Monthly Archives: 5月 2011

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6年の算数ソフト/点対称2号

  少し,目鼻が立ってきました。

  6年生の点対称の作図ソフトです。

  点対称は180°回転させて重なる図形ですので,作図の時には,頭の中でグルリとしなければなりません。
  でも,そうすると,わかりにくくなったりすることもあるので,中心を通る補助線の考えも利用して,しっかりと作図できるようにします。
 
  その補助線が出るようにしました。
  [?]ボタンが右隅にあります。これをクリックすると,緑色の補助線が出ます。
  点対称の図形を作ろうとして,ちょっと??となった時に,使えるツールです。

  明日の夜中までには「もっと!算数」サイトにアップできるように進めています。
  6年生の先生,アップされたら,是非ご活用ください。

  
  城ヶ崎先生と電話をしたら,体育の時間,グランドで位置を子どもに伝えるとき,「センターラインを対称の軸にして,ここと線対称の位置だよ」と話したら,子どもにスッと伝わったそうです。
  算数の勉強をしっかり進めると,伝達力が高まりますね。
  

    

6年の算数ソフト/点対称2号制作中!

  点対称の2本目のソフトをつくっています。
  親友の奥田先生から「頭ではわかっていても、目が慣れるまで時間がかかる」のが点対称とアドバイスをいただきました。
  ありがたいです。10年ぶりに復活した「対称の図形」。アドバイスのおかげで,過去の授業の光景が浮かんできました。ソフト開発にも元気をいただきました。

  点対称の図形を書くとき,「頂点→中心→解答点」という目が働かないと,正しく作図できません。そこで,そういう補助線が出るように,ソフトを作り込んでいます。
  完成したら,「もっと算数」にアップしますので,初めて点対称を指導される6年の先生,ぜひぜひ,ご活用ください。大先輩の奥田先生のアドバイスが効いているソフトです。授業の役に立ちますよ。

  すでにアップされている,線対称のソフトを,城ヶ崎先生が授業で使いました。
  その授業の話を伺ったのですが,「さすが!」の連発でした。
  作図操作は子どもがマウスで行います。みんなが見ている中,マウスを動かすのですから,多少なりとも緊張します。マウスの動きがぎこちないとき,他の子は「違う,違う,こっち!」などと「日常の言葉」が次々出てきたそうです。
  これを聞いて,「なんともったいない」と思った城ヶ崎先生は,「算数の言葉」を使うように指導しました。
  「上」「右」「対称の軸」,数
  これで子ども達の言い方が,より具体的になり,伝わりも良くなったとのことです。
  学習の雰囲気もグッと良くなったのだなと,話を聞きながら思いました。

  算数ソフトを使うと,指導者にゆとりが出てきます。言葉の指導などもソフトを使っているときにどんどん進めていくと,他の授業でもそれが生きてきますね。
  これも,新しい算数指導の一つの姿です。
    
    
  

6年の算数ソフト/点対称

  点Oを中心に,180度回転させて,ぴったりと重なるのが点対称です。
  [?]ボタンをクリックすると,回転が始まり,重なるかどうかの確認が出来ます。
  SNWの3問へのチャレンジが終わったら,用語の勉強が出来るようになっています。
  また,[2]の部屋に入ると,さらに4問登場します。
  合計7問出来るので,点対称かどうかの感覚はそれなりに高まると思います。

  線対称も,点対称も,どちらにも大切なのは,動く前の残像が残っていることです。紙の教材を作るとき,この残像の用意まで気を配れると,良い教材になります。
  この「残像」の考え方は,展開図にも適用されます。同じ展開図を2枚用意し,1枚だけを組み立て,1枚は開いたままにしておきます。ビフォー,アフター。この両方を同時に見ることで,そのつながりがつかめるからです。

 
  このソフトも,来週中には「もっと!算数」サイトにアップします。6年生の先生,もうしばらくお待ちください。
 
  

アメリカでは,7歳から微分積分だそうです

  千葉大学の大田先生の研究室におじゃましたとき,紹介してもらった1冊が,『アメリカ流 7歳からの微分積分』(ドナルド・コーエン)です。

  正直なところ,この教え方は数学者でないと出来ない方法です。ですが,算数・数学の考える力をいっそう伸ばす考え方が,この本には記されています。

  たとえば,次のように書いてあります。

  「問題を解くには,パターンをまずさがしてみることです」

  同様のことは,元筑波大付属小の正木孝昌先生も『算数の授業で教えてはいけないこと,教えなくてはいけないこと』,「算数的な見方をどうのように教えるか」「きまりを見つける経験をさせる授業」と,記しています。

