Monthly Archives: 5月 2013

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『日本語(下)』に分数のことが載っていました

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東京駅近くにある丸ビルで酒席があったので,道中,『日本語(下)』を読んでいました。
本を読むスピードは,かなり遅いようです。
1冊読み終わるのに何日もかかります。急いで読むと,美味しいところを素通りするので,そんなもったいないことはできないと,頭が追い付くスピードで読んでいます。貧乏性なのかもしれません。

この本,日本語の本なのですが,下巻にも算数のことが載っていました。
分数です。
2/3を日本語では「3分の2」と下から上に読みますが,英語では「two thirds」と,上から下に読むのだそうです。

分数を上から下に読むようにしたら,縦書きの文章と同じ流れになるので,それはごく自然な読みの形になります。
そうなると,「2の3分」「2を3分」などという読み方になり,その意味がかなりつかみやすくなります。それだけでなく,2÷3にもつながりやすくなります。
金田一先生はそういう読み方にしたら・・と書いてくださっているのですが,算数の世界には届いていないようです。

もともと,分数は中国から輸入した概念です。
ですので,「三分之二」などと書いてある書物から学び,日本語として「三分の二」と読ませていました。
日本書紀にも,方丈記にも,江戸の書物にも中国学びの分数表記が登場しています。
そうして,明治になり,欧米の2/3という表記が輸入されました。すでに,読み方は中国流があるので,それをこの表記にバシッと当てはめたのです。
そうしたら・・・。なんと,下から上に読むことになったのです。

算術用語が決まっていくまでの間には,きっと,下から読んだら変だよ!という意見もあったと思います。
思い切って,欧米風に上から読もうといった声もあったろうと思いますが,当時の国内は「漢文崇拝」です。漢文では,返り点を使って下から上に読むのはごく当たり前のことです。違和感も少なかったので,いかんともしがたかったのだろうと思います。

はっきり分かったことは,読みは中国流,表記は欧米流というのが,今の分数の姿ということです。
この中洋折衷が下から読む原因なのです。

明日は,ひさしぶりに喫茶「さぼうる」で打ち合わせをするので,この本の続きを読みたいと思っています。

6年生の分数のかけ算のソフト,新作がほぼできました

8661_4001より小さい数でかけると,積は,元の数より小さくなります。5年生の時に,小数で勉強してきています。
同様のことが,分数でも起こるので,それを勉強するソフトを作っています。それが,ほぼ完成してきました。

「見ている内に分かる」アイデアが2つ盛り込まれています。
1つは,積が面積として大きくなったり,小さくなったりすることです。
これは見ているだけでも楽しいです。
直観的に,「そうか!」と伝わってきます。

2つめは,縦棒の長さでかけられる数と積とを見比べられるようにしています。

こう書いている内に,一つ機能を盛り込みたくなりました。
それを今,作り込みました。
ですので,ダウンロードできる時には,[?]ボタンが1つ増えています。
あると嬉しい機能を盛り込みました。

ダウンロード販売できるように,進めていきます!

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「見ている内に分かる」という状態が,どれほど子ども達を救えるか。
これは,算数ソフトを使う算数の授業の大きな研究課題です。
できない子へ,だれでも対応できる授業がそこに現れるからです。

最も重要なことは,見ている内に「何かに気付く」ことです。
こうでしょう,と教えられて分かるのではなく,自分で気付くことです。
この自分で気付く瞬間を迎えることこそが,算数の理解で最も重視する所です。

城ヶ崎先生は,4年生のわり算の筆算で,「九九のできない子」がわり算にチャレンジしてくる指導を展開しました。
もちろん,『子どもが夢中で手を挙げる算数の授業』の4年4巻を使ってのことです。

九九ができないので,わり算の筆算の「立てる-かける-ひく-おろす」の中の「たてる」だけをその子にどんどん答えてもらったそうです。
そうしたら,そこだけ注目すればいいので,次第に立てる数が分かってきたそうです。
その上,毎度,×1,×2,×3・・・と順に口にしていたのですが,途中から,×3から口に出すなど,「探索的思考」ができるようになったのです。
クラスの子も,その子を褒め・認めます。1時間の間に成長している姿に拍手を送ります。
親和的な良いクラスなのだと伝わってきます。

