算数ソフトを使って授業をしたら,子ども達の理解が,格段に違ったそうです。
実際にはかりを見せて,紙の枚数に応じて重さを確認して・・・
これは大変ですし,何を勉強しているのか,焦点がぼけてきます。
でも,ソフトを使うと,矢印ボタンのクリックで,枚数・重さが表示されます。はかりの針の傾きも変わります。
「枚数」と「重さ」。
この両方の数値を同時に見比べることができます。
これが,子ども達の頭を理解へと導きます。
「何かきまりがありそうだ」と,自然に頭が働いてくるのです。
一方が増えれば,もう一方も増える。その規則性は,「10枚につき50g」だ。
こんな事に気がついてくるのです。
実際にはかりをもってきて紙を重ねて見せる場合と,上のソフト画面とを比べると,ソフトの優位性に気がつきます。
ソフトには50g毎の記録が表示されます。
わずか,これだけの事ですが,これが比例の関係を見いだしやすくします。
デカルトの「3事例見せれば,関係が見える」 です。
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紙を100枚重ねると,右側に問題が出てきます。
「枚数」と「重さ」の関係が把握できているので,問題は易しく感じます。
このソフトを使って授業を展開した藤本先生から,次のようにメールをいただきました。
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子どもたちの理解が、格段に違います。自分で問題を解いた気になるのです。
その後、教科書の問題を解かせましたが、少しヒントを与えただけで、すらすらと解くことができました。
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比例の基本的な考え方である,「一方が2倍3倍になれば,他方も2倍3倍になる」 という関係性がしっかり頭に入れば,後はそれほど難しいことはありません。
算数は,こういった単元の規則性(きまり)を,子ども達が自分から見いだしていけるようにすることが,一番重要なポイントになります。
藤本先生の授業は,それに成功したのです。素晴らしいです。
『教師のチカラ』8号の校正が届きました。
かけ算九九のテストで,平均点98.75点を出した渥美先生の実
日頃の指導に,算数ソフトを加えたら,この素晴らしい結果になり
「算数教育」始まって以来の,画期的な変化が起こっているのだと
算数ソフトの果たした役割は,黒板では実便できない「同時認識」です。
「図」「数」「かけ算の式」「たし算の式」
この4つを,「3×1」から「3×9」まで,順次,同時に見ることができます。
そのため,1串3個の団子が7串になるころには・・・・
これは,「3」が7つであり,「3×7」とかけ算では書く。
たし算では「3+3+3+3+3+3+3」とかくけど,ちょっと大変。
こういうことが,頭にどんどん入っていくのです。
クリック一つで,上り・下りの切り替えができるので,頭の中はかなりしっかりしてきます。
算数ソフトが,こういう部分を担ってくれるのです。
その上に,教える先生の力が発揮されます。
かけ算が子ども達にフィットするように指導が進み,素晴らしい成果につながるのです。
九九のソフトについて,一昨日,「算数数学好きを増やす会」のメーリングリストにメールがありました。
藤本先生からのメールです。ご紹介します。
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先日、2年生の教室で、算数ソフトを使って、T1で授業をしました。
6の段です。同学年の先生も、参観され、算数ソフトのできばえに感心していました。
かけ算の算数ソフトは、「○の段、上り下り、練習」の3点セットがそれぞれの段にあります。
●かけ算だけではなく、言葉の式、数量、たし算の考え方が、いつもで切り替えることができることが利点です。 とかく、かけ算カードで練習するときは、かけ算カードだけとなりがりです。 かけ算九九を練習しているときも、時々、言葉の式や、数量に切り替えて、かけ算の意味理解をさせることができます。 また、絵には数字もでますので、わざわざ「6+6+6・・・」をしなくても、かけ算九九を覚えていれば、便利というかけ算の便利さにも気付かせる ことができます。 もちろん、フラッシュカードのように使うことができます。 ●子どもたちが、喜ぶのは忍者です。上り下り九九が言えるようになると、ランダムに問題を出すことができます。 かけ算九九は、まさにかけ算の理解、活用、習熟ができる絶品です。 3年生以上の教室でも、十分に活用できます。 かけ算の意味理解や、便利さを再認識することができます。 ---- 素晴らしいコメントです。 算数ソフトを使った授業のあり方を,この先も研究していきたいと思っています。
「算数・数学を好きにする会」のMLで,ホットな話題として出ているのが,面積の求め方を考えるソフトです。
『子どもが夢中で手を挙げる算数の授業』5年の5巻に収録されているソフトです。
「はさみ」機能を使って,平行四辺形を切り,ドラッグして移動。
これが簡単にできます。図形を最大16分割までできます。
ですので,子ども達の考えた方法で切り取って,動かして・・・とできます。
MLでホットな話題になったのは,画面の一番下にある「再現ボタン」です。
これを使うと,操作したことを再現してくれます。
ですので,「太郎君にやってもらったのをもう一度見てみましょう!」 と,全員で確認することができます。
この「再現ボタン」付きのソフト,平行四辺形の他に,三角形・菱形・台形・いろいろな形と揃っています。これだけ,入っていれば,理解の学習もしっかりできますね。
