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江部さんがギネスに,朝日新聞に

明治図書を御勇退された江部満さんが,朝日新聞に載っています。

http://www.asahi.com/edu/news/TKY201111220713.html

内容は,教育雑誌の編集長を53年もの長き年月担われていたことが,ギネスブックに認定されたことです。
半世紀を超えての編集長ですから,ただそれだけで,実に素晴らしいことと思います。

私が驚きを持つことは,明治図書を御退職した後も,
「教育を改革する運動をすすめる!」と,お話くださったことです。
自分が80を過ぎたら,どうなっているのか。
それを考えると,江部さんの生き方にど迫力を感じます。

その江部さんと,12月に一献傾けることになりました。
この先,教育はどう動いていくのか。その当たりのお話を少し伺えたらと思っています。

羽鳥先生が新しい教育の会を発足

群馬の羽鳥悟先生から,新しい研究会を発足したというメールをいただきました。
「日本人を育てる教育の会」という研究会です。

「日本人を育てる教育」の具体像を創出し、我が国の教育に位置付かせる土台を築く。
これを目的としています。
「日本人を育てる教育」の具体像創出として,次の三つの方向で進めます。
  A:日本人を育てる道徳授業
  B:「作法」の教育
  C:その他

羽鳥先生は,深澤先生のお弟子さんのような先生です。
ですので,ずっと深澤先生を追いかけて,追いかけて,追いかけている内に,
自分の存在が無いまま終わるのかと思っていました。
でも,1年程前でしょうか。
羽鳥先生は,日本人としての道徳に開眼されていました。
こうなると,深澤先生を追いかける形から,深澤先生のように自分も道の開拓を!
歩み方が変わってきます。
守破離でいえば,「破」の部分になります。
殻の中で進むのではなく,土台を引き継ぎ,殻を破って前進するのです。
実に良いことです。
文化の成長はこういう「前進的息吹」の連続と思っています。

 

子どもたちの理解が、格段に違います

 

 
6年生の「比例」。

算数ソフトを使って授業をしたら,子ども達の理解が,格段に違ったそうです。

実際にはかりを見せて,紙の枚数に応じて重さを確認して・・・
これは大変ですし,何を勉強しているのか,焦点がぼけてきます。

でも,ソフトを使うと,矢印ボタンのクリックで,枚数・重さが表示されます。はかりの針の傾きも変わります。
「枚数」と「重さ」。
この両方の数値を同時に見比べることができます。
これが,子ども達の頭を理解へと導きます。
「何かきまりがありそうだ」と,自然に頭が働いてくるのです。
一方が増えれば,もう一方も増える。その規則性は,「10枚につき50g」だ。
こんな事に気がついてくるのです。

実際にはかりをもってきて紙を重ねて見せる場合と,上のソフト画面とを比べると,ソフトの優位性に気がつきます。
ソフトには50g毎の記録が表示されます。
わずか,これだけの事ですが,これが比例の関係を見いだしやすくします。
デカルトの「3事例見せれば,関係が見える」 です。

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紙を100枚重ねると,右側に問題が出てきます。
「枚数」と「重さ」の関係が把握できているので,問題は易しく感じます。

このソフトを使って授業を展開した藤本先生から,次のようにメールをいただきました。
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子どもたちの理解が、格段に違います。自分で問題を解いた気になるのです。
その後、教科書の問題を解かせましたが、少しヒントを与えただけで、すらすらと解くことができました。
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比例の基本的な考え方である,「一方が2倍3倍になれば,他方も2倍3倍になる」 という関係性がしっかり頭に入れば,後はそれほど難しいことはありません。
算数は,こういった単元の規則性(きまり)を,子ども達が自分から見いだしていけるようにすることが,一番重要なポイントになります。
藤本先生の授業は,それに成功したのです。素晴らしいです。

 

電子黒板が広がっています

友達の平川先生が,facebookで,教育情報を連日紹介してくれています。
自分ではなかなか見つけられないニュースがたくさんあるので,
私には平川先生が伝えてくださる教育ニュースがとても有り難いです。

電子黒板のすゝめ 各社売り込み : ニュース : 関西発 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

今朝は,このニュースを読んで,数年先の教室現場には電子黒板は普通に存在するのだろうなと,感じました。
なんと言っても,相澤勝校長先生のコメントが良いです。「今ではなくてはならない」とおっしゃっています。
「無くてはならない」ほどの教育効果があるのです。
時間と共に,普及していきます。

「算数数学好きを増やす会」の藤本先生からも,連日のように,「算数ソフト教室情報」 が届いています。驚くばかりです!

