Monthly Archives: 6月 2011

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3年,円と球のソフト

  3年生の「円と球」のソフトです。
  箱の中にボールが入っている問題です。昔からよく出題されているポピュラーな問題です。

  見慣れた問題なのですが,これがなかなかくせ者で,球の直径がピンとこないのです。
  若い頃,この問題が解けない子が多かったので,20問ぐらい類題をプリントで出したことがありました。今,思い返すと,ハードボイルドな指導だったように思います。

  このソフトを作るきっかけになったのは,「算数・数学を好きにする会」のMLです。藤本先生から子ども達の躓きがあったことを教えてもらったので,時間を見て作りました。藤本先生,良いきっかけをありがとうございます!

  右上の青いボタンをクリックすると,上から見た場面に切り替わります。
  左の画面です。
  今,直径が見えていますが,はじめはボールになっています。水色の[?]ボタンをクリックすると,球の上半分がとれて,球の切り口が見えるようになっています。
  そこに「直径」と書いてあります。
  この「直径」が動きます。縦や横に並ぶように動きます。
  何というか,見ていてい楽しいです。

  スライダーもついています。ボールの数が増えたり減ったりします。それでも,考え方は同じだねと分かってもらえたら,嬉しいです。

  「もっと!算数」サイトに,藤原先生がアップしてくれました。3年生担当の先生,ぜひ,ご覧ください。

6年生の「起こりうる場合」のソフト

  6年生の「起こりうる場合」の学習は,なかなかやっかいです。順列組み合わせの基礎を学ぶので,実際にカードを並べて,略号を使って・・・と授業をしていきます。
  その昔,私も苦労をしました。

  算数DVDソフトの6年4巻に,「起こりうる場合」の単元のソフトが収録されています。その一つが,右のソフトです。

  「4枚のカードの並べ方は何通りあるか」の学習が出来ます。
  まず,白地にある4枚のカードをクリックしていきます。クリックされたカードは,飛び出して,白地の下のコーナーに移動します。それがオレンジのコーナーにも記録されます。
  4枚ともクリックすると,また最初に戻って,次の並べ方を作ることが出来ます。

  この学習にもちょっとしたコツがあります。
  はじめは計画的にカードを選ばせないようにすることです。一人の子を示して並べ方を発表させ,別の子を指名して並べ方を発表させて・・・とやっていくと,無計画な並べ方になっていきます。
  そうすると,途中で「まだ無いのはどの並び方なのか」これが分かりにくくなってきます。こうなって初めて,「じゃあ,どう並べていったら良いんだろう」と導きます。整理された並べ方ができてきます。

  混乱 → 整理

  この手順は,算数の定番です。
  グラフ関係の指導も基本はこの流れです。バラバラの資料を整理して見やすくしているのがグラフなのです。
  「混乱 → 整理」の流れを大切にするのは,算数・数学が「整理された学問」だからです。

  7 8 2 6 5 9 1 4

  このように無秩序に並んでいると何も見えてきません。
  しかし,下のように順番に並ぶと,何か気がつきます。

  1 2 4 5 6 7 8 9

  3が落ちていることに気がつきます。
  これが「落ち」です。
  
  1 2 3 3 4 5 6 7 8 9

  このように並んでいたら,3が重なっていることに直ぐ気がつきます。
  これが「重なり」です。

  この「落ち」と「重なり」が生じないように,並べ方を見つけるのが,この単元の学習です。そのために,順序よく整理して並べていくことの大切さをしっかりと学ぶことがこの単元の重要なポイントなのです。

  「落ち」と「重なり」の確認をするボタンも,ソフトにセットしました。オレンジのコーナーの下部にあります。それをクリックすると,下のように「重なり」や「落ち」があるのか無いのか,教えてくれます。

  どこに「重なり」があるのか,「落ち」は何通りあるのか。これが分かるので,授業が円滑になります。
  非常に高度な算数ソフトです。お手持ちの先生,単元がやってきましたら,是非ご活用ください。オレンジの記録コーナーに整理された並べ方が完成したら,プリントスクリーン機能を使って,出力して,教室掲示にご活用ください。

横田経一郎先生の本が出ます

  だいぶ前のことですが,横田経一郎先生が「出版学習」について話してくれました。聞き慣れない学習なので,どんな事なのか聞いたら,これがとっても面白く,向かっていく方向性も実によく,本になったら良いなと思っていました。
  
  その本がいよいよ発売,間近です!
  今月17日(金)に発売になります。嬉しいです。
 
  『10の力を育てる出版学習』(さくら社)です。

  冒頭に10の力が記されています。実践もたっぷり入っています。
  発売になりましたら,是非お読みください。
  
  横田先生は野口芳宏先生のお弟子さんです。それも,新卒時代時代からですから,年季が入っています。市の指導主事や教育センター長などを経て,今や県の指導主事です。その力量はすごいです。
  夏すぎ頃,また会食をしたいと思っています。
  

5年/分数×整数の練習問題ソフト2本目

  前回作った「分数×整数」の計算練習ソフトは,3つのタイプ(約分する,約分しない,整数になる)を一つずつ学習するためのソフトです。
  今作っているのは,計算問題が出て,長分数を作った時に,「約分する」か「約分しないか」の判断力をつけるソフトです。ですので,3つのタイプがどれとはなしに出てきます。

  今回のプログラムは,機械的なプログラムではなく,かなり泥臭いプログラムで書いています。それほど,分数のソフトはやっかいなのです。
  こういう作り方をしたとき,ミスが発生しやすいので,今日は上の画面までの数字の入れ込みが出来たので,「10000回テスト」をやってみました。これも,プログラムを書いて実施します。なかなか,奥が深いです。