この「再現ボタン」について,MLで次のように話されました。
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藤本先生
授業後、「あの再現ボタンは、すばらしいです。子どもの考えを生かすことができます」と絶賛されました。どうしても、パワーポイントでは、教師が作ったものを流すになってしまいますが、子どもが見つけた台形の面積の求め方を、値打ちづけることができます。
私も、違う視点で、この「再現ボタンの効果」を再認識しました。
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工藤先生
再現ボタン、すごいですよね。
表示された図形を切ったり、動かしたりするだけでもすごいのに、再現までできてしまうので、校内研の現職教育で先生方に見せたときに、ずいぶんと感動されていた事を思い出しました。
実際の授業では、何度か繰り返すことで、発表した子の思考がぼやっとしていた子にも伝わり、再確認することでいやというほど、記憶に残ってしまう(確かに分かる)ということにつながり、理解度が抜群にあがったという記憶があります。
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藤本先生も工藤先生も,算数ソフトの使い方をどんどん研究しています。
授業力は,「教師の腕」と「優れた道具」で決まります。
変わり方の題材は,旅人算の追いかけるタイプです。
ここでも,「イメージ図」を2種類用意しました。
1つは,問題文通りに先に行った赤忍者を,後から青忍者が追いかけるアニメーションが映ります。
もう1つは,2人のスピードの違いで,初めにつけられていた差を進行するアニメです。
イメージ図から,問題文の意味がつかめれば,グッドです。
難しいとされる「旅人算」も,イメージを理解してしまえば,次からは「あっ,あれね!」と簡単な世界になっていきます。
算数ソフトの優れた点は,ソフトを見ていると,理解が進むことです。
(1) 動きがある!
(2) 類例を見ることができる!
(3) 数と図の同時認識ができる!
これを子ども達が見るのです。
授業に大きな変化が生じます。
どんな変化が生じるのでしょう。
それは,実際に授業で使ってみて,肌で感じ取ってください。
このソフト,来週中には完成予定です。6年の先生,アップされましたら,どうぞご活用ください。
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東京の佐藤先生から電話がありました。
算数ソフトをプロジェクターで映し出して授業をしたら,
すごく良い感じで授業が進んだとのことです。
なにしろ,子ども達が椅子を持ってスクリーンの前に集まり始めたそうです!
こういう現象は,普通に授業をしていたら起こりません。
近づいて,もっとしっかり見たい!という気持ちになったのでしょうね。
嬉しいことです。
また,クリックするたびに,子ども達の頭はフル回転となり,
答えを自分から生み出していたそうです。
やる気満々の授業の様子が伝わってきました。
やっぱり,算数ソフトを「使う」「使わない」では,劇的な違いがでます。
どんどん使って欲しいです。
「変わり方」の追いかけるタイプの旅人算ソフトに登場する画像です。
追いかけるタイプは,両者のスピードの差でわり算します。
その「差」のスピードで動くアニメーションを作り込んでいます。
右の画像が動くのですから,それなりに,面白くなります。
同時に,この画像の意味を考えたくなります。
そうして,何かの瞬間「あっ,そうか!」となります。
子ども達が,それぞれに画面から意味に気がつくようになれば,算数は,どんどん面白い勉強になります。
「もっと!算数」へのアップは,だいぶ先になりそうです。
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11月26日(土)は,岩手県で国語の講演をします。
テーマは 「算数の原理」から国語科の指導を考える です。
なかなか面白いテーマです。
私にぴったりです。お近くの先生,ぜひ,ご参加ください。
ほぼ仕上がりました。
近々,「もっと!算数」サイトにアップします!
ご期待ください!
この問題は,
両方から向かい合ってやってくる「旅人算」です。
この旅人算を「変わり方」(関数)の単元で扱います。
ですから,「表」「グラフ」「式」の世界へと
思考が向かうようにしていきます。
グラフは,この後で学ぶので,
ソフトには,「表」と「式」を入れました。
旅人算は難易度の高い問題です。
黒板に問題を書いて,そのまま解かせると,
子ども達に「分からない!」と強い思いを抱かせてしまいます。
ところが!! 意外なのですが,
「難しい!」とか「分からない!」と思ってしまう問題は,
それをイメージ化したプログラムを見ると,
逆になんだか面白いと感じてくるのです。
プログラムを組んでいる私ですら,面白いと感じます。
上の画面に「歩く」ボタンがついています。
これを1回クリックすると,1分歩きます。
もう一回クリックすると,さらに1分歩きます。
これを見ていると,両方の忍者がどんどん近づき・・・
見ていて楽しくなります。ラブラブとも思えてきます。
また,「2人分まとめて歩いたら」と仮定するイメージ図も
プログラムしました。
2人が一緒に,2人分のスピードで歩きます。ダブルのスピードです。
「歩み寄り」と「ダブル」。
この両方を見比べることができます。
見比べることで,
式で「÷(70+80)」と書く意味が分かってきます。
この「旅人算」の問題を解いて,
「算数って面白い!」と感じてくれる子が1人でも増えてくれたら,
とても嬉しいです。
子ども達を算数大好きにしていきましょう!!