6月中旬頃,発売になる『3D 日本地図めいろ』の表紙が届きました。
普通に見ても,デザインの力で立体的に見えています。
今回の3Dは,そういう「立体的に見える」という3Dではありません。
本を買うと,3Dメガネがついてきます。
その3Dメガネをかけて,この本を見ると,めいろなどが「浮き出す」のです。
浮かんで見えるので,指で触ると,めいろがつまめるような気持ちにもなってきます。
こういうことは,いくら解説をしても,伝わりませんね。
実際に,3Dのメガネをかけていただいて,この本を見ていただくと,「なるほど!」と納得していただけます。
そうすると,フッと気になることが出てきます。どうして浮いて見えるのか,その仕掛けが気になってきます。
色かな?
そんな風に思うのですが,どうにも分かりません。
発売は来月です。その日が来ましたら,また,お知らせします。
1より小さい分数で割ると,商が元の数(わられる数)より大きくなります。
そんなことを楽しく学べるソフトです。
画面をご覧ください。
1/2で割ったら,商が大きくなっています。
数も大きいのですが,面積も大きくなっています。
「大きくなった!」と実感できます。
視覚的に大きくなったと実感させたら,わり算の「日本語的読み方」を,ちょっとしてみるといいです。
「1+3」のようなたし算は「1と3を合わせると」と,日本語的な読み方をします。式通りに言うと,「1 合わせるよ 3」と言うことになりますが,このように言うと,日本にやってきた外国の方のように感じられてきます。
式の持つ文法と,日本語の文法の順が違うので,こういう現象が起こります。
同じように,「50÷1/2」を日本語で言うとどうなるでしょうか。
子ども達に考えさせても良いと思います。
たし算の流れで,「50を1/2にわけると」と,思いついきますね。
でも,「1/2にわける」というのは,どうもピンと来ません。感覚がつかみにくいです。
そこで,もう少しつっこんで頭を働かせてみましょう。
「÷3人」と書いてあれば,求めるのは1人分です。
「÷5皿」と書いてあれば,求めるのは1皿分です。
わり算は,1当たりを求める計算なのです。
「9÷3=」は,「3の時9なので,1の時はどうなりますか」という意味です。
「20÷5=」は,「5の時20だったら,1の時は幾つかな」という意味なのです。
同様に,÷分数も考えます。
「50÷1/2=」を
「1/2の時50だったら,1の時,どうなる?」と言い換えたら,どうでしょう。
確かに商は大きくなると感じますね。
こんな感じに,わり算を和的に読み替えてみるのも,なかなかいいものです。
※このソフト,DLマーケットでダウンロード購入できるようになりました。
便利になって,良かったです。
※ソフトにも右の画像を入れたかったのですが,ちょっと説明を要するので,載せるのを止めました。ですので,いつか,友達の先生にお話ししたいと思っています。
チーム算数の開催日でした。城ヶ崎先生,佐々木先生と私の3人です。
城ヶ崎先生からは,トラぶった子への指導。
佐々木先生からは社会の暖かい地方の暮らし。
わたしからは,来月,ほるぷ出版から出る『3D日本地図めいろ』の最終校でした。
3Dの日本地図めいろは本になる前の印刷物です。
それを開いて,城ヶ崎先生・佐々木先生に見ていただきました。
見るときには,特性の「3Dメガネ」をかけます。
それを見た途端,佐々木先生が「赤・青のメガネを使ったことがあるけど・・・」と話してくれましたが,メガネを掛けたら「オーッ!」でした。城ヶ崎先生も,「オッ,これすごい!」でした。
付録としてつく「3Dメガネ」は,レンズ部部が透明です。赤・青のタイプではありません。
大変特殊なメガネで,これをかけて本を見ると,めいろなどが浮き出るのです。
どうして浮き出るのか? それは企業ひみつということになっています。
佐々木先生は,きっとこういうのが好きだろうと思っていたら,案の定,「これが教室にあったら,みんなビックリするよ!」と興奮気味に言っていました。
本の完成が6月中旬です。
来月のチーム算数で,両先生にプレゼントしたいと思っています。
来月のチーム算数は22日(土)と決まりました。
城ヶ崎先生が『論語』を持ってきました。朝日選書の論語です。
これは,私が愛読している本なので,うれしさがこみ上げてきました。
せっかく論語を持ってきてくれたので,儒教の話しを少ししました。
そこから,儒教・仏教・神道の違いについて,ざっくりと話したら,「分かりやすい!」と城ヶ崎先生から感想を頂きました。
この違いを理解すると,生活指導の根本がかなり明確になってきます。気がつくと,道徳を日本的に指導できる先生になっていくと思っています。
東京駅近くにある丸ビルで酒席があったので,道中,『日本語(下)』を読んでいました。
本を読むスピードは,かなり遅いようです。
1冊読み終わるのに何日もかかります。急いで読むと,美味しいところを素通りするので,そんなもったいないことはできないと,頭が追い付くスピードで読んでいます。貧乏性なのかもしれません。
この本,日本語の本なのですが,下巻にも算数のことが載っていました。
分数です。
2/3を日本語では「3分の2」と下から上に読みますが,英語では「two thirds」と,上から下に読むのだそうです。
分数を上から下に読むようにしたら,縦書きの文章と同じ流れになるので,それはごく自然な読みの形になります。
