Monthly Archives: 12月 2010

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デカルトの偉業

  研究所で,デカルトの偉大さについて話しました。
  デカルトは数を長さで表すことことを見いだした数学者です。この発見により,数学がとても把握しやすい学問になり,デカルト以降の数学は飛躍的に発展しました。
  同時に,わかり易さが学生・生徒にも伝わり,400年の間にデカルトの発見を学校1年生,2年生でもしっかり理解できるところまで降りてきました。
  デカルトの発見は,まさに算数・数学教育史も飛躍的に発展させたのです。

  また,デカルトは「関係の関係」の把握には,記憶に残っている間に,最低3回の繰り返しが必要であることも見いだしました。

  「座標」と「関係」,この2つは算数ソフトの「動き」に継承されています。その説明は省きますが,算数・数学が動くようになった今,デカルトの発見同様に,算数数学教育史はさらに歴史的に発展が進む段階に入りました。日本の算数・数学史のこの140年間は,大きな変化はあまりなく,さざ波,波打ち際程度の変化しかしていません。ほぼ横ばいが続いていたのです。それが終わり,上の学年の内容をどんどん理解していく時代へと進むようになります。
  微積を小学校6年生が理解する日がそう遠くない日にやってくると言うことです。

  研究所にいた皆さんは,かなり高いレベルで納得をしていました。
  わずかな人数の納得でしたが,その様子を見て,私は「歴史が動く」と感じるほどの感動をいただきました。
  

吉田松陰の漢詩

立志尚特異  立志は特異を尚(たっと)ぶ,
俗流與議難  俗流は與(とも)に議し難し。
不顧身后業  身后(しんご)の業を顧(おも)わず,
且偸目前安  且つ目前の安きを偸(ぬす)む。
百年一瞬耳  百年は一瞬のみ,
君子勿素餐  君子素餐(そさん)するなかれ。
              (『吉田松陰全集』山口県教育会)より)

  安政5年(1858)の春,松下村塾に山田市之允(当時15歳)が入塾。それから2ヶ月ほどした6月,松陰が扇に書いて,山田に与えた詩です。そして,翌年の10月,松陰先生は獄死しました。

  今は,NHKのドラマによるものか,かなり意訳された読みが広まっています。

立志尚特異 (志を立てるためには人と異なることを恐れてはならない)
俗流與議難 (世俗の意見に惑わされてもいけない)
不思身後業 (死んだ後の業苦を思い煩うな)
且偸目前安 (目先の安楽は一時しのぎと知れ)
百年一瞬耳 (百年の時は一瞬にすぎない)
君子勿素餐 (君たちはどうかいたずらに時を過ごすことなかれ)  
                (ウィキペディアより)

  どちらにしろ,強い立志を促す力を感じます。
  
  志が強いかどうかは,「リーダー」であるかどうかによると,私は思っています。どんな小さいグループでも,リーダーは何らかの方向性を考えざるを得ず,自然と志が形成されていきます。
  その志が大きいかどうかは,「時流を見る力」によります。時代の寵児と言われる人は,やっぱり大きな流れを感じ取り,それに逆らわず,そこに自らの才覚を生かそうとします。流れに合わせるのですから,次第に志も大きくなってきます。
  「百年は一瞬に過ぎない」と松陰先生が言っています。時代の行く先を見つめて,今をしっかり進むことです。ささやかですが,私の志も大きくなっています。

そろばんでは,指が出てきます

  そろばんの授業といえば,「運指」と呼ばれる,指で珠を運ぶ,その運び方をしっかり指導することが大切です。
  と,わかっていても,実際にはどうやって指を動かしたのか・・・,ちょっと忘れてしまって・・・。
  若い頃の私です。
  同じ轍を踏んで欲しくない!そんな思いで算数ソフトを作っています。

