」という約束の上で成り立っている形式なのです。
インドの位取りが輸入され,そこからヒントを得たのだとは思いますが,それでも,漢字表記の数表現に位取りを導入したのは,画期的なことです。

こんな風に考えると,「二百四十六」を「246」と書く勉強は,質の違う表し方で表記する学習なのだとわかります。
「算用数字は重なっている」と考える思考は,この質の違いを結びつける働きをしてます。