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崩れようのない学級2「静の教育」

3ステップ「聞く」トレーニング 自立と社会性を育む特別支援教育「動の教育・静の教育」と先日書きました。
見た感じがちょっと格好よさそうですが,そういうことに目を奪われてはいけません。

落ち着く方向に指導していくのが,「静の教育」と思ってください。

ガンガン考えている時は,見た目,ジッとしていても落ち着いているとは言い難いものがあります。特に,こうした書き物をしている時に,横から「ちょっと・・」と来られると,イラッと来てしまうことがあります。体の動きは小さいですが,頭と心が燃えているからです。

学校までの道中。毎日,同じコースを歩きます。
体は動いているのですが,こういう時に,横から「ちょっと・・」と声をかけられると,「はい,なにか」とゆったりと受け止めることができます。
体は動いていても,頭を特に使っていず,気配りもたいしてしていないので,リラックスして受け止められます。

子供達に落ち着きが無くなってきたら,頭をあまり使わない方向の何かをしてみることです。それが,落ち着かせるための大切な指導となります。

頭をあまり使わないあれこれ。
何があるでしょう。

音読がそうです。
黙想もそうです。
普段の起立・礼なども,頭をたいして使いません。
掃除も毎度同じようなことなので,それほど頭を使いません。

静の教育は頭をあまり使いません。
気配りもそれほど必要ではありません。
それでいて,毎日のように繰り返すことが結構あります。
そんなときに,役立つのは,「価値ある意味づけ」です。
なぜ,それをするのか,その理由を言葉で伝えることです。
筋が通っていて,心が高まる意味づけであれば,とてもグッドです。

野口塾ビギナーズの懇親会で,若い先生が下駄箱の靴をそろえる話をしてくれました。
どうして,下駄箱の靴をそろえなければならないのかと尋ねたら,きれいになる・・・とのことでした。それもいいのですが,今ひとつ物足りなさを感じます。

下駄箱は昇降口にあります。昇降口や玄関は,学校の顔と言われているところです。
お客さんが来た時,本来なら人が出て来て,「ようこそ,いらっしゃいました」とご挨拶をする場所です。でも,学校ではそれができません。
なので,花瓶を置くなどして,物で出迎えの心を示すように工夫しています。
こういうお出迎えの心(おもてなし)を子供達も行うことができます。
何ができるか,考えてみると,靴をそろえることが浮かび上がります。
きちんとそろっている靴を見た時と,放り込んだような靴を見た時では,見る人の気持ちは違ってきますね。

このような話が「価値ある意味づけ」です。
価値ある意味づけは,静の教育でも動の教育でも役立ちます。
本を良く読んでいる先生は,このあたり,きっと豊かなのだと思います。
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『3ステップ 「聞く」トレーニング』は静の教育として読んでも,実に充実した内容の本です。お勧めします。
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