Monthly Archives: 8月 2014

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工藤先生の「算数三大アイテム」

b8326青森の工藤先生が,野口塾で算数ソフトをご紹介下さいました。
その詳細がわかりました。
紹介したタイトルは,「算数三大アイテム」です。

1,4年 わり算 「スイートポテト」
2,4年 がい数 「四捨五入ヘビ君」
3,5年 小数のかけ算 「小数点イカ」

どれも,傑作のソフトです。
その中の「スイートポテト」について,少しお話ししましょう。

まず,「42.9÷3=」を計算するとします。
普通に計算したのでは,計算ミスをしてしまいます。
手堅く計算する方法として,「筆算」が行われていますので,まずは,筆算のやり方を学習します。

b8325「筆算」をするとき,計算としてすぐに使わない部分に,紙を乗せて,今計算するところに注目しやすくします。
この目隠しは,教育界から生まれた画期的なアイデアです。
その目隠しの紙に,算数「通」の先生方は,「スイートポテト」と書きます。なぜ,書くのでしょうか。

目隠しの紙をかぶせたら,この先は,「たてる → かける → ひく → おろす」のアルゴリズムを繰り返します。
このアルゴリズムは,私が小学校の教員になった頃には,既に言われていて,水道方式の研究をされていた先生方から普及したような印象を持っています。

「スイートポテト」は,このアルゴリズムをさらに取っつきやすくした工夫です。

b8324「4÷3」の計算が終わると,隠し紙をずらします。
この「ずらす」時に,音がします。
その音が,「すいーっと」なのなです。

続いて,「2」をおろします。
この「おろす」時にも,音がします。
その音が,「ぽてっと」なのです。

「すいーっと」ずらして,「ぽてっと」落ちる。
だから,「スイートポテト」なのです。

アルゴリズムは,「たてる」「かける」など,機能を連続的に示した方法です。
この方法,とっても大事なのは誰も疑う余地はありません。
ただ,難点として,取っつきにくさがありました。
このアルゴリズムを暗記するのに難儀をする子がいるのです。

その難儀をする子も,「スイートポテト」だと,おもしろがります。
「おもしろがっているときは,頭の吸収力が高まっている」ときです。
そのときに,アルゴリズムも教えておくと,「ははーあん,そういことか」と納得しやすくなります。

「スイートポテト」は大笑いしてしまうので,単なる面白いアイデアととらえられやすいですが,筆算のアルゴリズムを一歩前進させた歴史的な方法でもあるのです。
「スイートポテト」を子ども達に教えたら,筆算が全員満点だったという報告も,昔聞いたことがあります。

このスイートポテトのソフトは,算数のクラウドの中に入っています。

姿勢の渥美清孝先生!

b8329私と一緒に,良い姿勢の普及に努めている渥美清孝先生。
シンポジウムでも,凜としています。
この姿勢で考えるから,良い方向へと思考が進みます。

渥美先生は,猛暑の午後2時から始まったシンポジウムの時間,ずっと,この姿勢を保持し続けていました。
西洋伝来の背もたれは,背を休めるときにのみの利用です。
日本人たるもの,こうあるべきです。

この日の懇親会で,渥美先生は鍛える国語研究会の重責を担ってほしいと先輩から頼まれていました。
「姿勢がよいと,信頼が高まり,
信頼が高まると,担う仕事が増えていく」
その様子を目の前で見た感じでした。
頼まれた仕事を通して,次第に人格も磨かれていきます。
渥美先生は,善良なスパイラルの中に位置しています。
見習いたいものです。
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「作法」について,昨日,講演を・・・と,お話をいただきました。
来年の1月に開催される野口塾in木更津で,一こま,私が作法の話をします。
シーズンを考えると,卒業式に向けて・・・という感じがしています。
話す内容は,基本的に同じですが,何度も何度も話すことが大事なので,私も元気に話ししたいと思います。

また,今月の30日(土)に,東京の小石川大神宮で「お行儀」の話をします。
小石川というのは,時代劇などでよく出てくる小石川療養所のあったところで,
小石川大神宮は東京ドームの近くにあります。

こちらは,親子向けの話になります。
2学期が始まる直前なので,そこも含めながらの話になると思います。
渥美先生のように,自分の上体を自分で支えられる,しっかりした人物に育ってほしいと願いながら,話をしてきたいと思います。

4年生の折れ線グラフのソフト

b8328青森の野口塾で,工藤先生が算数ソフトをご紹介下さいました。初めてソフトを見る方もいたようで,大好評だったそうです。

どのソフトが選ばれて紹介されたのかわかりませんが,この折れ線グラフのソフトも実に面白く勉強になります。

このソフトは関東地方の月別の平均気温が「表」と「折れ線グラフ」で示されています。
「表」の良さは,パッと見て,平均気温が何度なのかすぐにわかることです。
「グラフ」の良さは,その温度の変わり方が見た目ですぐにわかることです。
こういう両方の良さを理解しつつ,さらに,「表」と「グラフ」のつながりを学びます。
そんなときに,ひょいと使えるのが,「縦のバー」と「横のバー」です。
これをマウスで動かすことで,折れ線と縦軸・横軸とのつながりがスッキリつかめます。
一つの点の縦軸と横軸を数字で把握した物が,表に出ている数なのです。
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b8327そうして,折れ線グラフを作る段になったら,こちらのソフトですね。
表を見て,グラフ内に点を打っていきます。マウスでクリックです!
全部の点を打ち終わると,「線を引く」ボタンが登場します。クリックすると,線が引かれていきます。

ソフトで練習して,それから教科書の問題に取り組むと,取り組みはスムースになりますね。

 

鍛える国語研究会で,柳谷先生が「姿勢の指導」!