  ごらんのように,「指が出ます!」「珠の色が変わります!」
  右の画面を見ているだけで,運指がわかりやすいと感じてきます。

  「親」は言うまでもなく親指です。「人」は人差し指。7を入れるときには,親指・人差し指の両方を一緒に運ぶことがわかります。この後,緑色になった珠は,2本の指に押されるように動きます。

  「クリック」すれば,問題の数字が変わります。[桜]ボタンを動かしても,問題を変えることができます。短時間に,何度も「珠を入れる」「珠を払う」の学習ができます。
  子ども達にクリックさせて,問題を出題させると,子ども達のやる気パワーも満開です。

  授業がわかりやすくなる上に,とても面白い!それがこの算数ソフトです。

  上のそろばんソフトは,『子どもが夢中で手を挙げる算数の授業 3年5巻』に収録しています。

★そろばんの計算を指導していると,とあることに気がつきます。暗算をしてから,答えを入れる子がいることです。3年の5巻のそろばんソフトには,「計算の運指」もきちんと入っています。優れた日本の計算機である,4珠そろばんをしっかり理解させて欲しいです。
★3年の5巻には,「そろばん」と「重さ」が収録されています。

  

佐々木先生が応援を

  野口先生の音読のソフトについて,先日,このブログに少し書きました。早くも佐々木先生から協力希望のメールが届きました。ありがたいことです。
  まだまだ開発中が続きますので,実践的なご協力は,だいぶ先になると思います。でも,今からお力添えがいただける先生がいてくださることに,力強さを感じています。
  佐々木先生は,ディレクターも使えるので,そのプログラムも少しお話しできたらと思います。

  音読ソフトの第2回目の打ち合わせを,東京駅忘年会で飲む前に行いました。
   ・上から,下からも動くように。
   ・スピードは4,8,12。
   ・一瞬で全体を出す。
   ・テキストのみの表示にする。
  野口先生から具体的にお話をいただけたので,とてもわかりやすかったです。
  年内には修正版を作りたいと思っています。

野口先生と東京駅忘年会

  今年も野口先生と東京駅で忘年会をしました。今年で2年目となります。山中先生も良知さんも一緒です。
  何か特別なテーマがあるわけでもなく,今年を顧みたり,来年を慮ったりすることもなく,思い出したことをあれこれ話しています。でも,それがとても楽しいです。
  印象に残っている言葉は,「最後は人柄だよ」「晩晴だよ」です。
  思い返すにつけ,そうなんだよな,と思います。この10年間,野口先生と一緒にあれこれ歩んできましたが,やっぱり,野口先生のお心の寛さは,一緒に楽しく過ごしているだけでも,伝わってきます。晩年を晴れやかにしていけるよう,今を精一杯生きることが大切なのだと,しみじみ思います。

  来年の流しそうめん野口塾では,野口先生の御著書を野口家のどこかにきちんと並べようと思っています。それを行うための時間を取るのですが,山中先生から,「奉仕の時間」が提案されました。さすがです。

古西先生からのメールに熱い魂をみる

  中学校の古西先生からいただいたメールに,いたく感動しました。
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  中学校社会科の教師なので、本来、気にしないでいたいのですが、目の前の生徒が算数で困っているのを見ていていたたまれなくなりました。
  そこで、算数の授業DVD+BOOKを購入しようと思っています。まとめて全学年購入しようと考えています
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  中学生になったのですが,残念なことに算数で困っている生徒さんがいるのです。そんな生徒さん達を目の前にして,いたたまれなくなり・・・。
  古西先生の教師の魂をみた気持ちになりました。

  すぐにお返事をいたしました。
  そうしたら,さらに,嬉しいメールをいただきました。
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  小学校教員の時、中学校の数学で苦労しないように、という想いで験也さんのソフトを使いました。その彼女らは高校生になりましたが、算数・数学嫌いではなかったようです。
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  さらに,「算数嫌いを克服させたいなぁ~ 『先生、算数・数学って意外と面白いかも』と生徒に言わせたいと思っています。」と記されていました。
  
  中学でも,算数ソフトの役割があるようです。私もますますがんばらねばと思いました。