Monthly Archives: 9月 2014

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4年 「直方体と立方体」のわかりやすいソフト

「第2回 事前学習法セミナーin東京」の計画が,若い先生方が進めてくれています。
講師陣を見ましたが,強烈です。11月15日(土)が楽しみです。
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b82824年生で「直方体・立方体」を学習します。
そのとき,有効に使えるソフトが右のソフトです。

「面え と 平行な面は,どれですか。」と,問題が出てくるわけです。
普通の子は,「面え」と問われれば,それなりに,どの面か考え,「ああ,あれだ」とわかります。
でも,気持ちが集中できないときなど,「面え」と言われて,一番手前の面に「え」と見えているるので,「手前の面だ」と思ってしまうことがあります。不幸の始まりとなります。

では,そういう子は,立体の感覚が弱いのかというと,そういうことはありません。
「面の表記のルール」が飲み込めていないだけなのです。ですので,何回か「記号と面」のつながりを見ていれば,自分で「ハッ!」と気がついてくれます。
その「何回か見る」という体験を,このソフトは瞬時に何度も経験できるので,授業に有効なのです。

立体のすぐ下に,丸ボタン「あ」~「か」があります。
これをクリックすると,その面に色が付きます。
問題文は「面え」です。ですので,「え」をクリックすれば,その面が緑色になります。
たちどころに,「あっ,『え』はそこなのか」と分かります。

問題の出し方も簡単です。
青い「桜スライダー」を左右に動かすと,それに合わせて,問題が「面あ」になったり,「面い」になったりします。

そうして,答えの確認は,緑色の「面あ」などのボタンでできます。
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嬉しいのは,直方体の頂点にある3つの水色のボタンです。
これをドラッグすると,直方体の形が変わります。
「形の変化」と「平行」とはまったく関係がないことがよく分かります。
こういう基本的な所をマウスドラッグで,しっかり見て経験できます。算数的経験です。これを積んだ子は素地の力も付いてくるので,いいですね。

このソフトは,「4年→直方体と立方体→03A,面と面/平行な面」というソフトです。
すっごくわかりやすいですよ。

3年生の三角形のソフト

事前学習法,若い先生がびっくりする成果を上げています。
私はただただ,驚いています。後日,ご紹介します。

入学前のお子さんをお持ちのNママが,つい先日,ご家庭で算数ソフトを使い始めました。
初日は,キャーキャー言うほど,子ども達が喜んだそうです。
Nママのお子さんも,算数的体験をたっぷり味わうのでしょうね。いいですね。
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b82833年生で三角形の勉強をします。
二等辺三角形についてもしっかり学びます。

二等辺三角形ですから,二辺が等しい三角形ということをしっかり習得すればそれでOKです。
でも,そこから,ちょっと,算数的に前進したいと思ったら,円との関係も見ておくことをおすすめします。

同じ半径の円が2つ重なっていたら,そこに出来る三角形は二等辺三角形になります。
これが理解できるということは,筋道を立てた考えについて行ける頭の持ち主となります。

1,同じ半径の円周が重なっている。

2,だから,2辺は等しい

3,そうしたら,三角形は二等辺三角形だ!

「2→3」が基本です。
その基本の前に「1」をくっつけたのが,2つの円の姿です。
この「1→2」を通って,3へ向かう能力は,間接的になるなので,それなりの能力を要します。
ちょうど,文章問題で「文章を読んでから式を立てる」というな流れが,1→2に該当する感じです。

ちょっと論理能力を要するところですが,このソフトを使うと,その様子をしっかりと見ることが出来ます。
三角形の頂点に薄くボタンが見えていますね。
このボタンは上下にドラッグできます。
すると,円の半径が変わり,同時に,三角形の高さも変わります。
同じ半径の円なので,円周が重なっている限り,二等辺三角形になる様子が,よくわかります。
こういう様子をたくさん見てから,何でいっつも二等辺三角形になるのか,考えると,理由がつかめてきます。
「1」の現象をたくさん見ること,それが「2」へと結びつけてくれるからです。

こういう様子を見ることができるクラスの子は,とってもいい算数的体験ができますね。
このソフトは,算数クラウドの「3年→三角形→03,2つの同じ円と三角形」です。
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「有田和正継承セミナー」が開催されます!

