Monthly Archives: 11月 2011

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子どもたちの理解が、格段に違います

 

 
6年生の「比例」。

算数ソフトを使って授業をしたら,子ども達の理解が,格段に違ったそうです。

実際にはかりを見せて,紙の枚数に応じて重さを確認して・・・
これは大変ですし,何を勉強しているのか,焦点がぼけてきます。

でも,ソフトを使うと,矢印ボタンのクリックで,枚数・重さが表示されます。はかりの針の傾きも変わります。
「枚数」と「重さ」。
この両方の数値を同時に見比べることができます。
これが,子ども達の頭を理解へと導きます。
「何かきまりがありそうだ」と,自然に頭が働いてくるのです。
一方が増えれば,もう一方も増える。その規則性は,「10枚につき50g」だ。
こんな事に気がついてくるのです。

実際にはかりをもってきて紙を重ねて見せる場合と,上のソフト画面とを比べると,ソフトの優位性に気がつきます。
ソフトには50g毎の記録が表示されます。
わずか,これだけの事ですが,これが比例の関係を見いだしやすくします。
デカルトの「3事例見せれば,関係が見える」 です。

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紙を100枚重ねると,右側に問題が出てきます。
「枚数」と「重さ」の関係が把握できているので,問題は易しく感じます。

このソフトを使って授業を展開した藤本先生から,次のようにメールをいただきました。
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子どもたちの理解が、格段に違います。自分で問題を解いた気になるのです。
その後、教科書の問題を解かせましたが、少しヒントを与えただけで、すらすらと解くことができました。
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比例の基本的な考え方である,「一方が2倍3倍になれば,他方も2倍3倍になる」 という関係性がしっかり頭に入れば,後はそれほど難しいことはありません。
算数は,こういった単元の規則性(きまり)を,子ども達が自分から見いだしていけるようにすることが,一番重要なポイントになります。
藤本先生の授業は,それに成功したのです。素晴らしいです。

 

電子黒板が広がっています

友達の平川先生が,facebookで,教育情報を連日紹介してくれています。
自分ではなかなか見つけられないニュースがたくさんあるので,
私には平川先生が伝えてくださる教育ニュースがとても有り難いです。

電子黒板のすゝめ 各社売り込み : ニュース : 関西発 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

今朝は,このニュースを読んで,数年先の教室現場には電子黒板は普通に存在するのだろうなと,感じました。
なんと言っても,相澤勝校長先生のコメントが良いです。「今ではなくてはならない」とおっしゃっています。
「無くてはならない」ほどの教育効果があるのです。
時間と共に,普及していきます。

「算数数学好きを増やす会」の藤本先生からも,連日のように,「算数ソフト教室情報」 が届いています。驚くばかりです!

今回は,4年生の平行のところで,「熱中度・理解度が抜群であった」とあり,非常に驚きました。
バツグンだったと言った先生は,藤本先生本人ではなく,藤本先生がTTで入っている教室の先生なのです。

このソフト,直線を操作できます。
両端にあるボタンをマウスでドラッグするだけです。
しかも,直線の両端は,必ず交点に吸い付きます

この機能により,方眼を見て,平行になっているかどうかを見極めることができます。
平行になれば,直線の色は赤くなり,「平行になっている」と子ども達も分かるようになっています。

子ども達は,頭の中で,〔横に4ます,縦に3ます〕などと考えはじめます。
これは,中学で学ぶ「座標の読み方」の素地になっています。

電子黒板の普及は,こういう学習をごく普通に行える時代をひらいてくれます。全学級配置となって欲しいです。

上のソフトは,『子どもが夢中で手を挙げる算数の授業』(4年1巻)に収録されています。

かけ算九九の算数ソフト

『教師のチカラ』8号の校正が届きました。

かけ算九九のテストで,平均点98.75点を出した渥美先生の実践を中心に原稿を書いています。

日頃の指導に,算数ソフトを加えたら,この素晴らしい結果になりました。
「算数教育」始まって以来の,画期的な変化が起こっているのだと思っています。

算数ソフトの果たした役割は,黒板では実便できない「同時認識」です。
「図」「数」「かけ算の式」「たし算の式」
この4つを,「3×1」から「3×9」まで,順次,同時に見ることができます。

そのため,1串3個の団子が7串になるころには・・・・
これは,「3」が7つであり,「3×7」とかけ算では書く。
たし算では「3+3+3+3+3+3+3」とかくけど,ちょっと大変。
こういうことが,頭にどんどん入っていくのです。

クリック一つで,上り・下りの切り替えができるので,頭の中はかなりしっかりしてきます。
算数ソフトが,こういう部分を担ってくれるのです。
その上に,教える先生の力が発揮されます。
かけ算が子ども達にフィットするように指導が進み,素晴らしい成果につながるのです。

九九のソフトについて,一昨日,「算数数学好きを増やす会」のメーリングリストにメールがありました。
藤本先生からのメールです。ご紹介します。
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 先日、2年生の教室で、算数ソフトを使って、T1で授業をしました。
 6の段です。同学年の先生も、参観され、算数ソフトのできばえに感心していました。
 かけ算の算数ソフトは、「○の段、上り下り、練習」の3点セットがそれぞれの段にあります。

