Monthly Archives: 5月 2012

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facebookに後藤能敬先生の算数ソフトを使った授業実践が!

facebookの友達に後藤能敬先生がいます。
後藤先生は,3年生の算数の授業に,『子どもが夢中で手を挙げる算数の授業』 (3年4巻)を使われています。
その授業の様子を,写真付きでfacebookにアップされています。
写真付きなので,ソフトの様子だけでなく,板書まで見ることができます。
とてもしっかりとした指導が展開されていることが良く伝わってきます。

今,アップされているのは,3年生のわり算の授業です。
この単元では,分け方が2種類あり,それを「等分除」「包含除」として分けて考えています。
この2つの考え方の違いですが,教師は理解しても,子ども達にはなかなか難しいものがあります。
そこを「1こ1こ作戦」「4こ4こ作戦」と,さすが!と思える指導がなされています。
詳しくは,後藤先生のfacebookをぜひご覧下さい。
とても勉強になります。
http://www.facebook.com/yoshitaka.goto.142

 

★算数ソフトを使うとき,ワイアレスマウス(無線マウス)があるととっても便利です。USBの差し込みとマウスが分離しているので,子ども達が席に座ったままマウス操作できます。自席にいながら,大きく映し出されたソフト画面のボタンをクリックできるので,授業が円滑になります。

『言語技術教育研究 1』が出ました!

新刊『言語技術教育研究 1』が出ました!

全体が3章で構成されています。
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第一章 研究論文
第二章 実践提案・小学校の現場から
第三章 実践提案・中学校の現場から
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こういう形のしっかりした内容の本を出そうよ!と話してくださったのが,江部満氏です。
言語活動の充実を全教科で行い進めていく今,そこをしっかりと示していく本を作ろう!ということで,あれこれ働きかけてくださいました。

著者の位置には,伝統ある「国語教育研究所」を置くことになりました。現在の所長は市毛勝雄先生。佐藤洋一先生が事務局長をされています。そうして,理事には江部満氏が構えています。

市毛先生・佐藤先生・江部氏を中心に,執筆陣も決まりました。豪華キャストです。

青山学院大学教授 小森 茂氏
植草学園大学教授 野口芳宏氏
京都女子大学教授 吉永幸司氏
常葉学園大学教授 中村孝一氏
盛岡大学・盛岡大学短期大学部学長 望月善次氏
宮城教育大学名誉教授 渋谷 孝氏
立命館小学校 岩下 修氏
東京未来大学講師 深谷幸恵氏
東京都豊島区立豊成小学校 左近妙子氏
熊本大学教育学部附属小学校 下中一平氏
滋賀県甲賀市立土山小学校 木村健二氏
学習院中等科 岩﨑 淳氏
群馬県太田市立強戸中学校 神部秀一氏
鹿児島県鹿児島市立第一鹿屋中学校 原口栄一氏
東京都練馬区立開進第二中学校 井上敬夫氏
聖霊中学・高等学校 蔭山江梨子氏
愛知県刈谷市立依佐美中学校 伊藤清英氏

野口先生もいらっしゃれば,岩﨑先生も。
晩晴会の神部先生もいらっしゃいます。
友達の岩下先生,原口先生も!
読むのが楽しみです!

国語はもとより,他の教科でも「言語活動の充実を!」とお考えの先生,ぜひ,一度お読み下さい。

 

 

5年生,小数のわり算ソフトのアイデア

友達の藤本先生から,嬉しいメールをいただきました。
知り合いの先生に算数ソフトを紹介したら,その先生が「これで、3000円、安い!」と言われたそうです。
さらに,「これ一つを作るにも、すごい労力を必要とするんだよ」とも言っていたそうです。
ソフト開発を実際にやったことのある先生から,こういう好評をいただけて,何とも有り難い次第です。

算数のソフト開発の肝は,やっぱり「わかりやすさの演出」にあります。
その演出には,大きく2種類あります。
1つは,黒板や教科書ではできない表現を示すことです。
1つは,「見てなるほど!」と思える表現を示すことです。