b8397_200有田和正先生を追悼する「有田和正継承セミナー」が東京で開催されます。
11月23日(日)です。
発起人は,古川先生,俵原先生と思います。私にも声をかけてくださり,1講座を担当することになりました。—————————
【日時】 11月23日(日)10:30~17:00
【会場】 TKPスター貸会議室四谷(JR四ツ谷駅から徒歩2分)
東京都新宿区四谷1-8-6 ホリナカビル
【参加費】 一般4000円/学生2000円
【日程】
10:15〜10:30 受付
10:30〜10:35 開会行事
10:35〜11:20 第1講座 俵原正仁先生「俵原が選ぶ有田和正実践ベスト9」
11:25〜12:10 第2講座 古川光弘先生「古川が選ぶ有田和正実践ベスト5」
13:00〜13:45 第3講座 俵原正仁先生「Then Now & Forever. 〜有田先生からの学び〜」
13:50〜14:35 第4講座 横山験也先生「『材料7分に腕3分』に触発されて!」
14:45〜15:30 第5講座 古川光弘先生「有田和正先生から学ぶ教材発掘の基礎技術」
15:30〜15:50 シェアタイム
16:00~16:40 対談型Q&A
16:40~16:45 閉会行事

お申し込みは,こちら です。
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授業づくりの教科書 社会科授業の教科書 3・4年高崎で開催された教材開発のセミナーに,有田先生がお怪我からの復帰講演をされるというので,これは行かねばならじと参じました。
壇上から降り,出口へ向かう有田先生に,お声をかけさせていただきました。

それから3年。
有田先生と歓談したとき,そのときのことを覚えていてくださり,「あのときの約束を守るよ」とおっしゃってくださり,感無量でした。

高崎でのセミナーの帰り際,本当に久しぶりに古川先生と再会。
しばし歓談。有田先生を追い続けているという古川先生。
その古川先生といっしょに,有田先生のセミナーに登壇できること,実にありがたく思っています。
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浮き魚・底魚,さとうきび,大名行列,ずいずいずっころばし・・・
有田先生から勉強させていただき,追試していました。
おかげで,今も社会科系の本を読むと,有田先生からの学びが思い浮かび,その部分を強めに読んでいます。

松澤校長先生から,『名人に学ぶ教育講座 全記録』をいただきました

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愛媛の松澤正仁校長先生から,左の『第19回 名人に学ぶ教育講座 全記録』をいただきました。

表紙に目次が見えますが,4つの講座があり,私は1の「算数 6年『速さ』」と,3の「作法講座」を担当しました。

当日の講座すべてを,宇和島教育サークルの方々がテープ起こしをされ,編集してくださったものです。
とても,読みやすいです。

「作法講座」では,「姿勢」の話をしました。

1コマ全部姿勢の話ですから,聞いていた先生方も少々大変だったと思います。
b8285何しろ,写真のような状態で1コマの時間を過ごします。
背休め(背もたれ)に,背中が触れません。
体は多少きつくなりますが,やってやれないことではありません。

良い姿勢は,ただそれだけで良いですよね。
皆さん,凜としています!

姿勢正しい,凜とした日本人。
これですね。

手元に,明治34年に刊行された『小学作法書』(茨城県師範学校長 鈴木亀寿閲 湯澤直蔵著)があります。
b8284この作法書の第四は,「教室内における心得」です。
その一番目は,姿勢です。
姿勢を教室内の作法として,第一に取り上げています。

一,教室内にありては,姿勢正しく着席すべし。

補足として,次のように書かれています。

姿勢正しからざれば,自然に風采挙がらず,また体格を損じ,身体の発達を妨ぐるに至るものなり
よくよく注意すべし。

良い姿勢をすると,それだけで,10の功徳があることを,九州大学医学部の教授だった池見酉次郎先生が『人間回復の医学』(創元社)に記しています。
明治期の先生方も,姿勢が体に影響することを知っていたのです。