  コーエン先生は,「何が起こっているか,どういう仕組みになっているか,理解をすることです」と続けています。
  これが,「はじめに」に書いてあるのです。洋の東西を問わず,算数・数学で大切なことは,「きまりを見つける」事なんだと,再認識できました。

  コーエン先生のこの本は,いきなり,無限級数の話から始まります。かなり,くじけそうになりますが,これがわかりやすいのです。大筋の考え方が,読み進めていると分かってきます。
  個人的に,ちょっと嬉しかったのは,所々に出てくるベーシックのプログラムを,ディレクターだったら,こう書くのかなと,プログラム言語変換ができたことです。ですので,事例として示されているいくつかを,いつの日にか,ソフトとして作ってみるのも楽しいだろうなと思いました。
  
  城ヶ崎先生や佐々木先生と話している算数ソフトの授業も,算数的きまりを子どもが見つけ出していく授業なのです。どんどん理解できるのは,「決まりを自分で見いだしている」からなのだと,強く感じます。
  ここから,一歩踏み出すこともできそうです。ソフトできまり見つけに慣れた子は,「算数の問題を見たとき,パターンを見いだそうとする子に育つのではないか」と,コーエン先生の本を読んで思いました。
  算数ソフトを使った授業を通して,たくさんの研究が出来そうです。嬉しい限りです。

5年の算数ソフト/展開図と体積

  展開図を見て,体積を求めるソフトです。

  あれこれ考えて,展開図のサイズを変更できるように作りました。
  変更の仕方は,とても簡単です。マウスで,スライダーをドラッグするだけです。これだけの操作で,展開図のサイズが長くなったり短くなったりと,変わっていきます。

  展開図のサイズが変わるだけでも,十分に算数的なのですが,今回は,これに連動する立体をセットしました。
  展開図の縦が長くなれば,立体の縦も長くなります。プログラムが出来,実際に操作してみると,これが良い感じなのです。面白いのです。立体が細長くなったとき,自分で「へー!」と言っていました。

  5年生の先生,このソフトも「もっと!算数」にアップします。どうぞ,ご活用ください。 

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  「算数数学好きを増やす会」のメーリングリストで,奥田先生が算数ソフトと連動したプリントをご紹介くださいました。PDFです。5年生の先生方のお役に立つと思いますので,リンク先をご紹介します。
   http://www.geocities.jp/y_okkuu/genki/s509-02.pdf
  
  「ソフト」と「プリント」の連動が,奥田先生の手でついに始まりました。
  少しずつですが,新しい算数が動き出しているように感じています。

        日本国中の子ども達が算数好きになりますように!

 

イメージを持たせる

  5年で「平均」を学びます。
  この単元は,新しい概念として「平均」を初めて学ぶ単元です。
  こういう「未知」の概念を学ぶときは,出来るだけ,イメージを示した方が良いです。

  このイメージを,言葉でつかませるか,視覚的につかませるかは,先生方が決めていくことですが,算数は抽象への道を突き進む学問なので,言葉より,出来るだけ視覚的につかませる方が良いです。それも,動的な視覚化がグッドとなります。

  5年の1巻に入っている「平均」では,たとえば,上のように卵のイメージ図が登場します。卵の重さが,卵の高さに切り替わってグラフ化されています。棒グラフが卵になったものです。
  この卵の高さが,クリックすると,ジワーッと平均化されるように,動きます。
  これを何度か見せると,子ども達は平均がどんな概念なのか,感覚として分かるようになります。

  数学の入門書を時々読んでいます。
  入門書といえども,数学です。算数とは段違いに難しいです。
  そんな難しいページにさしかかったとき,読者としての私は,そこで挫折することもあれば,何とか先へ進めることもあります。
  昔は,私の力量の無さによって,そうなっているだと思っていました。でも,最近は,「著者の教え魂」に関わっていると感じています。
  本気で,本の内容を,数学がイマイチの読者に分からせようとしている著者の本は,何かしらイメージしやすいように工夫がされています。先日,おじゃまをした大田邦郎先生の数学の本はその典型です。 

  クラスの気になるあの子が,「先生,平均って,こういうことでしょ!」と,嬉しそうに自分なりの言葉や,ジェスチャーで説明をしてくれたら,それは先生の「教え魂」がとってもグッドだったのです。