鍛える国語研究会(略称は「鍛国研」)の第6回全国大会が,千葉県の袖ヶ浦市立昭和小学校で開催されました。
近くなので,会員の先生方の活躍ぶりを見学させていただきました。

驚いたのは,柳谷先生の授業でした。
まずは,出身の北海道の話です。子ども達はぐいぐい引きつけられて,「いいなぁー!」など,柳谷ワールドに引き込まれました。

b8330その後,グイッと引き締めるように,姿勢の指導がありました。
腰骨を立てる「立腰」の話をささっとされました。
子ども達の姿勢は一気に良くなり,教室が凜とした雰囲気になりました。

それから国語の授業です。
この暑さの中の子ども達です。教材文を読み,問題を考えている内に,姿勢は崩れていきました。

そんな中,教室の後ろの方にいた男の子1名,女の子1名がずっと良い姿勢をし続けていました。しかも,授業中,ずっとです!
私は嬉しくなり,授業後,二人の所へ行き,ちょっとインタビューをしました。

家で何か習い事をしているのかと尋ねたら,女の子は「ダンスを習っている」と応えてくれました。
なるほど!と思った次第です。

男の子は,「何も習っていない」と言い,姿勢については「家では特に言われていない」と話してくれました。
不思議に思い,「どうして,1時間,ずっと良い姿勢でいたの?」と尋ねました。
すると,男の子は,「柳谷先生に,教わったからです」と答えてくれました。
実に感動的でした。

柳谷先生は,さらりと姿勢指導はかくあるべしと示してくれていたのです。
ありがたい授業でした。
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事前学習法で模擬授業をちょっと

8月10日(日)午前11:00~11:30。
スクーで「横山験也の算数の授業」の第2回目の放送をします。
前回,音声が切れてしまい,途中で中止しました。
その再挑戦放送です。
今,生放送ので授業を「受けたい!」という方が29名にもなっていました。
嬉しい限りです。張り切って,放送します!!
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9月6日(土)は,授業の原点セミナー「国語科教育 原点から実践まで」が開催されます。
目下,申し込みが10名です。皆さんとお会いできることを楽しみにしています。
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b8331広島で,ほんの短い時間でしたが,「事前学習法・算数編」を行いました。
事前学習は,「黒板→算数ソフト」で行いました。
それから,教科書を開いて学習しました。
この事前学習法ですが,教科書を開いてからは,野口先生の模擬授業に近い感じになります。
教科書をみんなで見ながら,あれこれ語らえるので,「事前学習法は面白い学習法になるな」と感じました。
事前学習法については,丸岡会長がメーリングリストやFBのページを作ってくれているので,実にありがたいと思っています。

面白かったのは,板書で180度を学習した後に見た算数ソフト。右の三角形を敷き詰めるソフトを見ました。
このソフトを見て,板書で学習したことが結びつき,すぐに「180度になっている」と出ました。
これは,とっても重要な一言です。
「180度」と数字を伴って,現象を見ているからです。レベルの高い発言です。

「数」と「現象」が一致する目。これが「算数の目」です。
今回なら,「180度の目」となります。

ソフトの三角形をドラッグして,敷き詰めを増やしたら,180度になるところが次々増えます。
増えるに従い,敷き詰めを見る「180度の目」が肥えてきます。
「180度の目」が肥えると,印刷物を見ても,180度が見えてきます。
教科書の敷き詰めの図を見ても,自然と180度になっているところが目につき,内心「180どだ」と思います。
底力がつく流れになっていました。
模擬授業をしながら,非常に手応えを感じました。

事前学習法の算数。若い先生方と大いに研究して行きたいです。

広島へ行ってきました

山根僚介先生のお誘いで,徹底反復研究会に参加してきました。
事務局の山根大文先生にも大変お世話になり,楽しくセミナーに参加できました。

講座では,山根僚介先生のICTを使った徹底反復の話に頷きっぱなしでした。
コンピュータでちょっとした教材を作り,それを隙間の時間に大活用。
そういうことが簡単にできる時代になっています。良いことです。

藤本浩之先生の熱血な話は,合間に大笑いがあり,さすが文科省の優秀教員で表彰されている先生だと思いました。
算数ソフトの活用法では,ピカイチの力を持っています。
その一端が示され,さらに,究極のブラックボックス活用も!
なるほど!の連続でした。

私の話は,「算数ソフト」と「和算」と「作法」です。
算数ソフトは「しくみ」を理解すること。これこそが本当の底力を付けることであり,王道であることを伝えたつもりです。
授業展開として,事前学習法があることをお話ししました。
和算は,和算の問題を解くと言うより,当時の算術家の生活臭い考え方を皆さんに考えてもらいました。
吹き矢で相手を刺し・・・というのは,地べたに伏せて・・・というのや,脱兎のごとく走り・・・というのや・・・。
大笑いしました。
結果,江戸時代の人々は楽しいということになりました。

作法は,ひたすら「姿勢」です。
「姿勢が良ければ,すべて良し」と思われてしまうほどの話でした。
姿勢の話が2次会で良い成果を上げました。
澤口先生が「私は姿勢が悪くて・・・」というので,飲み屋で特別講習を2分ほど行いました。
グイッと姿勢が良くなり,カウンターの自席に戻ると,そばにいた女性の岡原先生が「さっきと顔つきが変わった!」と言っていました。凜とした顔になっていたのです。
そんなこんなで,澤口先生は立腰2号となりました。
きっと,将来良い成長をすると思います。根本が変わりそうだからです。

講座中,ふっと思ったのは,次の論語の一節です。
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成事は説(と)かず
遂事(すいじ)は諫(いさ)めず
既往は咎(とが)めず      論語
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何のタイミングでこれを思い出したかは,忘れてしまいました。
論語の一節を思い出すような刺激があったことが,嬉しかったところです。