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「立腰」先生

姿勢の良い先生きりっとしたした姿勢で座っている先生を見かけると,「ああ,良い姿だ」と嬉しい気持ちがわき上がってきます。
写真の先生,背もたれにもたれていません。
自然な状態で,このように座って,受講されていました。

江戸時代までは,畳や座布団の上に座っていたので,生活の中に「背もたれ」がありませんでした。
必然的に,座った時の上体は,誰もが自分で支えていました。
「立腰」が自然に行われていたのです。

明治になり,学校が出来,会社が出来,次第に椅子に座る場面が増えてきました。
きちんと上体を保っていた人も,少しずつ椅子にもたれる楽な座り方「曲腰」を覚えました。
でも,まだ大丈夫です。家庭に椅子が滲透していなかったからです。
ところが,戦後,洋風化が一気に進みました。
家庭でも椅子の生活が普通になり,小さい時から背もたれにもたれるのが,普通の姿となりました。
日本人の多くは,生まれた時から,「曲腰」の生活をするようになったのです。

小学校の先生は,10年前から全員が戦後生まれとなっています。
立腰で椅子に座っていられない先生が大多数になりました。
これも,時代の流れなので致し方ありません。
でも,そんな中,写真の先生のように「立腰」で座る先生もまだまだいらっしゃいます。
神戸の野口塾では,澤口先生,西村先生,関田先生,丸岡先生がとくに際だっていました。
私もしっかり立腰をして,日本人らしい座り姿を広めたいと思います。

道徳は自分自身を律するところから始まるのです。
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