●かけ算だけではなく、言葉の式、数量、たし算の考え方が、いつもで切り替えることができることが利点です。
 とかく、かけ算カードで練習するときは、かけ算カードだけとなりがりです。
 かけ算九九を練習しているときも、時々、言葉の式や、数量に切り替えて、かけ算の意味理解をさせることができます。
また、絵には数字もでますので、わざわざ「6+6+6・・・」をしなくても、かけ算九九を覚えていれば、便利というかけ算の便利さにも気付かせる
ことができます。
もちろん、フラッシュカードのように使うことができます。

●子どもたちが、喜ぶのは忍者です。上り下り九九が言えるようになると、ランダムに問題を出すことができます。
 かけ算九九は、まさにかけ算の理解、活用、習熟ができる絶品です。
 3年生以上の教室でも、十分に活用できます。
 かけ算の意味理解や、便利さを再認識することができます。
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素晴らしいコメントです。

算数ソフトを使った授業のあり方を,この先も研究していきたいと思っています。

柳沢淇園の『雲萍雑志』

柳沢淇園の『雲萍雑志』です。

江戸時代,文武両道を極め,人の師として立つことができる芸を16も会得した柳沢淇園の書いた書です。
でも,この本には,そういう道を究めた雰囲気は余り感じられませんでした。
それでも,面白いのは,江戸時代の考え方を知ることができたことです。

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長生きをしたいと思ったら,ウソをつくな。
ウソは心を浪費する。
人,心に労なければ,命長し。
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「夏日の七快」 も載っています。
これを読みたくて,この本を見つけたときに購入したのです。
「夏日の七快」は,戦前の女学校の修身書に採用された作品です。
その出展が『雲萍雑志』と聞いてはいましたが,まだ,読んでいませんでした。
今年の古本市で,偶然見つけ,ようやく読むことができました。

「夏日の七快」 の次には「飲酒の十徳」が載っています。
そのまま,ご紹介しましょう。
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礼を正し,労をいとい,
憂いを忘れ,鬱を開き,
気を巡らし,病を避け,
毒を消し,人と親しみ,
縁を結び,人寿を延ぶ。
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お酒は,良いことずくめと思えてきます。
でも,この後に「罰酒の法」と続きます。
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古人罰酒の法あり。
三合を飲酌の限りとす。
もしこの法を失う時は,
家を乱し身を滅ぼす。
箕子一たびなめて良薬と賞し,
二度なめて心をみだすのなかだちとおどろき,
三度なめて国家を失う基と悟れり。
労なく憂いなき時,飲むべからず。
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江戸時代にも,お酒にはイマイチと思われる所があったのですね。
 

『学級づくりの教科書』の書評

『教育展望』(教育調査研究所)の11月号に,
有田和正先生の『学級づくりの教科書』(さくら社)の書評が載っています。
1ページ分,まるまるが書評でした。

書き出しは・・・
著者(有田和正先生)は,授業の達人,特に,子どもたちから「はてな?」を生み出すネタを次々と発掘し,それをもとに子どもたちを「追究の鬼」に育てる社会科授業の名人として名高い。

この書評を書いたのは,小島 宏氏。
財団法人教育調査研究所研究部長です。

各章の紹介が記されていて,
最後に,次のように書かれています。

さすが,学級づくりの「教科書」というだけあって,基本的なことが具体的に示されていてすぐ役立ち,応用もきく内容構成になっている。若手教師やベテラン教師,そして指導的な立場の教師のテキストとして是非とも勧めたい一冊である。

『学級づくりの教科書』に載っている,有田学級の子の文章を読むと,その実力の高さ,豊かさが伝わってきます。

私は,算数のネタとして,「とんち九九表」を教えていただいたことがあります。
さすが,有田先生!と思ったことを覚えています。

5年_図形の面積のソフト_再現ボタンが大ヒット!

 

「算数・数学を好きにする会」のMLで,ホットな話題として出ているのが,面積の求め方を考えるソフトです。

『子どもが夢中で手を挙げる算数の授業』5年の5巻に収録されているソフトです。

「はさみ」機能を使って,平行四辺形を切り,ドラッグして移動。
これが簡単にできます。図形を最大16分割までできます。
ですので,子ども達の考えた方法で切り取って,動かして・・・とできます。

MLでホットな話題になったのは,画面の一番下にある「再現ボタン」です。
これを使うと,操作したことを再現してくれます。
ですので,「太郎君にやってもらったのをもう一度見てみましょう!」 と,全員で確認することができます。

この「再現ボタン」付きのソフト,平行四辺形の他に,三角形・菱形・台形・いろいろな形と揃っています。これだけ,入っていれば,理解の学習もしっかりできますね。

この「再現ボタン」について,MLで次のように話されました。
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藤本先生
授業後、「あの再現ボタンは、すばらしいです。子どもの考えを生かすことができます」と絶賛されました。どうしても、パワーポイントでは、教師が作ったものを流すになってしまいますが、子どもが見つけた台形の面積の求め方を、値打ちづけることができます。
私も、違う視点で、この「再現ボタンの効果」を再認識しました。
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工藤先生
再現ボタン、すごいですよね。
表示された図形を切ったり、動かしたりするだけでもすごいのに、再現までできてしまうので、校内研の現職教育で先生方に見せたときに、ずいぶんと感動されていた事を思い出しました。
実際の授業では、何度か繰り返すことで、発表した子の思考がぼやっとしていた子にも伝わり、再確認することでいやというほど、記憶に残ってしまう(確かに分かる)ということにつながり、理解度が抜群にあがったという記憶があります。
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藤本先生も工藤先生も,算数ソフトの使い方をどんどん研究しています。
授業力は,「教師の腕」と「優れた道具」で決まります。