Category Archives: KENYA

慶応大学でのケニヤビジネスコンファレンスに行ってきました

b7918ケニヤでビジネス。
それを考えている人向けに,慶応大学で「ケニアビジネスコンファレンス」が開催されました。
365日,仕事をしていますが,意図しない限り,ケニヤでビジネスを考えている方と出会うことありません。
珍しい企画でしたので,最初から最後までしっかり参加してきました。

会場が実にすばらしかったです。
慶應義塾大学日吉キャンパス協生館にある「藤原洋記念ホール」です。
二階席まである落ち着いたすてきなホールでした。

会場の前の方には,ケニヤの方々が座っています。
私はその後ろあたりに座っていたので,見える光景は異国です。

会は定刻9時を少し遅れて,スタートしました。
驚いたのは司会のスピーチ。いきなり英語です。
どこかで日本語に変わるだろうと思っていたら,どうしてどうして,最後まで英語でした。
続く,登壇者も,皆さん英語です。
それが,9時~12時40分まで,休みなしのぶっ通しで続きました。

進行表にも途中休憩が記されていなかったのですが,5分ぐらいはどこかで休みを取るだろうと思っていました。
ところが,ノンストップです。これ,ケニヤの交差点(ロータリー式)と似ています。

ふっと,ケニヤやルワンダの小学校の時間割を思い出しました。
多くは1時間=35分間の授業です。
珍しいのは,行間休み前に3時間ぶっ通し,業間から昼までも3時間ぶっ通し・・・。
こんな具合に授業が進むので,日本の1時間毎に休み時間があるスタイルに慣れている私は,驚きました。
こんなぶっ通し授業を小学校から体験しているから,こういうスケジュールになっていくのかもしれません。

ぶっ通しですから,話のボリュームは大きいです。
たっぷりと話を聞きました。しかし,ほとんど記憶に残っていません。
なぜなら,全部英語だったからです。
それでも,わずかに耳から脳に入る単語と,スクリーンを通して目から脳に届く英語から,こんなことかなと推察しつつ話を聞いていました。

ありがたかったのは午後の一コマの分科会。
たまたま日本語での発表でした。
おかげでいろいろとメモすることができ,いい情報を得ることができました。

一日,英語漬けで話を聞きました。
ケニヤはこれから大きく発展をしていくことが具体的に伝わりました。
さくら社のケニヤビジネスは,ケニヤの発展という大きな流れの中に入り込むので,ますます頑張ろうと思った次第です。

最後に交流会がありました。
そこで出会ったケニヤの青年が,日本語でメールを送ってもいいかと言うのです。
こういう場にくる青年は,みんな地元か先進国の大学を出ています。
また,目的意識を持って日本に来ています。私も好意的な気持ちになります。
どうも,日本語の練習をしたがっている様子だったので,どうぞと答えました。
そうしたら,とても喜んで,友達に話しかけていました。

その日の夜,早速,青年からメールが来たので,わかりやすい日本語で返信しました。
その流れで,LinkedInというビジネス専用のSNSを知り,ものは試しで登録しました。
なんと,英語の竹村先生を発見しました。
世界に出るアクティブな先生は,SNSも違うなぁと思った次第です。
すぐに,友達申請しました。
--
関連記事:

「Interactive Mathematics」ケニヤで1月に発売

b7930「Interactive Mathematics」の開発が順調に進んでいます。
この名前の略称は「IM」です。
発音は「アイエム」です。
この頭文字による略し方は,日本人にはなじみが無いので,少々不便ですね。

若い頃,歌の文句にできた「L.A.」(エルエー)がロサンゼルスと知り,「意外!」と思ったことがあります。
ロスだったら,ロスアンゼルスと導きやすいのですが,エルエーではどうにもなりません。

ですので,「Interactive Mathematics」を「IM」と略しても,今ひとつピンと来ません。
でも,なんだか海外っぽくて楽しいです。

このIMの1年生版,来年の1月にケニヤで発売となります。
作ってきた算数ソフトが,太平洋を渡り,インド洋も越え,ケニヤで教材として販売されるのです。

思えば2年前の今月。
一通のメールが届き,そこからアフリカへの道が始まりました。
それから地道に歩んできたのですが,先月のケニヤ視察旅行で一気に販売へ向かっての気運が高まりました。
面白くてなりません。
アフリカの算数教育に,しっかり貢献できるように頑張りたいと思います。
--
関連記事:


ケニヤの小学校,絶句した壁面

b7924ケニヤの小学校の校舎。
昨日,アップした地図の隣に,この文字が書いてあります。

最初は地図に目が行っていたのですが,それからこの文字を見ました。
もう,言葉になりません。
しばし,絶句です。

エイズについて,もっと知ろう!
賢い君なら,戦える!