池見先生の話も,作法の講座で話しました。

その記録が,とても読みやすく編集されています。
関心のある方は,松澤校長先生へご連絡下さい。

『大学』にも事前学習法に通じる一節が

算数ソフトを購入したい!
カタログが欲しい! 急ぎで!
そんなときに便利なサイトがありました。

教科書供給協会のカタログスタンドがあります。
そこに,算数ソフトのカタログがアップされています。
プリントアウトして,是非,ご活用下さい。
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b8287『大学・中庸』(岩波文庫)を読み返していたら,事前学習法にちょっと関連する言葉が載っていました。
ご紹介します。

物に本末あり,事に終始あり,先後する所をしれば則ち道に近し。

岩波文庫の訳には,下の通り記されています。

ものごとには根本と末端とがあり,
また初めと終わりとがある。
〔そのことをわきまえて〕
何を先にして何を後にすべきかということがわかるなら,
それでほぼ正しい道を得たことになるのである。

事前に何をするか。
事中に何をするか。
事後に何をするか。

こういう意識もって実行することが,古来よりの「正しい道」なのです。
事前学習法は,その事前を特に意図的に行おうとする授業方法です。

この秋に,事前学習法セミナーが大阪と東京で開催予定です。
11月15日(土)第1回 事前学習法セミナーin大阪
12月14日(日)第2回 事前学習法セミナーin東京
若い先生方が語ってくれます。
今から,楽しみでなりません。

千葉の佐々木先生も,事前学習法に興味を示してくれています。
ありがたいことです。
いつものジョナサンで会って,話をすることになりそうです。

『縦に書け!』は「姿勢」に通じています!

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宇佐美寛先生の『私の作文教育』に,次のように記されています。
「作文の思考には,このように知覚的側面がある。しかし,この問題については,私はまだ不勉強で明確には書けない。代わりに,次の本を読んでいただきたい。」
と,この後に2冊紹介されています。
「①池田久美子『視写の教育--<からだ>に読み書きさせる』(東信堂,二〇一一年)
②石川九楊『縦に書け!』(祥伝社新書,二〇一三年)」

『縦に書け』は,『視写の教育』同様,実にいい内容です。
この本を読む前の私は,縦に書こうが,横に書こうが,鉛筆で書こうが,キーボードを打とうが,「どれも大差なし!」と思っていました。
縦書きの持っている世界観を知らなかったからです。
無知は,恐ろしいです。
成長できるチャンスを自分でつぶし続けるのです。

この本を読で,私は「縦書きだな」と思い改める気持ちになりました。
幸い,作法関係は縦書きでノートに書いているので,これを一層しっかり進めたくなっています。
この縦書き指向になったのは,「姿勢」「立腰」を楽しんでいる自分に,確かな変化が起きているからです。
普通,座っているときの姿勢なんか,「どうでもいいじゃん!」と思います。
それなりに,見苦しくなく座っていれば,背もたれにもたれていても,それが楽なら,「いいじゃん!」となります。
これも,姿勢の持っている世界観を知らないところから出てくる言葉です。

皆さんの中に,ただ座っているだけでほめられたことがある人,いますか。
そういう人は,極めて少ないでしょう。
「良い姿勢」「正しい姿勢」をほめられることで,外から「良い」とか「正しい」,そういう人としてほめられます。人の評価が,自分を形成してくれます。
外からだけでなく,姿勢を良くしていると,正しい方向に自然と向かう自分が出てきます。
なぜ,正しい観念が生じてくるのか。
それは,姿勢という言葉と体が連動するからです。
良い姿勢をしていると,そのこと自体で「良い」という世界観に自分が包まれます。
正しい姿勢をしていると,そのこと自体で「正しい」という世界観に自分が包まれます。
姿勢を良くすることは,その姿を言い表す言葉によって,自分をじわじわと変えていきます。
姿勢の世界を知っているからこそ,出来る自己変化です。

『縦に書け!』に,次のように書かれています。
「字や文を書くとき,紙は単なるのっぺりとした空間ではなく,天と地を持つ現実の世界を象徴する表現空間になります。」
これを知った私は,姿勢同様の大きな何かを得られそうです。
縦書きを意図的に行い,この世界からも成長をしていきたいと思います。

宇佐美先生の本に引用されている本には,外れがありません。