そうして,何倍を答えるテストをしたら,なんと6割も正答したそうです。
本人にやる気が出てきたので,伸びが始まったのです。嬉しいことです。

◆ 部分的に取り組む
◆ 集中して繰り返す

これが,「気付く」瞬間を迎えさせてくれます。
この瞬間がやってきたとき,「私もできるかも」を感じてきます。
すると,これまで算数に感じていた「暗さ」が,急に「明るさ」を持ち始めます。
「勉強したい」という気持ちが誘発されてきます。
その気持ちの流れに合わせて,導いてあげれば,伸びていきます。

6年生の分数×分数のソフト

運動会の代休で,城ヶ崎先生がお休みだったので,いつものジョナサンで「臨時・チーム算数」を開催しました。

城ヶ崎先生と話していると,内容が濃くなるので,とても面白いです。
今日は,悪いことをした子を叱る場面での対応の話しがでました。
どう対応するかを考えるに当たり,知っておいた方がいいのが,論語の一節です。盗みをした父のことを法廷で正直に言うべきか,言わない方が良いかという,あの場面です。

その絵を描いて話したら,さすがは城ヶ崎先生。「その絵の中の子どもの位置こそ,教師の位置なのだ」と解悟していました。
さらに,「反省」がどういう経緯で心の中に生まれるか。
それには,子どもにどう応じたらよいか。
重要な中心となる考えが話題になり,とてもいい勉強になりました。

また,教えるためには,どういう状態をまず作り上げなければならないかも話題になりました。
充実しました。

算数ソフトも1つ御披露しました。
分数×分数のソフトです。
かける数が1より小さくなると,積は元の数と比べてどうなるか,ということを理解するソフトです。
面白い仕掛けを盛り込んだので,城ケ崎先生も笑いながら,「これ,いいですね」と言っていました。
うれしい限りです。

島根は楽しかった!

島根に行ったら,飯国先生が歓迎会を開いてくれました。
飯国先生とはフェイスブックですっかりお友達になっていますが,お会いしたことは1度しかありません。
1年前の冬,東京でのイベントのオフ会です。
その程度のお付き合いなのですが,妙に親しくさせていただいていて,おかげで島根の有名なおでんやさんで楽しい一時をすごすことができました。

大きなカボチャの山内先生,山内先生と一緒の北村先生,長いお付き合いのある広山先生も来てくださり,話しがあれこれ飛び交いました。
驚いたことに,普通の知り合いの関係は「山内先生と北村先生」「広山先生と横山」だけで,他の皆さんはフェイスブックで知っている程度でした。
ですので,「飯国先生-横山」のラインもかなり親しい関係という位置になっていました。
こういうのが,新しいつながりの形なのだなと感心させられました。

驚いたことは,もう一つありました。
おでん屋さんです。
このおでん屋さん,1年ほど前に広山先生とお会いしたときのお店で,しかも,同じ部屋です。
島根と友達とおでん屋は,私にとって深いつながりのように思えています。

2次会は,大正クラブ。飯國先生のごひいきのお店です。名前もグッドですし,雰囲気もいいです。中に入ったら,まだ生きているダイヤル電話があり,ビックリしました。
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会場では,片寄先生に,十二単の青山先生ともお会いでき,楽しく歓談しました。足立校長先生も広島から直行してくださり,感激しました。

この日,坪田耕三先生の講演があったので,前から2番目の席でしっかりお話を伺いいました。
具体的実践も素晴らしい上,その実践の意義を語ってくださり,ダブルで学べる良いお話しでした。

坪田先生とは,帰りの空港でもお会いできました。大学のお話しやジャイカの話しを伺うことができました。
折を見て,青山学院大学におじゃまできそうで,楽しみが一つ増えました。
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b8581_300道中,金田一春彦先生の『日本語(上)』を読みました。
島根の道中,何を読むか決めていたときに,パラッと読んで面白かったので,これにしました。「積ん読本」だったのです。