5年生で小数のわり算を学びます。
このソフトを開発したとき,始めはわり算の式を普通に表現していました。しかし,それでは,「見てなるほど!」 感がでません。割る数より大きくなるなら,商の文字サイズも合わせて大きくなるようにしてみたくなり,プログラムに加筆しました。
そうしてできたのが,この画面です。
見ていて面白いですよね。

こういう面白いアイデアを加えられるのは,わり算を理解する基本である数直線が示せているからです。
「わり算」という言葉は,「1だったらになったらどうなりますか」ということなのです。ですので,文章問題では,数直線が書ければ,アバウトながらの商の見当がつきます。
上の画面で言えば, ピンクの線が1になったら,「6.2」はどうなるかと見ていけばいいのです。ピンクの線は見た目,2倍とちょっとで1になります。ですので,「6.2」を2バイトちょっとしたあたりが答えになります。
こういう視覚的概算ができるのが数直線の特徴です。

基本をしっかり押さえた上に,さらに,ちょっとしたアイデアを載せられると,算数はグイッと面白くなります。
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『子どもが夢中で手を挙げる算数の授業』 (5年3巻/さくら社/3000円+税)
・小数のかけ算
・小数のわり算
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算数ソフトが,ソフトを自作されている先生にも喜ばれているので,これはますます良いソフトを開発して行かなければと思います。
多いに張りきっています。
藤本先生,ありがとうございました!!

 

 

4年の算数ソフト「空間座標」

4年生の空間座標。

ちょっとわかりにくさが生じるのが,「縦」です。
平面座標の時には,真っ直ぐ上に伸びていた縦なのですが,それが空間座標ではナナメに伸びていきます。「高さ」にその場所を譲るためです。

そこがうまく理解できない子もいるので,平面座標から空間座標へと変わる様子をアニメーションで見えるようにしました。
[工夫]ボタンがあります。
これをクリックすると,正方形の座標が右に45度傾きはじめます。その時には青の矢印も 一緒に傾きます。
青の矢印は縦を示しているので,縦がナナメになったとつながります。
こうして,縦は平面では真上だが,空間になるとナナメで表現することを理解していきます。

では,新しく登場した「高さ」はどうなるのでしょう。

2つめの[工夫]ボタンをクリックすると,上に伸びるアニメーションが始まります。
この時,床のような平面が1枚登場します。
その平面が1メモリ上に上がると,また1枚登場します。
そうして,最後に桃太郎がでてきます。桃太郎の位置が(2,4,3)の示す位置となります。

この様子を見ると,ビルやマンションや立体駐車場の1階,2階と類似した感触を子どもは持ちます。
建物での階層の数え方は,算数とはちょっと違う数え方になっています。スタートが「1」なのです。地上と同じ階が「1階」となります。
建物の階数の呼び方は,生活から生まれたので自然数の考え方が当てはめられています。
自然数というのは,皆さんもご存じのように,1,2,3,4・・・と,1から始まります。

これに対して,座標は数学上で生まれてきた概念なので,基準となる点は「0」となっています。原点ですね。0が基準になっているので,座標では正の数も負の数も小数も・・何でもスッキリと表現でき,大変便利な思考ツールになっています。

このソフト,工夫を見た後,[次に進む]ボタンが登場します。
それをクリックすると,空間座標の読み方が学習できるようになっています。
桃太郎の位置を「横・縦・高さ」の順に数で表現する学習です。

空間の表現を理解を一層深めてもらえるように,ヒントを用意しました。
ヒントは2種類!

【ヒント1つめ】
矢印が出ます!
このヒントで読み進め方がしっかり分かります。

【ヒント2つめ】
直方体が出ます!
同じ単元で学んだ直方体の見取り図が,空間座標の読み方に役立ちます。

ヒントを両方見せると,なるほど感がグッと高まりますね。

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算数ソフトを使う先生がどんどん増えています。
算数が大好きになる子もどんどん増えています。
とても,嬉しいです!
◆ DVD算数ソフト『子供が夢中で手を挙げる算数の授業』
◆ 「もっと!算数」サイト
もっともっとたくさんのクラスで使って欲しいと願っています。

