Monthly Archives: 4月 2011

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茶話会は算数授業創造の会/平均点95点!

  城ヶ崎滋雄先生,佐々木智光先生と私の3人で茶話会を開きました。
  非常に中身が濃かったです。
  
  佐々木先生から,いきなり「驚異の成果」の発表がありました。3年生の「九九を見直そう」の単元で,テストの平均点が95点です。最低点が80点。ということは,100点の子がぞくぞくと出たのです。

  これを聞いた瞬間,すごい!と感じました。
  何しろ,2年生の先生が苦労して覚えさせてくれた九九なのですが,春休みの後になると,九九がどこかへ行ってしまう子が結構います。その復習もしながら,やっかいな「九九の決まり」も新しく勉強します。そんな単元で,平均点が95点です。まさに,驚異です!

  ソフトは,佐々木先生お手製のソフトと,『子どもが夢中で手を挙げる算数の授業』の併用です。
  今回,特に驚いたのは,「7×( )=42」の学習で,300問を超える量の問題を一気に楽しくやり,全員の子が即答できるようになったことです。この大量練習は,まさにソフトでないとできません。
  やり方は,一人一問,これを順番に全員が答える。これを10セット。
  先生は答えを聞いては,次の問題をクリックして出題する係です。

  この授業で,子ども達は,自分が答える時はもとより,友達が答える時にも真剣に画面を見て,答えを見いだしているそうです。ですので,一人10問口頭で答えたので,頭の中では30人分=300問も答えているのです。すごい量です! 力がつくはずです!
  ソフトを使ったこのような良い方法が,この先もいろいろと生まれてきそうです。

  かけ算の決まりでは,「分配法則」を学習します。この学習は,かなり高いレベルの理解を必要とするので,子どもが「そうか!」と得心するように授業をするのは,なかなか難しいです。
   こういうところを佐々木先生はソフトを使います。
  ア,イのボタンを動かすと,量が変わり,同時に式も変わります。何問かやっている内に子ども達は「あっ,わかった!」となるのです。
  「量と式の見比べ」 これを回数多く出来るからソフトはすごいです。(3年の3巻に収録)

  今日の茶話会でも,「先生は説明を出来るだけ控える」「子ども達が説明をしてくるのを待つ」というのが,「算数の授業の新しいかたち」だ,と語らしました。
  算数は,いよいよ新しいかたちが生み出されていく時代に入ったのです。

  家に帰ると,フェイスブックから「友達リクエスト」が届いていました。長野県の先生からでした。

  「先生が作ってくださった算数ソフトは子どもたちに大人気です。
  とくに,落ち着きがない男子が喜んで手を挙げています。
  今後とも楽しいソフトの開発をよろしくお願いします」

  嬉しいじゃないですか。遙か遠く離れたクラスで,落ち着きのない子が喜んで手をあげているのです。これも,「驚異の成果」です。 

  「平均点が上がる」驚異の成果。
  「落ち着きのない子が喜んで手を挙げる」驚異の成果。

  長野県の先生も,新しい算数の授業を創造しているのです。とても嬉しいです。
   
  この先,城ヶ崎先生,佐々木先生と私で,「子どもが夢中で,先生も楽しく,大きな成果の出る算数の授業」を目指して,語り合っていきます!

  次回の茶話会は,「5月!」と城ヶ崎先生が言っていました。楽しみです。

5年,算数ソフト/体積

  5年生の体積のソフトです。
  直方体や立方体の体積の求め方を学習した後,L字型の立体の体積を学習します。
  
  基本は,既習の直方体や立方体の形になるように工夫することとなります。

  その考え方の一つとして,「全体-部分」という考え方があります。
  その「部分」の立体をマウスドラッグで動くように作り込んでいました。

  このプログラムは,なかなか大変でした。予定時間を遙かにオーバーしました。原因は,原因不明の誤作動が起こっていたことによります。どう考えても,正しくプログラムを書いているのですが,立体の形がグチャっとなるのです。こんな怪現象が起こるなんて,絶対にあり得ない!と思いもするのですが,コンピュータは書いてあるプログラム通りに動きます。ということは,私の書き方にミスがあったとしか言いようがないのです。でも,それがわからないのです。
  この原因究明に時間がかかりました。
  最終的にプログラムのミスに気がつくことが出来たので,ようようにして,動かせるようになりました。

  山場は超えました。完成は近いです!!
  5年生の算数ソフトファンの先生方,今しばらくお待ちください。
  明日か明後日には,「もっと!算数」サイトにアップします。

  算数ソフト
  「もっと!算数」サイトにアップされている算数ソフトは,『子どもが夢中で手を挙げる算数の授業』(さくら社)を御愛用の先生のために作っています。
  子ども達が「本当に夢中になる!」とお便りをいただいていますが,その子ども達の感動がさらに続くようにと,「もっと!算数」サイトに,後続の算数ソフトのアップを続けています。
  本のDVDに入っている算数ソフトと,「もっと算数」の両方を上手に活用して,算数をさらに内容の濃い,楽しい授業にしていただけたらと願っています。

    日本国中の子が算数を好きになりますように!

日めくり『教室論語』が教卓に!

  論語が好きなので,時々論語の本を読んでいます。
  さすがに,2500年の歴史を経て,今日まで読み継がれているだけのことはあります。書かれている言葉が,体に心に響いてきます。重みがあります。

  その論語の中から,学級づくりの役に立つ言葉を選んで「日めくり」にしたのが,『心に刻む日めくり言葉 子どものための教室論語』です。
 
  これを教卓に置いて,新学期をスタートさせている先生方がいます。すごい!と感心させられています。

  その先生方からのメールには・・・

    あっと言う間に注目されました。
    「先生俺休み時間に全部読んだよ!」と言った男の子もいました。  

とありました。
  教卓に置くだけで大注目となり,解説文まで読んでしまう子がでました。さすが,論語と思います。

  2年生の教室でも,,子ども達に受け入れられています。
    教卓において毎日唱和しています。
    うっかり唱和を忘れると「今日はまだ論語を読んでないよ」と子どもたちに言われます。

  朝の会で唱和している先生もおられます。
  また,係活動の一環に組み込んでいる先生もいます。    
    係の子が、小黒板に毎朝写してくれ、毎時間の号令の際、全員で唱和します。
    興味の湧いた子が、カレンダーの解説を読みに行きます。
  
小黒板に書き写して,みんなに見えるようにして・・・。これもなるほどと思います。それだけの事をするに値するのが論語なのだと,わかっている先生なのです。力量を感じます。 

  この『教室論語』は,「日めくり」の形になっているので,毎日のリズムになりやすいのだと思います。
  論語の唱和が日課となって,1年間続けたら,孔子の価値ある言葉が子ども達の心に息づきますね。
  子ども達同様,私までも良い影響を受けています。仕事部屋でいつでも目にふれているので,孔子の教えが私の心を涵養してくれています。ありがたいです。

 

横藤雅人先生,野中信行先生の本

  北海道の横藤雅人先生の新刊です。
  
  開口一番,「学級経営が難しい時代になった」とあります。さらに,「これまでの・・・教育のモデルが,時代に合わなくなっている」と述べています。
  これは大変な事です。経験豊かな先生が,若い頃に学んできたことが,時の流れとともに次第に通じなくなるのです。
  でも,これは,私が若い頃も同じでした。年配の先生方は,やっぱり「今の子は・・・」と言って,子ども達が変わり,世の中も変わり・・・と,その緩やかな大きな流れを感じ,グチをこぼすことがありました。
  学校の外を見ても,似たようなことはあちこちに起こっています。わかりやすいのがお店です。新しいお店には人が流れますが,店構えを変えなかった所からは客足は遠のくのと同じです。
  「時代に合った指導」が学級には大切なのです。

  今という時代の子ども達とどう向き合ったらよいのか,横藤先生は「織物モデル」が大切と,「縦糸,横糸の絡め方」を学び実践することが大切と述べています。それにはどうしたらよいのか,それが詳しく,しっかりと書かれています。
  そこから,野中信行先生は「縦糸・横糸の教育学」と「3・7・30の法則」「群れを集団へ」の3つが重要と伝えています。
  内容も具体的に記されています。若い先生,学級経営に不安のある先生に,お薦めの一冊です。

  そうして,一押しは,野中先生の「得意な話10個」のタイトルを教室に掲げておく,という実践です。これは際だって良いです。どう良いのかは,この本のp95をごらんになってください。そこを見て,ぴんと来る先生は,かなりセンス良いです。こういう実践をしている先生のクラスは崩すのが難しいと思います。

  学級経営の基本的なことからハイレベルなことまで,かなりきちんとまとめられている本として,若い先生には左の藤本浩行先生の本も良いです。
  こちらは,若い先生を指導する立場にある先生にも読んでいただきたい一冊です。
  

5年,算数ソフト/体積/工夫して体積を求める

  L字型の体積を求めます。
  基本の考え方は,3つ。

  1) 縦に切る
  2) 横に切る
  3) 全体から部分を引く

  どれにも共通していることは,「工夫して既習の直方体の形にする」ことです。
  
  このソフトの特徴は,立体の形を変化できるところです。青いつまみをドラッグすると,形が変わります。
  
  考え方1,考え方2,考え方3のボタンをクリックすると,切れ目が出ます。

  考え方3は,左のように不足部分に緑の直方体が出てきます。これで,全体から部分を引けば,良いことがわかります。

  式や答えも登場します。

  まだ,もう少し作り込むので,これが「もっと!算数」にアップされるのは,土曜か日曜頃になります。

  5年生の先生,算数好きの子を増やしてください。私も頑張ります!

計算の確かめ用アイデア「確かめカニ太郎」

  「教材開発」関連のメーリングリストに参加しています。そこで,ドリルの話題が出ましたので,昔,自分が開発した「確かめカニ太郎」という工夫を紹介しました。
  
  計算ドリル・プリントをやっても,答えを間違える子がいます。間違えているかどうか,それを自分で点検してほしいのですが,なかなかしてくれません。そんな現状を何とかしたいというのが,当時の私の思いでした。

  以前は,計算を間違えた子に「確かめ算(検算)をしましょう」と促していました。ですが,その確かめ算で間違えてしまうのです。せっかく出した正しい答えなのに,確かめ算で間違えてしまい,正答を誤答に書き直してしまう子もいました。何とも,かわいそうなことをしました。そうして,確かめ算をやらせると計算量が倍増してしまい,次第に計算をいやがる子が増えてきたのです。

  そこで,何か妙案はないかと考えたのが,「確かめカニ太郎」です。
  「確かめカニ太郎」は,いくつかのバージョンがあるのですが,一番シンプルなのが「答えの数字の合計を知らせる」という方法です。
  答えが2桁以上になるときに使います。答えが「1215」だったら,「9」になります。
  答えが1桁の時は,「1桁」であることを伝えます。


  左のような感じになります。

  検算をさせるより簡単で,しかもドリルの答え合わせの前に確かめることができるので,子ども達もかなり真剣になります。

  ※ カニは最初,カメでした。「確かめ算」と「カメ」と出てくるので,最初はカメだったのです。でも,あれこれあって,カニになりました。「」と確信を持てる瞬間がやってくるからです。