この本,カバンに詰めて良かったです。
算数のことも載っていたからです。

金田一先生のお話によると,縦・横という言葉は西洋に無いようなのです。
ですので,面積を求める公式は,長方形の場合は日本的に「たて×横」と言うのですが,その先の平行四辺形などは,西洋流の言葉で「底辺×高さ」になっているようなのです。

途中で言語が変わっていることになります。
「和語」から「西洋語の漢語翻訳」へと転換されているのです。
それが分かっただけでも,ちょっと賢くなった気がしています。

「たて×横」には,私も慣れ親しんでいるのですが,これは「横×たて」に成らないものかと,思っています。
他の面積を求める形や座標の読み方などに合わせた方が,算数としては筋が通ります。

この1か所だけでも充分に読んだ価値があるのですが,その他,たくさんの「なるほど」が詰まっています。
金田一先生の文章もすばらしく,大いなる学びになっています。

3年生の「棒グラフ」のソフト

8664DLマーケットに算数ソフトが続々と登場しています。

その中の1つ,「3年【棒グラフ】セット(DVDブック追加版)」を御紹介しましょう。
『子どもが夢中で手を挙げる算数の授業』の3年1巻には,3つの単元の算数ソフトが収録されています。
・時刻・時間の計算
・棒グラフ
・そろばん

この「棒グラフ」のソフトを使った藤本先生から,ぜひとも加えて欲しいという御要望があり,できたのが,「追加01 ,表と棒グラフ/1目盛りに気を付ける」です。
右に画像が出ています。

最大の特徴は,[りんご]ボタンをクリックすると,縦軸の数だけが変わると言うことです。
1番上の画面では,「1目盛り=1人」なので,サッカーは11人となります。
2番目では,「1目盛り=2人」ですから,サッカーは22人となります。
3番目は,「1目盛り=5人」となり,サッカーは55人です。

棒グラフでも折れ線グラフでも,1目盛りの基本は「1,2,5」の3種類です。
これが「10,20,50」になったり,「1万,2万,5万」になったりするだけで,基幹の数は同じです。

この3つのタイプに慣れておくだけで,グラフの読み取り力は大きく向上します。

縦軸の数について,先生が説明をしても,それなりに子ども達の頭に入ります。
ですが,大切なことは,子どもが自分の頭で「あっ!そうか!」と「納得」することです。
「あっ! 縦軸だ!」と,自分で気がつくことです。
印象が違いますし,自分で考えついたという喜びも大きいです。
それには,ソフトを見せて,先生があまり説明をしないことです。
気がつくのを待つぐらいでちょうど良いのです。

8663_400縦軸の読み取りをもっと詳しく勉強したいときには,『子供が夢中で手を挙げる算数の授業』3年1巻の「01B,復習/数直線の読み方」が役に立ちます。
右のソフトです。
[?]ボタンをクリックすると,間の数も出てくるので,分かりやすいです。

ゲラを点検しました

6月に児童書を1冊だします。
今日は,その最後の校正が届きました。
特に,大きな直しもなく,良い感じです。

こういう機会に,アマゾンに自分の名前を入れて,何冊出てくるか調べてみることがあります。
「125」と出てきました。でも,中には他の人の本も混じっているかもしれないと思い,下の方まで見てみました。
どれも自分の関わった本だったので,とりあえずアマゾン調べでは125冊なんだと分かりました。

ですので,校正をした本はアマゾンで126冊目の本となります。
夢のような数です。

本で思い出すのは新卒の頃のことです。
あの頃は,退職の年までに本を1冊出して,それがひなびた本屋の棚の端っこに,少しほこりをかぶって置いてある,というのが夢だったのです。
その退職の年というのが,小学校に勤めていたら,ちょうど今年度にあたります。
今年出すこの本は,本屋ばかりでなく,図書館にもどんどん入る本なので,感謝しなければと思います。

今年は,合計3冊のお話しを戴いています。
珍しく,来年の予定も戴いています。今のところ,来年は4冊予定されています。
ちょっと,ハイペースです。
でも,そういう年まわりなのだと,八方に感謝しつつ,バリバリと仕事を進めようと思っています。