そうなると,「2の3分」「2を3分」などという読み方になり,その意味がかなりつかみやすくなります。それだけでなく,2÷3にもつながりやすくなります。
金田一先生はそういう読み方にしたら・・と書いてくださっているのですが,算数の世界には届いていないようです。
もともと,分数は中国から輸入した概念です。
ですので,「三分之二」などと書いてある書物から学び,日本語として「三分の二」と読ませていました。
日本書紀にも,方丈記にも,江戸の書物にも中国学びの分数表記が登場しています。
そうして,明治になり,欧米の2/3という表記が輸入されました。すでに,読み方は中国流があるので,それをこの表記にバシッと当てはめたのです。
そうしたら・・・。なんと,下から上に読むことになったのです。
算術用語が決まっていくまでの間には,きっと,下から読んだら変だよ!という意見もあったと思います。
思い切って,欧米風に上から読もうといった声もあったろうと思いますが,当時の国内は「漢文崇拝」です。漢文では,返り点を使って下から上に読むのはごく当たり前のことです。違和感も少なかったので,いかんともしがたかったのだろうと思います。
はっきり分かったことは,読みは中国流,表記は欧米流というのが,今の分数の姿ということです。
この中洋折衷が下から読む原因なのです。
明日は,ひさしぶりに喫茶「さぼうる」で打ち合わせをするので,この本の続きを読みたいと思っています。
1より小さい数でかけると,積は,元の数より小さくなります。5年生の時に,小数で勉強してきています。
同様のことが,分数でも起こるので,それを勉強するソフトを作っています。それが,ほぼ完成してきました。
「見ている内に分かる」アイデアが2つ盛り込まれています。
1つは,積が面積として大きくなったり,小さくなったりすることです。
これは見ているだけでも楽しいです。
直観的に,「そうか!」と伝わってきます。
2つめは,縦棒の長さでかけられる数と積とを見比べられるようにしています。
こう書いている内に,一つ機能を盛り込みたくなりました。
それを今,作り込みました。
ですので,ダウンロードできる時には,[?]ボタンが1つ増えています。
あると嬉しい機能を盛り込みました。
ダウンロード販売できるように,進めていきます!
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「見ている内に分かる」という状態が,どれほど子ども達を救えるか。
これは,算数ソフトを使う算数の授業の大きな研究課題です。
できない子へ,だれでも対応できる授業がそこに現れるからです。
最も重要なことは,見ている内に「何かに気付く」ことです。
こうでしょう,と教えられて分かるのではなく,自分で気付くことです。
この自分で気付く瞬間を迎えることこそが,算数の理解で最も重視する所です。
城ヶ崎先生は,4年生のわり算の筆算で,「九九のできない子」がわり算にチャレンジしてくる指導を展開しました。
もちろん,『子どもが夢中で手を挙げる算数の授業』の4年4巻を使ってのことです。
九九ができないので,わり算の筆算の「立てる-かける-ひく-おろす」の中の「たてる」だけをその子にどんどん答えてもらったそうです。
そうしたら,そこだけ注目すればいいので,次第に立てる数が分かってきたそうです。
その上,毎度,×1,×2,×3・・・と順に口にしていたのですが,途中から,×3から口に出すなど,「探索的思考」ができるようになったのです。
クラスの子も,その子を褒め・認めます。1時間の間に成長している姿に拍手を送ります。
親和的な良いクラスなのだと伝わってきます。
そうして,何倍を答えるテストをしたら,なんと6割も正答したそうです。
本人にやる気が出てきたので,伸びが始まったのです。嬉しいことです。
◆ 部分的に取り組む
◆ 集中して繰り返す
これが,「気付く」瞬間を迎えさせてくれます。
この瞬間がやってきたとき,「私もできるかも」を感じてきます。
すると,これまで算数に感じていた「暗さ」が,急に「明るさ」を持ち始めます。
「勉強したい」という気持ちが誘発されてきます。
その気持ちの流れに合わせて,導いてあげれば,伸びていきます。
運動会の代休で,城ヶ崎先生がお休みだったので,いつものジョナサンで「臨時・チーム算数」を開催しました。
城ヶ崎先生と話していると,内容が濃くなるので,とても面白いです。
今日は,悪いことをした子を叱る場面での対応の話しがでました。
どう対応するかを考えるに当たり,知っておいた方がいいのが,論語の一節です。盗みをした父のことを法廷で正直に言うべきか,言わない方が良いかという,あの場面です。
その絵を描いて話したら,さすがは城ヶ崎先生。「その絵の中の子どもの位置こそ,教師の位置なのだ」と解悟していました。
さらに,「反省」がどういう経緯で心の中に生まれるか。
それには,子どもにどう応じたらよいか。
重要な中心となる考えが話題になり,とてもいい勉強になりました。
また,教えるためには,どういう状態をまず作り上げなければならないかも話題になりました。
充実しました。
算数ソフトも1つ御披露しました。
分数×分数のソフトです。
かける数が1より小さくなると,積は元の数と比べてどうなるか,ということを理解するソフトです。
面白い仕掛けを盛り込んだので,城ケ崎先生も笑いながら,「これ,いいですね」と言っていました。
うれしい限りです。