今回は,4年生の平行のところで,「熱中度・理解度が抜群であった」とあり,非常に驚きました。
バツグンだったと言った先生は,藤本先生本人ではなく,藤本先生がTTで入っている教室の先生なのです。

このソフト,直線を操作できます。
両端にあるボタンをマウスでドラッグするだけです。
しかも,直線の両端は,必ず交点に吸い付きます

この機能により,方眼を見て,平行になっているかどうかを見極めることができます。
平行になれば,直線の色は赤くなり,「平行になっている」と子ども達も分かるようになっています。

子ども達は,頭の中で,〔横に4ます,縦に3ます〕などと考えはじめます。
これは,中学で学ぶ「座標の読み方」の素地になっています。

電子黒板の普及は,こういう学習をごく普通に行える時代をひらいてくれます。全学級配置となって欲しいです。

上のソフトは,『子どもが夢中で手を挙げる算数の授業』(4年1巻)に収録されています。

かけ算九九の算数ソフト

『教師のチカラ』8号の校正が届きました。

かけ算九九のテストで,平均点98.75点を出した渥美先生の実践を中心に原稿を書いています。

日頃の指導に,算数ソフトを加えたら,この素晴らしい結果になりました。
「算数教育」始まって以来の,画期的な変化が起こっているのだと思っています。

算数ソフトの果たした役割は,黒板では実便できない「同時認識」です。
「図」「数」「かけ算の式」「たし算の式」
この4つを,「3×1」から「3×9」まで,順次,同時に見ることができます。

そのため,1串3個の団子が7串になるころには・・・・
これは,「3」が7つであり,「3×7」とかけ算では書く。
たし算では「3+3+3+3+3+3+3」とかくけど,ちょっと大変。
こういうことが,頭にどんどん入っていくのです。

クリック一つで,上り・下りの切り替えができるので,頭の中はかなりしっかりしてきます。
算数ソフトが,こういう部分を担ってくれるのです。
その上に,教える先生の力が発揮されます。
かけ算が子ども達にフィットするように指導が進み,素晴らしい成果につながるのです。

九九のソフトについて,一昨日,「算数数学好きを増やす会」のメーリングリストにメールがありました。
藤本先生からのメールです。ご紹介します。
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 先日、2年生の教室で、算数ソフトを使って、T1で授業をしました。
 6の段です。同学年の先生も、参観され、算数ソフトのできばえに感心していました。
 かけ算の算数ソフトは、「○の段、上り下り、練習」の3点セットがそれぞれの段にあります。

●かけ算だけではなく、言葉の式、数量、たし算の考え方が、いつもで切り替えることができることが利点です。
 とかく、かけ算カードで練習するときは、かけ算カードだけとなりがりです。
 かけ算九九を練習しているときも、時々、言葉の式や、数量に切り替えて、かけ算の意味理解をさせることができます。
また、絵には数字もでますので、わざわざ「6+6+6・・・」をしなくても、かけ算九九を覚えていれば、便利というかけ算の便利さにも気付かせる
ことができます。
もちろん、フラッシュカードのように使うことができます。

●子どもたちが、喜ぶのは忍者です。上り下り九九が言えるようになると、ランダムに問題を出すことができます。
 かけ算九九は、まさにかけ算の理解、活用、習熟ができる絶品です。
 3年生以上の教室でも、十分に活用できます。
 かけ算の意味理解や、便利さを再認識することができます。
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素晴らしいコメントです。

算数ソフトを使った授業のあり方を,この先も研究していきたいと思っています。

柳沢淇園の『雲萍雑志』

柳沢淇園の『雲萍雑志』です。

江戸時代,文武両道を極め,人の師として立つことができる芸を16も会得した柳沢淇園の書いた書です。
でも,この本には,そういう道を究めた雰囲気は余り感じられませんでした。
それでも,面白いのは,江戸時代の考え方を知ることができたことです。

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長生きをしたいと思ったら,ウソをつくな。
ウソは心を浪費する。
人,心に労なければ,命長し。
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「夏日の七快」 も載っています。
これを読みたくて,この本を見つけたときに購入したのです。
「夏日の七快」は,戦前の女学校の修身書に採用された作品です。
その出展が『雲萍雑志』と聞いてはいましたが,まだ,読んでいませんでした。
今年の古本市で,偶然見つけ,ようやく読むことができました。

「夏日の七快」 の次には「飲酒の十徳」が載っています。
そのまま,ご紹介しましょう。
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礼を正し,労をいとい,
憂いを忘れ,鬱を開き,
気を巡らし,病を避け,
毒を消し,人と親しみ,
縁を結び,人寿を延ぶ。
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お酒は,良いことずくめと思えてきます。
でも,この後に「罰酒の法」と続きます。
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古人罰酒の法あり。
三合を飲酌の限りとす。
もしこの法を失う時は,
家を乱し身を滅ぼす。
箕子一たびなめて良薬と賞し,
二度なめて心をみだすのなかだちとおどろき,
三度なめて国家を失う基と悟れり。
労なく憂いなき時,飲むべからず。
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江戸時代にも,お酒にはイマイチと思われる所があったのですね。