4年の平面座標の位置を見つけるソフト

平面図形の位置を見つけるソフトです。
クリックをしてできた数を見て,それが座標のどこなのか,考えます。
「ここだな!」と分かったら,座標のその位置をクリックします。
正解だと,●がでてきます。
不正解だと,不正解音がなります。

こういうところは,できれば子ども達にクリックさせたい所です。
それには,ワイアレスマウス(無線マウス)があると便利です。
私自身も講演ではワイアレスマウスを使っています。それをフロアの先生方に手渡し,先生方にクリックしてもらっています。
緊張感,愉快感が断然良くなります。
ワイアレスマウスは,教室の必需品ですね。

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ところで,平面座標の位置をなぜ「横,縦」の順に示すのでしょうか。長方形の面積のように「縦,横」としないのは,なぜでしょう。
こういう素朴なところは,なかなか教えてもらえにくいところです。

平面座標は,数直線が上下に拡張された概念なのです。
1年生の時に,10までの数や20までの数を習います。絵を伴った数直線も登場し,「数は並べて考えるんだ!」と教わります。この数直線は,100までの数で右に拡張されます。2年生で1000まで,1万までと学習し,右へ右へとどんどん拡張されていきます。
まるでアメリカの西部開拓のようでもあり,大航海時代のようにも思えてきます。

数が多くなると,表現上,横長になりすぎるので,中身の「圧縮」も行われています。
「拡張」と「圧縮」。
これは算数・数学の重要な考え方です。

「拡張」は,同様に大きくしても成り立つかな? と考える思考です。
「圧縮」は,大変だからチョー簡単に! と考える思考です。

「拡張」は冒険的な思考で,「圧縮」は面倒くさがり的思考です。
こういった人間くさいところがそのまま入り込んでいるのが算数なのです。

右へ右へと伸びた数直線。億や兆まで習うと,もう無限に右に伸びていくことが分かってしまいます。
それなら,「今度は左だ!」となるところですが,左は負の数になるので,中学までお預けです。これも,妙な話で,日常に負の数が頻繁に出る時代になっているですから,数直線を伴えば4年生ぐらいで負の数をガンガンと教えても問題ないはずなのです。
「負の数は中学から」
どうにも算数数学の都市伝説と思えてなりません。

左右への伸びが限界に来ると,突然変異的な拡張が始まります。
上下に伸びるのです。
左右とは全く質が違います。かなりぶっ飛んだ頭をしていないと,この手の拡張は生み出せません。
だから,意図的に教えていくことがとても大切となります。

上下の内,下は負の数になるので,教えるのは上にだけです。
これが,4年生で学ぶ平面座標です。
横に伸びてから上に伸びているので,これがそのまま「横,縦」という順の表記になったのです。

「突然変異的な拡張」の極めつけが,平面座標のすぐ後に登場してきます。
空間座標です。
空間座標ですから,実物を見せるのが一番良いのですが,伝達性を高めるには本などの平面上に表現します。三次元の物を二次元で表現するのですから,当然,無理が生じます。
その無理を乗り越えるのが「工夫」です。先達は縦の線を斜めに示す工夫をしました。この工夫は非常に画期的なことと,私は感動的に見ています。

空間座標のソフトも作り進める予定です。とても楽しいです。

『扇 性と古代信仰』面白いです!

この頃,良い本に良く出合っています。
この『扇 性と古代信仰』は面白いです。

小説のような書き方になっているので,「なんだか妙な本だな」と思いましたが,読み進めると,これが実に感動的です。
感動の一つは,吉野氏が退職をしてから研究して書いた本がこの本だと分かったことです。
退職をしたら静かな余生を・・・となりがちですが,「なぜ?」を追究する熱いハートがあると,専門書を書けるほどになるのです。
やっぱり,幾つになっても基本は同じです。
「熱いハート」と「フットワーク」と「読書」です。

もう一つの感動は,扇が性や神事と深い関わりがあるという吉野氏のひらめき,そのひらめきをどんどん証明していく痛快さがこの本にはあふれています。
現地での観察眼も素晴らしいですし,古典の読み方もとても勉強になりました。

こういったピンポイント専門書は,面白い物が多いですね。自分の興味の範囲では 「そろばん」と「箸」の本を読みましたが,両方とも得るところが多かったです。