こういうことが小学校の壁面にでっかく書いてあるのです。
いったいどういう事なのかと思います。
エイズが子ども達にとっても,身近な恐ろしい敵なのです。

24年間,小学校で教えてきましたが,気迫を込めて病と戦うことを教えたことがありません。
こういう事を喫緊の問題として指導しなくても,ニュースが,新聞が,正しい情報を伝えてくれ,病院が保健所がしっかりと対応してくれているのが日本なのです。
そのありがたみを感じずにはいられませんでした。

ケニヤの国の地図の隣に,こう書いてあることにも,何か意味を感じてしまいます。

写真は久野氏
--
関連記事:

 

ケニヤの小学校の壁面

b7925ケニヤの小学校の校舎です。
これには驚きました。
私の見てきた限りでは,日本の小学校では見たことがないからです。

この地図はケニヤの地図です。
子ども達がこの壁面近くを通る度に,「私達の国ですよ!」と教えてくれています。
こういうのいいですよね。

地図の中には,山や川,湖が描かれています。
都市も記されています。
お隣の国の名前もあります。
知らず知らずのうちに,親しみますね。

この地図を見ながら,なぜ,自国の地図を壁面に掲げているのだろうかと考えました。
その時の比較として,日本ではなぜ日本地図を掲げないのかと思いました。
すると,ケニヤと日本の違いに意識が行ってしまい,国境が地続きだからだろうと思うに到りました。
しかし,これは比較に左右されて導き出されたので,あまりよい考えではありません。

この場合,「考えれば正しい答えに到る」とはならないので,聞いてみようと思いました。
しかし,すぐに別の問題意識が生まれ,すっかり忘れてしまいました。

これが私達の国ですよ。
北海道・本州・四国・九州がありますよ。
富士山はここですよ。
そういった日本地図を壁面に掲げる小学校があったら,いいですね。

写真は久野氏
--
関連記事:

ケニヤの小学校の壁面に学ぶ

b7926ケニヤの小学校の校舎です。
窓の上に,ご覧のように記されています。

黒文字のADMINISTRATIONは管理。
管理のBLOCKですから,「この建物は管理棟です」と書いています。
校長室や事務室,職員室などがある建物です。

オッ!と思ったのは,その次の青文字です。
MOTTO:で始まっています。
この小学校のモットーが「STUDY TO ASCEND」ですよと書いてあるのです。
門にも書いてありましたが、管理棟にも書いてあります。
教える側の姿勢,学校を運営する側の姿勢がビシッと伝わってきます。
こうあるべきだと思います。

ケニヤは独立したのが1963年です。
東京オリンピックの前年です。
ちょうど,この頃からアフリカで独立する国が増えてきました。
それが新聞の記事として載っていました。
独立した国では大ニュースですが,日本の新聞では小さな記事でした。
小学生だった私にとって,その独立の記事を見つけるのが新聞を開く楽しみになっていました。

ということで,ケニヤはまだ独立してから50年ちょっとです。
学校教育の歴史も,その分,浅くなっています。
そういう国の小学校の壁面に,しっかりと勉強をするところだと記している姿勢を見て,教育の原点は学力をつけることなのだと改めて教えられた思いです。

写真は久野氏
--
関連記事:

ケニヤの小学校の校門

野口塾IN神戸では,「アフリカ教育視察」の話をしてきました。
アフリカと言えば,ライオンや象などがいて・・・となるのですが,
私が見てきたのは小学校や教育機関です。
ですので,「アフリカは都会だった」というのが,全体印象です。

そのアフリカの教育現場。
そこを重点的に見て,その状況のすさまじさに強い衝撃を受けました。
この衝撃,もしかしたら,幕末や明治初期,欧米に渡った人たちがうけた衝撃に似ているのではないかとすら思いました。彼らは,先進国の実態を見て,「日本を何とかしたい!」と思ったのですが,私は途上国の実態を視て,「アフリカの教育を何とかしたい!」と強く衝撃を受けたのです。
この衝撃は今回の視察で始まったばかりで,これから先,さらにどんどん加速する形で私に影響を与えるのだろうと思っています。
ですので,今回神戸で話したことは,その衝撃のしょっぱなに位置する,そんな視察の一端です。

b7927右の写真はケニヤにある小学校の校門です。
門の所に学校名がしっかり書かれているのは,日本も同じです。
私は,赤文字で書いてある言葉に驚かされました。
「STUDY TO ASCEND」
studyは勉強。
ascendは昇るとか,上がると言う意味です。
すると,STUDY TO ASCENDは「学力向上」となります。

学校とはどういうところかを,校門で明確に示しているのです。
もし,日本の小学校が同じように書くとしたら,どうなるでしょう。
きっと,「人格の完成を目指す」となるでしょう。
それを校門などに明示したら・・・。
子ども達は何をしに学校に来ているのかを,毎日目にすることになります。
わがままを言いづらくなります。
身勝手をしづらくなります。
来校する保護者の方も,そういう場に足を踏み入れているのだという気持ちになります。
もちろん先生方も目的の自覚が進み,指導に磨きがかかります。

「目的の明示」という,基本中の基本をケニヤの小学校に見ました。
大いに勉強になった次第です。

また,ケニヤの小学校は「学力向上」が目的となっています。
日本は「人格の完成」です。
この違いは実に大きいです。
明治時代の学校は,西洋から輸入した新学力を吸収することから始まったので,学力向上が至上命題です。
ですが,単なるまねごとですませないのが日本人です。
そこに,魂を込めていくように改良していきます。
人の道を学校教育にも組み入れ,学力向上をしつつ,同時に人格も磨いていくという姿へと変貌させてきたのが,日本の教育なのです。

校門に記されているほんの一言の言葉ですが,見逃すことはできませんでした。
--
関連記事: