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中学1年の空間図形のソフト

楽しいソフトがまた一つできそうです。

中学1年の空間図形のソフトです。平面と直線の3つの関係「平面上にある」「交わる」「平行」が少し分かります。

直線の先に,うっすらと丸が映っているのが見えるでしょうか。
この丸をドラッグして動かすと,直線エルは交点のAを軸にしてグリグリと動きます。
そんな動きを見る程度のソフトなのですが,交わる直線はいろいろあるけど,交わっているのはいつも1点。そんなことが少しはわかりやすいかなと思っています。

このソフト,パッと見,簡単に作れそうに感じるのですが,これがどうして,なかなか難しいのです。
どこが難しいかというと,直線の一部が薄くなるように作ることです。
しかも,丸の所をドラッグすると,線の傾きがどんどん変わります。と言うことは,薄くなるところの長さも長くなったり,短くなったりするのです。そんな状態をどうやって作ったらいいのでしょう。
こういうところで頭を悩めます。

でも,こういうのも慣れの問題で,今では,「ははーん,そうなっていますか。なかなか,えぐい表現ですねェ~」とにやにやしている内に作り方の基本骨格が見えてきます。それから,それをどうプログラムするか雑ぱくに考えて,後はえっちらおっちらコツコツとプログラムを書き始めます。

この世界,実に面白いです。

中学1年 空間図形のソフト

中学1年生の空間図形のソフトです。

中学の数学は,面白いですよね。ソフトを作って動くようにすると,大人の私ですら,「面白い!」と感じます。
これなら,小学生が見ても問題なく理解できるなと感じています。

[桜]スライダーを上下に動かすと,平面がクルクル回ります。2点を通る平面はたくさんあることがよく分かります。

ところが,1点増やして,点の数を3つにすると。しかもその3点が一直線上にないとき。そうなると,どうなるのでしょう。
3点ですから,平面は1つしかできません。
難しいのは,それをしっかり伝えることです。それには,ちょっとした演出が必要です。その演出がうまく作れたので,これも面白くなっています。

中学のソフト開発は,算数ソフトにはない面白さ,楽しさがあります!
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中学1年の空間図形のソフト

中学1年の数学。空間図形のソフトです。

展開図に開いて,また,立体に戻るだけなのですが,その動きにちょっと工夫を凝らしています。
どんな工夫かを説明すると長くなりそうですので,少しわかりやすく工夫したと言うことにしておきます。

このソフトもそうですが,開くアニメーションと,閉じるアニメーションの両方を見ることができます。
これまで,技術的に一方だけを見るタイプになっていたのですが,両方見ることが簡単なプログラムでできることが分かったのです。
そのプログラムを活かして作れたので,とても良い気分です。

まだ,完成はしていません。この先,少し作り込みをするかどうか,今,思案中です。

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7月7日(土)は,野口先生の御自宅で「素麺流し野口塾」があります。私はセブンイレブンまでの送迎係です。
毎年,楽しく過ごして終わるのですが,今年はちょっと思うところがあります。1年後あたりを考えて,何人かの先生とゴソゴソとお話しをすることになるかもしれません。
そう思っていられる今が幸せです。

中学1年の「回転移動」のソフト

北海道の友達・福嶋顕勝先生が,ときどき写真を送って下さいます。
私が福嶋先生の写真のファンだからです。
花火の写真を見たときには,実に驚きました。
写真はここまで楽しめるのかと思ったほどです。

先日,春らしい写真が届きました。それがこのチューリップです。
見ているだけで,十分良い気分になります。

福嶋顕勝先生は,有田先生の大ファンでです。
先日,さくら社から出した『授業づくりの教科書 社会科授業の教科書〈5・6年〉』にも,福嶋先生の写真が使われています。
とても頼りになる素晴らしい先生です!

話しは変わり,中学1年の数学です。
回転移動のソフトが大方できました。

点0を中心に,線分A’B’が回転します。
動かし方は簡単です。
線分A’B’をドラッグすればいいだけです。

線分を動かすと,細い線が対応して表示されます。
青の中心角と,赤の中心角が同じなんだと,感覚的に理解していきます。

どうしてもよく分からない場合には,[?]ボタンをクリックします。すると,角度が表示されます。
これで「ああ,そうか」となります。
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算数・数学は,とにもかくにも「理解」です。
用語など暗記する所もありますが,理解を大切にすることが肝要です。

算数・数学でいうところの「理解」とは,「きまりが分かる」 ということです。
PCソフトを操作し,その体験から「きまり」を見いだせたら,それは素晴らしいことになります。
このソフトが,数学への理解の一助になればと願っています。

