Monthly Archives: 1月 2013

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野口芳宏先生の新刊『教師の心に響く 55の名言』

b8636_300野口芳宏先生の新刊『教師の心に響く 55の名言』(学陽書房)を読みました。

野口先生が講演でよくお話下さる「教育成立の3条件=信敬慕」と,「人間として目指すべき4つの価値=真善美聖」が,全体の章立てになっています。
そこに,野口先生が感銘を受けた名言を立て,野口先生のこれまでの教育の姿勢を記しているのがこの本です。深みがあります。お勧めします。

「吾れ日に三たび吾が身を省みる」
論語に出てくる一説も名言として入っていました。
孔子の弟子の曾子の言葉です。

人のために何かしたとき,誠実にしたか。
友達と話していて,本当のことを言っていたか。
余りよく知らないことを,知った振りして言ってなかったか。

ようするに,対人関係の反省をすることが大切だという教えです。
子ども達との接し方などを省みるときに生きてくる言葉です。

野口先生は,この曾子の名言から,「良き師,良き友,良き書物」へと話しを展開されています。目の前に野口先生がいらっしゃるようでした。良い本です。

b8635_300論語がでてきたら,忘れてはならないのが,この日めくり論語『子どものための教室論語』です。1日1言。31日分の言葉が入っています。
教卓の上にちょこっと載せるだけでも,子ども達が毎日論語にふれられます。
私の机の上にものっています。

2年生の「1万までの数」のソフト。ちょっと深いです!

b86372年生で学習する「1万までの数」。その中では、あといくつで1万になるかの勉強もします。数の補数を考える勉強です。
それをしっかり勉強できるようにと願って作ったのが、このソフトです。(『子どもが夢中で手を挙げる算数の授業』(2年3巻)に入っています)

[桜]スライダーを動かすと、画面に見えている8300が1000~9900まで100単位にどんどん変わります。
ですので、「9900はあといくつで10000になるか」など、出したい問題をスッと提示することができます。子供たちの様子に応じて、出題できるのが、この[桜]スライダーです。

カバのクリックボタンも用意してあります。こちらは、クリックすると問題がランダムに出てきます。考え方に慣れてきたら、「クリックボタンで練習」という学びができます。

このソフトの良いところは、図が出てくることです。
[図]ボタンをクリックすると、数直線と黄色いテープがでてきます。このテープは1000単位のテープと、100単位のテープで構成されています。ですので、大きな数の構造も一緒に学ぶことができます。
さらに、ボタンをクリックすると、青テープが出てきます。これが答えとなる数をあらわしています。

そうして、そうして。
この黄色と青のテープが出たまま、[桜]スライダーを動かすことができます。
スライダーの動きに合わせて、黄色・青のテープの境目が変化していきます。
問題文の数も同時に変わります。
それが、妙に面白いのです。興味を惹かれます。

こういうところが、算数のちょっと深い面白さなのだと思っています。

実感道徳研究会の全国大会に参加してきました

第5回になる実感道徳研究会の全国大会。
今回は「いじめ」がテーマでした。

b8638具体的ないじめの話や、いじめ防止の話があり、一つ一つに感心させられました。
頭の中で少し整理しながら、聞いていました。
自分の中では、次の4つに分かれていきました。

1、いじめ防止(目先の防止、根本からの防止)
2、いじめる子への対応(教えで対応、警察などへの対応)
3、いじめられている子への対応
4、いじめていることに自覚のない子

大会の最中に、フロアの意見を聞く時間がありました。
その時、若い小出先生が、1の根本からの防止について話してくれました。時間がなく、言いたいことの一端を述べるにとどまりましたが、向かおうとする方向・姿勢が実によかったです。
また、英語のスペシャリスト竹村先生からは、論語の素読などの話がでました。
小出先生の言いたかったことも、竹村先生のお話も、私の図の中の「内には孝」「外には礼」という部分に位置します。もっとも大切なところです。

懇親会で、村岡さんが、大人になってから「私はいじめっ子だった」と言う人があまりいないという話していました。自覚なきいじめが横行しているのか、いじめそのものが自覚しにくい現象なのか、どちらにしろ、こういう姿には、あらゆることが無力に感じられてきます。
でも、昔から、人の世にはどうにもならないところがあるので、そこにもそれなりに対応するために、人知を超えた現象の存在が登場してきます。それが、地獄であり、バチです。

この人知を超えた存在を作ることは、算数数学的にみると実に有意義な世界に見えてきます。
「虚数」という存在しない数を作ったことと似ているからです。
虚数でなくても、1,2,3・・の自然数だけだったところに、小数や分数を作りだすことで、自然数の意味が大きく変容することに似ています。
たとえば、自然数しかなかった時代には、1は1以外の数にはなれませんでした。ずっと、1のままなのです。
そこに、分数が登場し、人々が分数を理解すると、1は「2/2」ともなり、「5/5」ともなります。1の中に1以外のどんな数でも入り込めるようになったのです。
小数が登場することで、1は「0.5から1.4999999・・・」の範囲で変化できるようになります。

1を自分の現実だとしたら、自然のままの見方をする人は、常に1でしかありません。でも、小数・分数などの人為的な存在を信じる人は、1でありながらその1を幅広く変化に富ませることができます。
豊かな広い心はこういう形でも育てられていくのだと思っています。

2年、かけ算九九のきまりのソフトで大うけ!