  ところで,分数なのですが,「2/3」をどうして「3分の1」と言うのでしょう。昔,中国の算術書に「三分之一」と記述されていたので,そのまま今も続いているのです。でも,どうしても「の」の意味が分かりません。今の時代,この「の」の使い方はわかりやすいのでしょうか。国語の先生に会ったら,今度伺ってみたいと思っています。

  本来なら,「3分1」となるべき所と,私は考えています。
  300は「100が3」なのです。
  「10が5」で50なのです。  
  同様に,「3等分が2」あったら,2/3です。
  だから,2/3は「単位数がいくつ」と考えるなら,「3分が2」なのです。

  「の」に慣れてしまっているので,このように書いても何の意味もありませんが,中国語表現への迎合をすこしずつ日本語表現へと移していく声をあげるのも,日本の算数ファンの役割と私は思っています。 
  なにしろ,戦前は帯分数を「32分の1」と,「と」ではなく「か」と言っていました。記述の場合は「ケ」を用います。これが戦後変わったのですから,「の」が「が」変わることがあっても,それほど不思議なことではありません。 

東京で某嬢と

  東京のIT大手の会社からお声を掛けていただき,打ち合わせに行ってきました。
  受付で電話をして待っていたら,なんと某嬢が入って来たのです。何というか,びっくりするやら,久しぶりやらで一気に盛り上がってしまいました。
  某嬢から元気をいただいたので,その後の取締役の方との打ち合わせは円滑に進みました。

  打ち合わせの合間の雑談の時に,faceBookの話題が出ました。
  badooの話題です。これがなんと出会い系サイトなのです。しかも,外国の。
  取締役の方が言っていたのは,学校の先生が気がつかないで登録してしまったら,信用が一気に落ちると言うことでした。
  ネットは気をつけるようにと指導する先生が,出会い系サイトに顔写真が出ていたら,シャレになりません。
  この話を聞き,ネットは町と同じで,妙なところには顔を出さないことが大事なのだと思いました。

  道中,『日本書紀』を読んでいました。
  気分が舞い上がっていたせいか,大きな誤読をしました。
  欽明天皇の章に,仏教伝来のことが載っています。その近所に「教」という漢字が出てきます。これのルビが「みのり」なのです。
  「教」が「みのり」。
  これは,できすぎ!と思うほど喜んで,何とも良い気分になってしまいました。
  でも,これは誤読でした。天皇の言動には「み」がつくので,「みのり」は「み・のり」なのです。仏教の法(のり)は尊いので「みのり」とルビがついていたのです。
  
  そんな誤読をしましたが,なんだか良い気分であることには変わりません。

  
  
  

福山先生のメーリングリストで

  山口県の福山憲市先生が主催するミス退治というメーリングリストに参加しています。
  このMLは非常にレベルが高いです。参加している先生方のやる気がどんどん高まっていく魅力あふれるMLです。
  そのMLに福山先生が次のように書かれました。
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4年の先生に話しました。
●一 十 百 千  十万・・・・・
こんな風に子どもたちが読んでいたので、
●一 十 百 千 一万 十万・・・・・
ぜひ、一万と読んでくださいとお願いしました。

「何の位ですか?」というテストの問題に、一万の位と書けない子がいるのです。
万の位と書いてしまうのです。
●一億や一兆は一とちゃんと言っています。
万もちゃんと一万と・・・・。

そう思う福山です。
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  子ども達がつまづくところが,フッと話題として流れてきます。
  読むだけで,刺激を受けます。

  「一万」と読ませるには,言葉の区切り目を下のようにするのがコツです。

   一 十 百 千  一万 十万 百万 千万  一億 十億 百億 千億  一兆 ・・・・・

  「いち じゅう ひゃく せん まん」と続けて言うのは,江戸時代に大流行した『塵劫記(じんこうき)』の影響です。
  
  塵劫記には,右の通り,大きい数のことが出てきます。それも,いの一番に出てきます。
  また,昔は書いて覚えるのではなく,声に出して何度も繰り返して覚える「口頭学習」が主でしたので,ズラズラと読んでいきます。繰り返し読んでいると,自然とリズムが生じてきます。リズムは五七調が基本。「いち じゅう ひゃく せん まん」が一区切りのようになって,今日に伝わっているのです。
  これが日常的な言い方になってしまい,今の学校でも「いち じゅう ひゃく せん まん」となっているわけです。

  算数は,見方を変えると「日常に密着した数学」なのです。ですので,日常的な言い方が算数には随所に見られます。
  たとえば,三角形・四角形・五角形と,3,4,5に漢数字を使って表記するのも日常の密着です。「三角形」「四角形」「五角形」が熟語として成立してしまっているので,その表現に合わせているのです。
  算数的には,「3角形」「4角形」の方が表現として良いのですが,今の時代はまだ日常優勢です。(国語的表現が優先されているとも言えます。算数ファンとして口惜しいところです)

  話を戻しますが,「一 十 百 千,  一万 十万 百万 千万, ・・・」と区切り目を変えると4桁で単位が変わる学習にも結びつき,より,算数的になります。

  福山先生のMLの記事を読んでいると,こういうことが頭に走ることが多々あります。私にはとても魅力的です。関心のある先生は福山先生にご一報ください。
   ( 2822640601◆jcom.home.ne.jp 半角の@のところは◆に変えてあります。)