中学1年の「平行移動」のソフト

平行移動を学習する時に使えるソフトです。
理屈で説明されるより,「こういう事か」と直観的に感じ取って欲しくて,作りました。
その方が理解が深くなるからです。

平行移動の特徴は,「両者が平行」ということです。
それは,頂点を結んだ赤い線分の「長さが等しく」「互いに平行」となります。

それをどうやって表現するか。これがソフト開発の考えどころです。
シンプルにして,わかりやすい。
そうなるようにと思い,ダッシュのある図形を自在にドラッグできるようにつくりました。
もちろん,頂点を結ぶ赤い線分もドラッグに合わせて伸びたり縮んだりします。

これだけでも,見た目でなんだか「距離が等しい」「互いに平行」がつかめます。
特に,左側の線分の方は,見た目が既習の平行四辺形になるので,「ああ,そういうことか!」と理解が進みます。
その上に,重要な「数の同時表現」も機能として付けました。
「?」ボタンをクリックすると,赤い線分の長さが表示されます。見た瞬間に,「確かに同じ!」と分かります。

また,方眼も付いています。方眼は数ではありません。でも,マス目を数えることで,「数の代用」となります。
機能的には「数」の側に近い存在となっているのが,方眼です。
ダッシュの図形は,この方眼の交点に吸い付くように移動します。
ですので,方眼を数えることで赤い線分の傾きが等しいこともつかめます。

作り進め,自分で動かしてみて思うことは,「やっぱり面白い!」ということです。
ダッシュの図形を動かすと,それに合わせて赤い線分が伸び縮みするのも面白いです。
線分の中央に出てくる数が伸縮に合わせてどんどん変わるのも,見ていて楽しいです。

算数・数学の面白さは,このように「学習内容そのもの」に備わっています。
ですので授業の重要なポイントは,学習そのものの面白さを正面から示す事にあります。

余談ですが,小学校で平行四辺形を教えるとき,2本の棒の端にゴムをつけて,平行の感触をつかませたことがあります。
研究授業でやって褒められましたが,棒の距離が短くなるとゴムがたるみ,離れすぎるとゴムの力で戻されてしまい,演出できる範囲が狭かったのが難点でした。
それでも,動かない図で教えるよりは,とてもわかりやすい授業になりました。
もちろん,子ども達もグイッと惹きつけられて,良い感じでした。
今は,ソフトが開発されています。誰でも良い感じで「学習内容そのもの」の面白さを示すことができます。良い時代です。

「正の数・負の数」の乗法(中学1年数学)

中学1年生で「正の数・負の数」を学びます。

概念としてなかなか難しいのが「負の数」です。
たとえば,右のソフト画面の「(-4)×(+3)」は,どう考えたらよいのでしょう。

紀元前の大数学者ディオファントスは,方程式を解いて答えが負の数になる場合は,答えがないと考えていました。代数学の父と呼ばれる偉大な数学者ですが,負の数は理解が困難だったのです。

「(-4)×(+3)」を,小学校的な言い回しにすると,「1つ(-4)の物が,(+3)ずつあります」となります。
具体的な言い方になっていますが,逆にわかりにくいです。
マイナスは,物で説明するのが難しいからです。

負の数をわかりやすくしてくれたのがデカルトです。
座標で示すと負の数は,急速に把握しやすくなります。
矢印がつくと,一層わかりやすくなります。

ですので,式の意味を理解するには,式に対応した数直線での図を見せることが大切なこととなります。
一つだけでなく,幾つかの式とそれに対応した図を見せます。
すると, 生徒は生徒なりに頭が働き始めます。
どういうきまりになっているのか,きまりを見いだそうとします。

「×(+3)」は,元の数の方向に矢印が3倍されているなぁ。
「×(-3)」は,元の数と逆の方向に3倍されているなぁ。

式と図の関係から何かしらのきまりを読み取った時に,頭の中で中学生らしい「負の数への理解」が始まるのです。
この時に,理解を一層強めてくれるのが,「用語」です。
「正の数」とか,「負の数」という言葉です。

用語が使えると,
そうか,「×(正の数)」は,元の数の方向に正しく倍するのだ。
「×(負の数)」は,正しくないから,負けているから,逆の方に倍するのだ。
などと,用語に絡めて,それなりの理屈を付けやすくなります。

日本語の算数・数学用語は,その多くを漢字で表します。
その漢字の訓読みを使うことで,理解を強められる場合があります。
「垂線」の「垂」などもその一つです。「垂れる」と訓読みできると,垂線の理解が一層良くなります。

こうして理解できたら,翌日もまた式と図のつながりを見せて,理解が定着するように働きかけます。

このような理解を助ける数学ソフトの開発を,この先も進めていきたいと思っています。