8733大分から戻り、メールを見ていたら、山口の藤本先生から、とてもうれしいメールが入っていました。

2年生のかけ算九九のきまりで使うソフトを使って授業をしたら、子供たちも担任の先生も大喜びされたそうです。
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そのソフトというのは、右の画像のソフトです。『子どもが夢中で手を挙げる算数の授業』2年1巻に入っている「かけ算九九/点々つなぎ」というソフトです。

今、4の段の画像が出ていますが、4の段の答えの一の位の数を順にクリックしていきます。
4の段の場合、なんと星形になります。こういうのは、見ているだけでピリッと整っていて、きれいだなと感じます。
規則で成り立っているので、こういう左右対称のいい感じの図形になります。

規則で成り立っているといっても、「7の段は無理だろう」と思えてきます。
ところが、7の段をやってみると、妙に面白いことに気が付きます。
7の段の一の位の数は、3の段の場合の逆順で現れるのです。
これに気が付くと、あらあら・・・。
1の段の逆が9の段で、結果は同じ。
2の段の逆が8の段で、結果は同じ。
3の段の逆が7の段で、結果は同じ。
4の段の逆が6の段で、結果は同じ。

5の段で折り返すような感じで、「逆順で結果が同じ」になるペアになっているのです。
どうしてそうなるのかを考えてみるのも楽しいですね。

藤本先生は、ワイアレスマウスを子供たちに順次使わせ、赤いボタンをクリックしてもらったそうです。
これが、学級みんなでの共同作業のようになり、学級づくりとしても大いに役に立ったそうです。
算数の時間に学級の共同作業。ちょっと感動しました。

大分市道徳主任研修会の先生方は熱心!

大分で開かれた「大分市道徳主任(道徳教育推進教師)研修会」で、「小学校の作法」の話をしてきました。
とにかく、驚かされました。
3学期がスタートした最初の週末の金曜。それも午後4時の研修会。普段の金曜の午後4時より、体はうんと疲れを感じています。
会場がとても立派で、ホテルの広間のような部屋で、椅子もゆったりとしたいい椅子です。
その椅子に座れば、体はリラックスります。そこに、暖房がいい感じで効いています。
この条件の下、誰でも睡魔に襲われます。話を聞こうと思っても、自然と体が寝てしまいます。それが、普通の出来事です。
ところが、大分の道徳主任の先生方はまったく違いました。非常に熱心に耳を傾けてくださいました。それも、1時間、ずっとです。お陰様で、私はとても快調に話すことができました。感謝の気持ちでいっぱいになった1時間でした。
これほど熱心な先生に教わっている大分市の子供たちは、まさに、幸せそのものだと思います。

懇親会で、大分の道徳の長たる古城校長先生から、野口先生にも大分に・・・・とお話がありました。
その夜、野口先生に連絡。日程が合えば、大丈夫とのことでした。よかったなと思います。

b8640_300大分への道中、『法華経』の下巻を読み終えました。そういうこともあろうかと思い、『法華義疏(ぎしょ)』の上巻をカバンに入れてありました。
法華義疏は聖徳太子の書いた書です。
一つ一つの解説が、実にいいです。しばらく楽しめそうです。

4年の「がい数」のソフト,面白いですよ!

87344年生では,「概数」を学びます。
「概(おおむ)ねの数」が概数ですから,平たく言うと,「およその数」となります。

ですので,概数では,たとえば,46はおよそ何十と考えることができるか,というような勉強をしていきます。
このおよそで考えるときに,重宝するのが数直線です。
数直線を見ながら,46は,およそ40なのか,およそ50なのか,どっちなのか考えるようにすると,理解が早まります。

このような学習で重要になってくる言葉は「どっちに近いか」です。
数直線は,数を長さに置き換えて表現している画期的な思考ツールです。
ですので,「およそ」という概念も「長さ」で表現することができ,それが,「近い」という言葉になるわけです。

その場面のソフトが右の画像です。
『子どもが夢中で手を挙げる算数の授業』(4年5巻)に入っています。

4年の5巻には「折れ線グラフ」(ソフト数22本)も入っていますし,「分数と分数のたし算・ひき算」(ソフト数21本)のソフトも入っています。「がい数」の中にはソフトが10本入っています。上の画像のソフトはその中の「02A,およそ何十,およそ何百」というソフトです。

子ども達が,46はおよそ40なのか,およそ50なのか,予想をした後,いよいよ正解を見ます!
ちょっと,もったいを付けて「答え」ボタンにマウスを近づけます。グッと緊張感が高まります。
そんな中,「答え」ボタンが押されます。

なんと,46が動き出します!
「おー!」と声を上げる子もでてきます。

50の所に到着したら,「およそ」の文字もパッと出てきます。
画面のとおり,「46は,およそ50」とわかります。

何しろ,とても面白いので,もう一回やりたくなります。
3回,4回と問題を解く内に,「およそ何十か」という問題の答え方が分かってきます。数の移動がいつも近い方になっていると分かるからです。分かってくると,聞いてもいないのに,訳を言いたがる子が出てきます。授業が盛り上がっていく,面白い状況になります。

クリックボタンを何度押しても,ちょうど真ん中の一の位が5になる数は出題されません。
一の位が5になる問題は,緑色の「5」ボタンをクリックして,出題します。

「およその数というのは,近い方へ行く」と分かったら,いよいよちょうど真ん中の数での出題へと進みます。意見が真っ二つに分かれたら,かなり面白くなりますね。
これも,3回4回と見ていると,どうも繰り上がる方ばかりにいくことが理解できてきます。

概念がつかみにくい概数ですが,こうやってソフトを見ると,あっという間に理解が進みますね。

※昨年の暮れ,神戸の講演でこの場面を少し先生方にお見せしました。大きなどよめきが起こり,4年生担任中の先生が早速,『子どもが夢中で手を挙げる算数の授業』(4年5巻)を購入されていました。その先生のクラスでは,算数の時間は盛り上がっていると思います。良いですね。